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イラン映画「別離」感想
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2時間釘付け。4つ★半~5つ★
今までイラン映画といえば、映像等の芸術性が優れている国という印象でしたが、この作品は脚本が優れていますねー。これ、アカデミー外国語映画賞に選ばれたんですね。

イランの裕福そうな一家と、妊婦なのに旦那に隠れて仕事に小さな子供の手を引いて家政婦の仕事行かなければならない女性と。気の毒だとは思うけど、この家政婦の女性にイラっと来ちゃった・・・。
それと失業中のこの夫!も~~腹立つ~。大嫌いこういう人。こういう激情型の人間って、ホントに始末に負えない。
でも、結局、お金を取った・取らないは、結局どうなったんでしょうか。信心深い彼女は盗みはしないと思うんだけどな。でも、信心深いわりには、突き飛ばされて流産したって言い張ってたけど・・・。
お爺さんの着替えとお風呂に入れる事を、宗教的に差し障りのある行為ではないか?と、 電話で問い合わせするというシーンとかは、お国柄だなぁ~と思いました。あの手帳、使い込んでたから、結構頻繁に電話してるんだろうな・・・。

それにしても、あの旦那さんも気の毒だわ・・・。たまたま、あんな家政婦さんが来たばっかりに、こんな目に遭うなんて。あの奥さんの海外に移住したい気持ちや、やっと書類が通ったからこの機会を逃したくないというのも解るけど、実際問題として、あのお父さんを一人イランに置いて、行けるものなのか?安心して預けられる病院やセンターなんかがあるんでしょうか? 無いなら無理でしょ~!? イランの病院や老後のシステムなどが全然解らないので・・。

イランの富裕層の暮らしぶりも、この映画で見れて、興味深かったです。かなり近代的な普通の暮らし?をしているんですね。家には、まだ無い食器洗浄機と、ドラム式の洗濯機もあったー!車も良いの乗ってたしー。
中1の娘さんの勉強のヘルプとか送迎とかは、教育熱心な様子がうかがえますね。このお嬢さんが、とても気だての良い、優しく、両親思いの良い子なんですよね~(メガネを取って、ちょっと綺麗にお化粧とかすれば、美人さんだろうな~)なんと監督さんの実の娘さんだとか。

で、奥さん、すごい美人ですよねぇ~!(でも、ちょっと髪の毛の色が赤すぎやしませんか?もうちょっと落ち着いた色目の方が素敵な気が・・) あと、学校の先生とかも美人で素敵な女性だったし、イランの女性は美しい人が多いんだなー。
あと、イランの裁判のシステム?みたいのも初めて見ましたが、あんな風に一人の男性が双方の意見を聞いて・・ってスタイルなのね?あの仕事はキツイねぇ~。凄く疲れそうだ・・・。

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
お金でカタがつきそう・・な処までやっと来たのに、この土壇場になって、流産したのは車にはねられた時が原因で、お金をもらったらバチがあたるから受け取れないと言い出す・・・。コーランに手を置いて誓えないそうだ。まあ、あの旦那の手前、なかなか本当に事は言えなかったんだろうけれどね・・・、もっと早く言ってくれていたらなあ・・・。最後は娘に、どっちの親についていくか?の選択のシーンで終わる。彼女はどっちも選べなかったんじゃないかな。以上

別離 (2011/イラン)
製作 監督 脚本 アスガー・ファルハディ
出演 レイラ・ハタミ / ペイマン・モアディ / シャハブ・ホセイニ / サレー・バヤト / サリナ・ファルハディ / ババク・カリミ / メリッラ・ザレイ

この監督さんの前作も是非見てみなければ・・・。以前よりお友達から「彼女が消えた浜辺」をお薦めされていたものの、近くのレンタルショップに置いてなくて・・。
【2012/12/16 09:58】  コメント(15) | トラックバック(10) | 国籍微妙・他国
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コメント

latifaさん、こんにちは! コメント&TBありがとうございました。
この映画、ホント巧かったよね、、そうそう脚本が。

私は、信心深い人=良い人だとは思っていないんだ。。
むしろ、「宗教」って罪びとのためのものと思っているのです。
弱いひと、と言い換えてもいいけど、、立場とか、心とか、身体的にも。
だから、あの家政婦さん、、お金がないって嫌だよね、、かわいそうだった。

『彼女が消えた浜辺』は私も劇場鑑賞できなくて、観たいと思い続けてます。

もうそろそろ年間ベスト考える時期だけど、これベストに入れる人多そうだね。
いい映画だったけど、私は入れないかも? ちょっと悲し過ぎるー。
真紅  【 編集】  URL |   2012/12/16 17:59   |  TOP ▲ |


イランならではのイスラム世界を交えつつ、世界中のどこでも通用する話を巧い脚本で見せる。
監督の実力を感じますよね。
にゃむばなな  【 編集】  URL |   2012/12/16 21:21   |  TOP ▲ |


おはようございます、latifaさん

これ評判もよく今年のベストに挙げる人もいそうですね。

>たまたま、あんな家政婦さんが来たばっかりに、こんな目に遭うなんて。

ほんとに。
「おとなのけんか」ばりに口論シーン多かったけど惹き付けられました〜
イラン映画ってたまに観るけど良い作品多いです。
mig  【 編集】  URL |   2012/12/17 09:33   |  TOP ▲ |


イスラム社会で女性が生きていくのは本当に厳しいですね。
一見緩そうに見えても根っこでは制約があって、それは男性目線の考えなのでいつまでも縛られる。
それでもそういう社会に生きるからにはそれが普通なので、守らないといけない。
泣くに泣けない想いの人も多いんじゃないでしょうか。。
rose_chocolat  【 編集】  URL |   2012/12/17 12:47   |  TOP ▲ |


真紅さん、こんにちは!

> 私は、信心深い人=良い人だとは思っていないんだ。。
> むしろ、「宗教」って罪びとのためのものと思っているのです。
> 弱いひと、と言い換えてもいいけど、、立場とか、心とか、身体的にも。
おおお~~~~~~~!!
なんか、目からウロコ。
確かにそうとも言えるかも。

ところで、真紅さんは漫画は殆ど読まないのかぁ~ 残念!
私は漫画大好きなんだけど、近くに漫画喫茶とか、漫画をレンタルしているツタヤもないんだよ・・・
latifa  【 編集】  URL |   2012/12/17 15:05   |  TOP ▲ |


にゃむばななさん、こんにちは!
>イランならではのイスラム世界を交えつつ、世界中のどこでも通用する話を巧い脚本で見せる。
その通りですねー。
私も見ながら、このお話は(宗教的な処を除けば)世界中どこの国の人が見ても大丈夫な、身近な処にあるお話であり、共感出来るところの多いお話だなぁ~って思いました。
日本の家族ドラマとかでもありそうな感じで、そこがまた良かったです。
latifa  【 編集】  URL |   2012/12/17 15:08   |  TOP ▲ |


migさん、こんにちは!
> 「おとなのけんか」ばりに口論シーン多かったけど惹き付けられました〜
おとなのけんか、まだ見てないんですよー。
レンタルショップに並んでいるんだけど、どうしようかなぁ~って悩みつつ、つい他のに手が出ちゃって・・・。

イランの女性が、なかなか社会進出しているというか、ベールはかぶっていても、職業婦人(爆)として、活躍されているのが映画化から伺えましたよね。
お国柄とか国内の暮らしぶりなども興味深かったです。
latifa  【 編集】  URL |   2012/12/17 15:12   |  TOP ▲ |


roseさん、こんにちは!
実は10数年前、イスラム圏にハマっていて、何度も海外旅行や、現地に長期で遊び滞在していたことがあるんです・・・。
イスラム圏の女性、大変です・・・。私は無理って思いました。

でも、イスラム圏で女性に優しいところもあるんだな~って感じる点もいくつかあったんですよ。
たとえば、結婚した時に、もし離婚したらこれだけお金もらって、こういう条件で・・っていうのを先に約束しておくって規則なんかは、日本より良いかも?って思いました。
日本だと離婚すると女性が生きていくのは金銭的に難しいから離婚せずに耐える・・・っていうのが結構多いような気がするので・・。
latifa  【 編集】  URL |   2012/12/17 15:17   |  TOP ▲ |


latifaさん、こんにちは!
なんとか年内にこの作品を観る事ができました。

なに、latifaさん、イスラム圏に滞在してたって?
なかなか凄い場所まで行ってたんですね~
イスラム圏の女性が大変なのも感じられたけど、
主張はしっかりするよね。皆さん、口では負けてなかった(^▽^;)
やっぱり日本人女性は奥ゆかしいかな。
「ここは丸く収める」っていうのも、日本人のほうが臨機応変に
または自分がガマンする事で出来るよね。良いか悪いかは別として。

とにかく娘が一番可哀想で、latifaさんの言う通り、
最後は選択できなかったでしょうね・・・
YAN  【 編集】  URL |   2012/12/26 17:14   |  TOP ▲ |


YANさん、こんにちは!
YANさんちで、ブロガーさんが、吉永さんがこの映画をお薦めしていたと知りましたよ、そうなのねー!!

で、そうなんですよ。若い頃(子供が産まれる前ね)イスラム圏にハマってた事があるの・・・。
そのころ、丁度テルメーと同じくらいだった年の女の子が、今では、30代中盤で子供もいるっていうのが、どうしても信じられない・・・。約20年会ってないから・・。その時の姿で、みんな止まってるの。

> 「ここは丸く収める」っていうのも、日本人のほうが臨機応変に
> または自分がガマンする事で出来るよね。良いか悪いかは別として。
うん、うん・・・。
日本女性は、世界的にも、とても優しくて従順??な妻向きの人って思われてるよね、実際そうかも・・・。
結構自己犠牲があるというか・・・。
latifa  【 編集】  URL |   2012/12/27 09:01   |  TOP ▲ |


このコメントは管理人のみ閲覧できます
  【 編集】   |   2012/12/27 20:39   |  TOP ▲ |


latifaさん、そのイスラム圏のお友達と
その後やりとりがあるんですね~

ところで、もうPCにゆっくり向かう時間もないので、
早々と本年のベスト作品をUPしました。
私も本作は、ベストに入れなかったんですよ。
外国語映画賞受賞作で入れなかったのは初めてかも。
良作だとは思ったけど、
そこまでグッと引き付けられるものは無かったかな(^^;

本年もいろいろお話しさせていただいて、楽しかったです!
ありがとうございました★
どうぞ良いお年をお迎えくださいね~☆
YAN  【 編集】  URL |   2012/12/28 16:58   |  TOP ▲ |


こんばんは~。
今年ももうあと3日ですね、気持ちアセアセしつつも昨日はこの映画にハマりこみました。

>気の毒だとは思うけど、この家政婦の女性にイラっと来ちゃった・・・。
うんうん、私も彼女の環境やご主人のことを思うと気の毒だとは思うけれど・・、反面、「ちょっとなあ・・」って思っちゃいましたよ。
本当のことを打ちあけたのも自分の良心からではなくって、コーランを持ち出されてだし、お金をもらうことで娘に罪がかかる・・ってことって聞くと、宗教上の問題が無ければそのままでも平気なの・・って思っちゃう。

外国に移りたいという奥さんよりもあの義父さんを置いてはいけないというご主人の方に気持ち傾いちゃうし。

しかし、とにかく引き込まれる脚本と演出でしたね。最後まで目が離せなかったわ。

眼鏡の娘さん、監督さんの娘さんなのね!!
戻ってくるという母を信じ、妊娠していたことは知らなかったという父を信じていた・・・彼女が大人の嘘に悲しむ姿が心に痛い(涙)

監督さんの「彼女が消えた浜辺」も良かったですよ~、ぜひ。

この作品で今年の映画鑑賞最後になるかな、私。
ベストもそろそろ決めなくっちゃ。
今年もいろいろお話してくださってありがとう。
来年もよろしくお願いします♪
よいお年をお迎えくださいね。
  【 編集】  URL |   2012/12/28 19:02   |  TOP ▲ |


YANさん、こんにちは!
新年あけましておめでとう~

殆ど、長年の間に、切れてしまったのだけれど、少しだけ繋がりが続いている子がいるのよ。
毎年この時期、年賀状を見つつ、あんなに仲良かったのに連絡が途絶えてしまった人が沢山いる中、それほど親しかったわけじゃないのに、お互い義理がたくて??年賀状だけは続いているひと・・・など、色々いるなぁ~って複雑な心境になるわ。

YANさんのベスト、拝見しましたよー。
いつもYANさんの感想は、自分の思うところや、ツボが似ていて、うおっ!って思うのに、こういうベスト選出になると、若干違っているのが、とっても面白いわー。
latifa  【 編集】  URL |   2013/01/02 09:18   |  TOP ▲ |


瞳さん、こんにちは!
新年あけましておめでとうございます^^

おお~年の暮れに、これ見たのね^~^
同じ頃に同じ映画を見た者同士だわん。
↓そうなのよね~。見る前は、なんだか現実世界でバタバタ慌ただしくて、映画どころじゃないわ~って気分だったのだけれど、見出すとハマってしまう吸引力のある映画でしたー。
> しかし、とにかく引き込まれる脚本と演出でしたね。最後まで目が離せなかったわ。

> 監督さんの「彼女が消えた浜辺」も良かったですよ~、ぜひ。
うん! 来年早々見なければーって思ってるの。
実は他のブロガーさんからも、彼女が~はお薦めされていたのだけれど、見る機会を逃したまま、先に「別離」から入っちゃった。
順番的に、彼女が~を先に見ておけばよかったなーって後悔しています。

瞳さん、去年は体調の事とか、色々励ましの温かい言葉とか頂いて、とても嬉しかったです。
今年もよろしくおねがいします(^○^)
latifa  【 編集】  URL |   2013/01/02 09:23   |  TOP ▲ |


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