「夢売るふたり」感想
西川監督のファンです。これまでは男性が主人公の作品が多かったので、女性が主人公のお話は新鮮でした。4つ★
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全体的に、西川監督ならではの、鋭い人間観察が冴えてる視点や脚本が感じられ、すごく面白かったのですが、やっぱり結婚詐欺とか、ユルセン!

松さんは、さすがの演技でした。「ヴィヨンの妻」で後半、かいがいしく居酒屋で働く姿が、この映画とかぶりました。他の出演者さんたちも、みなさん素晴らしくて、西川監督作品で、なじみのある俳優さんがちょこちょこ出て来たのも嬉しかったです。

この映画では、自転車に乗るシーンが何度も出て来ますが、その時々で効果的な作用をあげていました。
中でも印象に残っていたのは、自転車を二人乗りする仲むつまじい様子。交番の前でだけ降りて、また通り過ぎてから乗る。
この夫婦、仕事中にもお互い目だけで通じあえているんですよね・・・。最初のちょっとした浮気からの、結婚詐欺の他の女性との逢瀬は、里子は余裕を持って見ていたけれど、それが段々崩れて行きます。
最初に、平常ではいられなくなったのが、ウェイトリフティングの女子。夜景のレストランで、気の毒・・と言ったシーンでした。

この女優さん、江原由夏さんって方は、初見ですが、こういうかわいい人を騙しちゃ絶対いけないな、バチがあたるぞって思いました。
あと、デリヘル女子が「誰が幸せにしてくれるの? こんなんだけど、自分で立っている、今が幸せ。」と堂々と言い放つシーンもすっごく印象的でした。

男に頼らず、自分の足で立って生きる女性達に、里子は引け目を感じていたと思われます・・。
夫に「お前の足りんは、お金やなくて、腹いせのたりん、たい。」と言われてしまう。

でもね、私から見て、里子は体力も愛嬌もあって頑張り屋さんの働き者で、別に旦那に寄っかかって生きて来て、楽してるって感じがしなかった。彼女なら、別に旦那と一緒じゃなくったって、飲食業界でも1人で、どんどん出世して行けそうな器なんじゃ?って思ったのよね。
田中麗奈さんの姉妹を演じた倉科カナさん的な女性ならば、解るけど・・。

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
男の子が包丁でつるべを刺したのは、やっぱり、なんかマズいのでは?!と思っちゃったので・・・。物事をよく解らない年の子がやったとはいえ、つるべも元気そうで復帰早かったとは思えるけど・・・。
ラストは、男の子の罪をかぶり服役している様子が流れます。2人が同じカモメを見る・・。里子は魚倉庫で、キャリーカーを動かしバリバリ働いています。きっと旦那が出所した後には、また2人で出直せる予感のするラストと私は思いました。眠ってた里子を自分の足に乗っけてベットに運んだシーン、とても仲むつまじい様子が出ていて好きでした
以上

夢売るふたり (2012/日)
監督 脚本 西川美和
出演 松たか子 / 阿部サダヲ / 田中麗奈 / 鈴木砂羽 / 安藤玉恵 / 江原由夏 / 木村多江 / 倉科カナ / 香川照之 / 笑福亭鶴瓶
【2013/04/12 12:26】  コメント(6) | トラックバック(3) | 日本映画
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コメント

latifaさん、お久しぶりです!
お元気ですか?

こちらは息子二人が中学・高校進学で、慌ただしい春を迎えています。

『夢売るふたり』は、劇場で観ました。
西川美和監督の作品は、『ゆれる』も『ディア・ドクター』も好きな作品だし、なんといっても主演が阿部サダヲと松たか子ですもんね(*^^*)

今回は、松たか子あっぱれ!という感じでした。
甲斐甲斐しい奥さんの役と、自分達の幸せのためには何でもやる・・という狂気にも似た凄みのある役とを、さらっとこなすあたりはさすがですね。

自転車のシーンでいうと、訛りでしゃべる安藤玉恵と阿部サダヲの二人乗りのシーンが印象的で、私は彼女を知らなかったので、思わずなんていう女優さんか、見終わって調べたくらいです。
なかなかいいシーンでした。

人の不幸を踏み台にしても、幸せにはなれない・・・ですよね。
とも  【 編集】  URL |   2013/04/12 23:39   |  TOP ▲ |


latifaさん、おはようございます~。コメント&TBありがとうございました。
確かに、松たかこ(里子)は逞しかったね。。最後フォークリフトまで運転してるし(笑)。
ホント、彼女なら自分一人でも全然生きてけそうだけど、そうできないところがやっぱり「女」なのかなー。
松さん自身には、私はそういう女の業とか、色気って感じないんだよね。。
すごくプロ意識の高い女優さんっていうか、まぁ小さい頃から芸の世界に身を置いているからか、醸し出す雰囲気が違うというか。
お嬢さんなんだけど、ちょっと屈折もしてるかな?という。
寺島しのぶさんのほうが、その辺りはもっと強烈だけどね。
梨園の家庭に生まれた女の子は、いろいろ思うところもあるのかな、とか勝手に想像。

西川監督のエッセイ、今図書館で予約中なんだ。超楽しみ~♪
あ、次の映画ももちろん楽しみだね。
真紅  【 編集】  URL |   2013/04/13 07:31   |  TOP ▲ |


ともさん、こんにちは!
お久しぶりですねー。コメントとても嬉しいです(^○^)

ともさんちは、おこさんが、3個違いなのかな。キツイですよね。2人同時は!
私の友達は、やっぱり3個違いの姉妹とか兄弟を持つ方が多くて、この冬~春にかけては、みなさん相当お疲れになってました。
お二人とも、新しい環境に慣れて来た頃でしょうか^^

これ、劇場鑑賞だったんですねー!羨ましいですー。
やっぱりお家で見るより断然映画館で見る方が良いですもん。
阿部サダヲも演技上手いなぁ~~って感心しました。
それほど二枚目じゃないけど、人が良さそうで、警戒心を抱きにくいタイプかな・・・。
『ディア・ドクター』に出ていた、つるべーがちょっと出演していたり、「ゆれる」の香川君が出て来たりしてましたよね。
松さんは、昔昔、ロングバケーションでキムタクの思い人として登場したときは、まさかこんな凄い女優さんになるとは想像もしてませんでした。

> 安藤玉恵 思わずなんていう女優さんか、見終わって調べたくらいです。
私もです!!
まず、あの電話ボックスでのシーン、その後のシーン、やたら印象に残りました。
幸薄い女性があんなにハマる女優さんってそうそういないよな?他に、どんな映画に出てたのかな?とか、色々検索してしまいました。今後も注目したい人です。
latifa  【 編集】  URL |   2013/04/13 17:22   |  TOP ▲ |


真紅さん、こんにちはー!
フォークリフトって、きっと免許とか必要よね? きっと今までみたいに、短期のウェートレスとかのアルバイトを2つかけもちっていうのとは違って、ガッツリあそこで働いているんだろうな~と想像しちゃった。

私も松さんには、色気とか業とかは感じないなー。
やっぱりどこか良いところのお嬢さんってのが見え隠れするような。
汚れ役をやっても悪人をやっても、根からそういう人に見えない(そこが使う方も狙いなのかもね)

> 寺島しのぶさんのほうが、その辺りはもっと強烈だけどね。
うん、うん。彼女はキョーレツ!!!
すごいよねー。でもフランス人の旦那をgetした処とか、さすが・・・って思った。
日本男子に彼女をまるごと受け止められる人って、そうそういないと思う。

> 西川監督のエッセイ、今図書館で予約中なんだ。超楽しみ~♪
えっ!しらんかった。
情報ありがとうー。私も早速予約してみる!
latifa  【 編集】  URL |   2013/04/13 17:27   |  TOP ▲ |


latifaさん、こんばんは。
最近、latifaさん見たDVDすごく良さそうなのばっかりですねえ〜!
もしや、年末のベストからのピックアップリストなのかな。
私も、手元に『僕達のムッシュ・ラザール』があるので、近々見ようかなあと思っています。
あと、『トガニ』!私もマストリストに入れてたんですが、もうDVDになってたの知らなかった〜!早速見なくちゃ。

さて、この作品ですが。
そうそう、少し欠点は目立つ作品でしたよね。
ただ、映画を見ていろいろな事を考えたり、後から後から何かが引っかかって気になって映画に戻ったり…
見る者をそんな思考に陥らせてしまうところが西川作品の好きなところで、
他の邦画の作品には出来ない到達点にやはり、この作品も到達しているように思えました。
邦画をそれほどたくさん見ている方かと言われてみればそうとは言えないので、私の勝手な意見なんですが…
そんなわけで、ついつい美和サンには肩入れしたくなっちゃうんです。
とらねこ  【 編集】  URL |   2013/04/13 18:57   |  TOP ▲ |


とらねこさん、こんにちは!
いやいや、、、映画は全て感想をアップしてるわけじゃないので、大きく外してる映画もあったりします。
とはいえ、面白かったから必ず感想書くってわけでもなく、その逆も有りだったりしますが・・(^^ゞ

確かに手元にリストがあります!(映画の好みの似ているブロガーさん達の去年のベスト10で、自分が未見の映画で、これから見よう!と思っている作品リスト)
ただ、持っているものの、まだそこまで手が伸ばせていない状況です。
とりあえず今は自分が見たいと思っていた作品から借りて見ています。私は田舎住まいなので、劇場になかなか見に行けない映画があって、それらがDVD化されるのを待ってレンタル!って事が多いんです。

> ただ、映画を見ていろいろな事を考えたり、後から後から何かが引っかかって気になって映画に戻ったり…
> 見る者をそんな思考に陥らせてしまうところが西川作品の好きなところで、
私もです! 1回だけじゃなくて、何度も見て確認したくなる処を残す?作風ですよね。

それにしても、とらねこさんちで教えて頂いて初めて知ったのですが、松さんはフォークリフト、この映画の為に免許を取ったんですね?すごいわーー! 自転車も確か乗れなかったのを、この映画の為に練習したと聞きましたし・・・。
latifa  【 編集】  URL |   2013/04/18 09:55   |  TOP ▲ |


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夫婦善哉~『夢売るふたり』
真紅のthinkingdays (2013/04/13 07:19)
 里子(松たか子)と貫也(阿部サダヲ)は、東京のある街で小料理屋を営む仲の 良い夫婦。しかし、火事で店は全焼し、二人は全てを失ってしまう。  『ゆれる』 『ディア・ドク...


『夢売るふたり』 (2012) / 日本
Nice One!! @goo (2013/04/13 11:16)
監督・脚本・原案: 西川美和 出演: 松たか子 、阿部サダヲ 、田中麗奈 、鈴木砂羽 、安藤玉恵 、江原由夏 、木村多江 、やべきょうすけ 、大堀こういち 、倉科カナ 、


夢売るふたり
風に吹かれて (2013/04/13 13:44)
女心は複雑公式サイト http://yumeuru.asmik-ace.co.jp原案・脚本・監督: 西川美和  「ゆれる」 「ディア・ドクター」 東京の片隅で小料理屋を営む貫也(阿部サダヲ)と妻(松


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