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「そして父になる」感想
凄く面白かったです!5つ★
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子供取替えられ事件を題材にした内容は、既に何回か見た事があったので、この映画にそれほどまでには惹かれなかったので、レンタルになってしまっていました。
しかしながら、予想以上に、凄く面白く、引き込まれた作品でした。
セレブVS貧乏家族 という構図も、よくある設定でしたが、本作の主役は、タイトルとおり、セレブでクールだった福山君が一皮むけて「父になる」という処だったのが、とても良かったです。

あと、是枝監督作品の映像とか、多くを言葉で語らずに、細やかな部分で心情などを感じさせる演出とか、やっぱり素敵だなーセンス良いなーって思う処が多数ありました!

福山君演じるお父さんは、上から目線でイヤなヤツだったけど、こういう人がセレブ代表(平均的父親像)ってわけじゃないんだろうし、貧乏だけど子煩悩じゃない人だっているだろうから、貧乏だけど良いオヤジ平均代表が、リリーさんってわけでもないわけで。
最初、金にうるさい様子が印象に残った貧乏リリー家族だけど、おもちゃを治してくれたり(これ。凄く効いていました)、子供と一杯遊んでくれたりと、良いお父さんだったことに驚き・・。

見てる側としては、若干、リリーオヤジに肩入れしたくなる様に作られていた感じがあったような。
実際セレブ・貧乏にかかわらず、子供と遊んであげたい気持ちはあっても、日本のお父さんの多くは仕事が忙しくて、なかなかそういう時間が無いわけで。そういう点でも、この映画を見たお父さんの中で、わが身を振り返って慌てる人もいるだろうと思います。

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
実は福山君も幼い時に、実の母とは別れ、家出して会いに行った事があったとは。
一時は自分が2人共育てようと思っていた福山だけど、実際は逆で、リリー一家が2人を育てても良いけど?と言われる始末。
一番ガーンと来たのは、父の日の折り紙で作ったバラの花のエピソードでした。上手にできた方をリリーパパにあげるらしい息子。数日後、その花がソファーの奥から出てきて、無くした事さえ気がつかずにいた自分。
心を入れ直した福山君。今まで大人目線でしか子供に接してこなかったけれど、リュウセイ君にギターで応戦する真似をした時には、うわー!子供と遊んであげるようになったんだ!と、嬉しくなりました。
ちょうど良いタイミングで、仕事が栃木に移動になる。以前より時間に余裕も出来て、釣りやキャンプも出来る様になったみたい。良かった、良かった。
でも、もし以前のままの多忙な職場のままだったら、どうだったんだろう?そこが気になるねーと娘と話しました(^^ゞ
最後は、ハッキリどうなるか解りませんでしたが、以前とは変わった福山君だし、双方の一家が、交流を時々持ちながら、きっと良い感じでやって行けるんじゃないかなーと願いたいです。
以上

ただね、小1くらいだと、断然リリー一家の方が楽しいと思うんだけど、これがあと10年後、高校くらいになったら、逆転する可能性も・・。
お年頃になって自分の部屋が欲しいと思っても、リリー一家じゃ無理だろうし。
経済力がある福山一家の方が、塾や大学、進路もお金のことを心配せずに好きな方へ進めるだろうし。

それと、夏八木勲さん演じるお父さんは、かつてはお金持ちだったんだろうけれど(息子の福山が、ピアノを習っていたりとか私立の小学校に行っていた事からも推察できる)、何らかの理由で没落し、現在の質素な暮らしになってる、って感じでしょうかね? そのあたりが解らなかったのは残念。

全体的に是枝監督が、お母さんは優しく偉大。どんなお母さんも素晴らしい!というスタイルを打ち出していましたね。
風吹ママにしても、真木ママ・尾野ママにしても。
あの取り違え犯人の元看護婦も、昔は手こずった血のつながらない息子に、今では、福山君から、かばってもらえる存在の「お母さん」になっているしね。

主役に福山君っていうのも、すごく納得が行くキャスティングでした。
でも福山さんの奥さん(尾野さん)は庶民からセレブ妻というよりは、電気屋・弁当屋でバイトする妻の方も合ってたかもな。

全編通して、ピアノのBGMの使い方が素晴らしかったです!

そして父になる (2013/日)
監督 脚本 是枝裕和
出演 福山雅治 / 尾野真千子 / 真木よう子 / リリー・フランキー / 田中哲司 / ARATA / 風吹ジュン / 國村隼 / 樹木希林 / 夏八木勲
【2014/04/27 13:33】  コメント(8) | トラックバック(5) | 日本映画
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コメント

latifaさん、おはようございます。コメント&TBありがとうございました。
こちらへのお邪魔が遅くなってしまいました、ちょっとバタバタで。ごめんねー。
GWだけど、私はカレンダー通りに仕事なので、まだ全然気分じゃないな。。

この映画、そうそう! 尾野さんが福山くんの奥さん、っていうのだけちょっと納得が行かんかった^^;
彼女巧いけど、ちょっと庶民的なイメージがあるからねー。
好きな女優さんではあるんだけど・・・。

是枝監督って、ホントやさしい人なんだなーって思わん?
映画にしても、文章にしても音楽にしても、その人となりって表れるよね。
今度は『そして母になる』的な作品も観てみたいなー。
真紅  【 編集】  URL |   2014/04/30 07:52   |  TOP ▲ |


真紅さん、こんにちは!
凶悪、これと一緒に借りて来て見たんだよー後日感想アップするね!
その時、また改めてお邪魔するわ。

今年のGWは平日?な日が結構あるから、お仕事や学校が普通にある人も多いんだよね。
お疲れさまです。あと今日と明日終われば、連休だね♪

尾野さん、庶民なイメージだよねー。でも、そういえば、前に、小学校お受験のドラマがあって(タイトル忘れたけど、杏さんが主役で)そこでもセレブな奥様なんだけど、実は旦那にDV受けてるっていうのがあったっけか。

是枝監督って、優しいよねー。どんな人生送って来たのか知りたくて、検索しちゃったよ。出てこなかった・・。お家が貧しかったのかな?と思いきや、大学も行かれてるし・・・。
どうしたら、こういう目線で、作品作れるようになるのかな
latifa  【 編集】  URL |   2014/05/01 12:01   |  TOP ▲ |


お邪魔します~~
良かったよね、この作品。
自分だったらどうよ・・・って考えちゃうところ多かったわ。
母親としては育てた子も愛おしいし
産んだ子も愛おしいしね・・・
悩むよ。

↑の話に加わっちゃうけど。
私は、尾野さん・・って初めてみたのが
たぶん、そのお受験ドラマだった気がするよ
だから、この映画観た時はそのドラマの
イメージとかぶっていて(お受験面接シーンあったしね)、逆に違和感なかったんだよ。

でも映画の後、彼女をいろんな場面で見かけるようになって、また、意外な人との恋愛記事も出たよね?だからその辺りから
イメージ変わっちゃった…笑
今の月9もヤンキーっぽいしね。


凶悪借りてるのね
未見だけど感想楽しみにしているよ~~
みみこ  【 編集】  URL |   2014/05/01 17:41   |  TOP ▲ |


またこちらだけ御邪魔します。
ちょっとばたばたで、丁寧にお話したいので。

先日、監督がインタビューでこの映画のことを少し話されていたのを見ました。
で、取り違え夫婦が全て自分と血の繋がった子を引き取り交換し、ほとんどは育てた子供と二度と会わないという選択をしたことに疑問を持ったという話をされていて、私もそれについて興味を持ちまして。
で、この映画を作るきっかけになった本「ねじれた絆」という本を読みました。
この本は実在する家族を追ったノンフィクションですが、内容がこの映画よりもドラマティックすぎて、びっくりしてしまいました。
そんなことってあるのかいな、みたいな感じで、あっけにとられるというか・・・
この本をそのまま映画化したらフィクション色が強すぎるというか、伝えたいことがぶれて消えてしまう感じだったんですよね・・・
だから、是枝さんがこういうゆだねるような決めつけない脚本にしたのは、すごく「らしい」し、クレバーで、人間をよく観察していると思いました。
牧場主  【 編集】  URL |   2014/05/07 19:23   |  TOP ▲ |


みみこさん、こんにちは!
お返事、凄く遅れてしまって、ごめんなさい。
GW後半は風邪やら何やらで久しぶりに寝込んでいたの。やっと少し普通の生活が出来る感じになったよ。
まいったー!

赤い運命、書店でDVDが出てるのね?
百恵ちゃんは出てないんだけれど、一番見たいのが、ピアニストのやつ赤い激流なんだよねー
この前、宇津井さんがお亡くなりになられたし、水谷さんは今も活躍中だから、是非是非にテレビで再放送してくれないだろうか???

>そのお受験ドラマだった気がするよ
あれ、見てたのねー?そういえば、みみこさんと、お話したような・・・(このとおり記憶がやばい)
あのドラマに出演していた女の子の子役たちが、その後やたら注目されて行ったよね・・。
個人的には、子役・ステージママ?なんだかなーだけどね。

>また、意外な人との恋愛記事も出たよね?だからその辺りからイメージ変わっちゃった…笑
ほっしゃんだよね? 私もびっくりしちゃった・・。
実は、今は、それほど好感は持ってなかったりする。

それよかさ、最後から二番目の恋見てるー?
1話目は、なんかショックだったんだけど(前回と違ってしまって、悪ノリ感とかヨーロッパロケとか・・)2話目からは前に戻って、ほっとしてるよー♪
やっぱり楽しいー!

> 凶悪
みみこさんは、未見なのね? 
うーん、後ほど感想アップするけど、やっぱり先に「冷たい熱帯魚」を見てしまっているから、なんかかすんでしまいがち・・・だったよ・・
latifa  【 編集】  URL |   2014/05/10 11:36   |  TOP ▲ |


牧場主さん、こんにちは!
えーそんな番組があったんですか・・見逃しちゃったな、見たかったなあー

>「ねじれた絆」
さっそく図書館にリクエストしました!近々借りて読んでみます。情報ありがとう。
それにしても、実の子供を引き取って・・・っていうのは少々驚き。
育ての子供を手放すとか、ありえん・・感じですが・・(私的には)
でもね、親と子っていうのも、相性あると思うのですよ。
あ、これは、血がつながってるから相性良いとかじゃなくてね。

そうそう、言おう言おうと思って、いつも忘れてしまっていたのですが、ブルボン小林さんの「ぐっとくる題名」面白かったですー!!感想書きそびれてしまいましたが、穂村さん的な匂いのする本でした。
滅多に私が借りて来た本に興味を示さない娘が、珍しく、勝手に先に読んでいました。
latifa  【 編集】  URL |   2014/05/10 11:51   |  TOP ▲ |


latifaさん、こんにちは!
先日は親知らずについてのお話をどうもありがとう~☆
ちなみに、latifaさんが抜いた時は痛かった?(^^;

やっとこれ観ました!
私としては、2人の父親像があまりにも型にハマッていて、
(設定として)面白味に欠ける・・・って思ったんだけど、
latifaさんはその辺り、この人達が平均代表ってわけでもないと、
割り切って見ていて、冷静な視点だな~って感心しました。
それに、今はリリー家族のほうがいいけど、
大人になったら経済力のある福山家の方がいいと言うのも、
すごい冷静!(≧▽≦)ノ☆
物語を超えた所まで現実的に眺めているのが面白いわ!
YAN  【 編集】  URL |   2014/06/10 17:25   |  TOP ▲ |


YANさん、こんにちは!
お返事遅れちゃってごめんなさいm(__)m
私の親不知を抜いた時は、1本づつだったから、そんなんでもなかったよ。
実際は、抜く前の恐怖感が一番でかくて、実際は思ったよりは大丈夫だったって感じで・・・。

> 割り切って見ていて、冷静な視点だな~って感心しました。
> それに、今はリリー家族のほうがいいけど、
> 大人になったら経済力のある福山家の方がいいと言うのも、
むははは!
ありがとーう(*'▽')
昔、百恵ちゃんのドラマ(そっくりな設定)を一度見てるしね。
割と冷静に見る事が出来たのかも。

子供ってさ、小さい頃はかまって遊んで欲しいけど、大きくなったら、少しほおっておいてもらいたいって思う、わがままな生き物だよね。
大人になった自分も、かつては子供だったわけで。
自分が小さい頃、10代のころ、どんな風に思っていたのか・・・を、忘れないで、思い出すようにして、子供とかかわって行きたいもんですなー^^
latifa  【 編集】  URL |   2014/06/20 10:21   |  TOP ▲ |


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