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「胸騒ぎの恋人」「マイ・マザー」感想
グザヴィエ・ドラン作品2つ。
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まずは「胸騒ぎの恋人」

元々友人の、ゲイの男と女が、同じ男性ニコラ(ニルス・シュナイダー ルイ・ガレルすいません!間違ってました。訂正しました)を好きになってしまった、というお話。
笑うべき箇所ではないのだけれど、ちょっぴり可笑しく感じてしまう処もあったり・・・
この愛され美男子男が、まあ、なんというか・・・思わせぶりで、2人を翻弄するのを密かに楽しんでる悪いヤツ?なんですよ。
確かにギリシャ彫刻から抜け出してきたような、美青年ではあるんだけれども。
次に見る「マイ・マザー」でも登場し、またもやドラン君といちゃこらするというお相手。

で、ドラン君は、もしや、こういうクルクルヘアの金髪に弱いんじゃないだろうか?
自らも「トム・アット・ザ・ファーム」で、少しこれに近いヘアにしてるし

この映画での女子のファッションがカワイイ。ご本人は、あんまりカワイイ系じゃなくて(スマン)、もう若くはないけれど、まあまあまだ綺麗で、お洒落な女性という、この役に良くはまっているキャスティング。
50年代から60年代の古着ファッションに、アップスタイルのヘアスタイルや、アンナ・カリーナやオードリー・ヘップバーン的なヘアスタイルとかでいつも決めてるのですよ。お泊りの時のキャミソールまでもが勝負寝間着なんですよ。

両方の作品で、美しい秋のモントリオール近郊の風景が流れます。
音楽は、また、なんというか・・レトロなフランスの・・バンバン♪とかって耳に残る曲を使っていました。

印象に残ったのは、
★以下ネタバレ 白文字で書いています★
洗面所に数を数えている棒線が沢山書かれているのだけれど、それってフラれた数だと後の解ってびっくり。
こんなにフラれているんだ・・・(逆に、これだけモーションかけているのね?)。こんなにカワイイ男子でも、やっぱりゲイのパートナーを探すっていうのは、とても難しい事なのね・・・。

3人で旅行に行ったり、曖昧な距離間で楽しんでいた(のはニコラだけかも)ものの、とある朝に、2人は、とっくみあいの喧嘩になってしまう。こういう風になると、面倒になって、2人から離れてしまうニコラ。
追いかける2人。 それぞれアタックするも撃沈・・・。
あの詩を載せた手紙は、実は女友達に送るのを、間違って送ってしまったのだけれど・・・とか、バレバレの嘘を言ったり、偶然装って、ニコラの住まいの近くの場所で粘って遭遇とか、はたで見ていると痛々しくも微笑ましいというか・・・そういうシーンも数々ありました。
結局、フラれた2人は、また元どおりの友達同士に戻る・・・。パーティーで久しぶりにニコラに会うも、ギャウー!と吠え顔になるドランがカワイイ(^^ゞ  あれ、、、また新たな黒髪ギリシャ風イケメン男性に2人の目が釘付けよ?!(笑)
以上

胸騒ぎの恋人 (2010/カナダ)
Les Amours imaginaires
監督 脚本 グザヴィエ・ドラン
出演 グザヴィエ・ドラン / モニカ・ショクリ / ニールス・シュナイダー / アンヌ・ドルヴァル / ルイ・ガレル

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「マイ・マザー」
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自伝的作品だそうですが、ドランの実在のママは、まだ生きているでしょうし・・・
こういう作品を作ったり、世に発表するっていうのは、なかなか勇気が要るというかね、気恥ずかしい処もあるだろうに・・。
タイトルの「ママを殺した」の意味は、この作品を発表するということは、あたかも実の母を殺してしまうような事だからなのかな・・・?

本作は、17歳のときに自身が書いた脚本を、19歳で監督し、完成させたデビュー作。そんな若くして・・凄いわー。
内容はというと、とてもシンプル。
高校生のゲイ男子と母親の確執を描いた作品。
モントリオールのママさんと息子と、日本のソレとは、そんなに違わないものなのかもなあ・・・と、感じた映画でした。
息子が親しくしてるお家のママさんと、偶然会った時に、自分が知らなかった息子の事を、他人の口からさらりと聞いてショックを受けるとかね^^

まあ、、突然切れて激怒する、という似た者同士の親子でありますね・・・。
ドランが「4歳の時から一人だった」って怒っていたけれど、何があったんだろうか? 母親に愛人でも出来て一度は家を出て行ったりしたのかな?母親は、離婚した夫のことを、育児放棄したダメな父親って言っていたけれど・・・。

この映画で登場する女教師の女優さんは、「わたしはロランス」の主役の彼女じゃないですか!
きっと、実際のドランにも、こういった良い先生がいて、彼が監督や映画の世界で生きていく、なにか取っ掛かりをくれたり、何か手助けをしてくれたのではないかな・・・?

ママがアニマル柄が好きだったり、飴玉を持ち歩いてる人がいたり、世界共通で、おばちゃんって、こういう感じなのかな?って、ちょっと可笑しくなる処があったわ。

マイ・マザー (2009/カナダ)
J'ai Tue Ma Mere
監督 グザヴィエ・ドラン
出演 グザヴィエ・ドラン / アンヌ・ドルヴァル / フランソワ・アルノー / スザンヌ・クレマン / パトリシア・トゥラスーヌ / ニールス・シュナイダー
【2015/10/11 21:11】  コメント(13) | トラックバック(7) | フランス・ベルギー カナダ
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コメント

こんにちは

恐ろしい子、ドラン監督の2作いっぺんに、ですね~
どちあらもやはりマイノリティをあつかってるわけだけど、それが嫌味に感じないのは監督の味なんでしょうね~

「胸騒ぎの恋人」
ゲイの人と誰かを争う事になったら、私はかなわないなーと思うんですが(人間的深みやセンスが違う)よっぽどマイノリティに嫌悪がある人じゃない限り、多分一緒につるんでても楽しいし、その美的センスとかを忠言されたりして面白い気がする。ただときめけるかは別だよねって話。
latifaさんも感じられたとおり、ニコラはなんか意識して接している感じがしてすきになれなかったけど、ドラン監督が演じてるフランシスはなんか可愛かったわ。最後の、「カァーッ!」て吠え顔がよかったよね。そして、ロマンティックな色味がかかった時に流れる「Bang Bang」の流れが、とっても良かったわ!

「マイ・マザー」
母親に依存しつつ、目の前の母親に否定的感情を抱くというのは結構誰でもあることなので、特別なことではないのですが、それにプラスしてマイノリティと言う面がね。
世界共通のおばちゃん的な部分が感じ取れて、私もそこは可笑しく感じました~^^

私まだ「トム~」をみてないのよね
そのあとの「マザー(でしたっけ?)」も出るし、うーん、隙のない監督です!!
maki  【 編集】  URL |   2015/10/12 09:54   |  TOP ▲ |


makiさん、こんにちは!
そちらは雪が降った場所もあるみたいで、寒そうですね・・・。

> ゲイの人と誰かを争う事になったら、私はかなわないなーと思う
私もです・・・。
というか、誰と争っても、かないそうにありません・・。
貧○コンプレックスがあるんで・・。
友達と違って、恋愛となると、バディが避けては通れない重要な事なので・・。

> 私まだ「トム~」をみてないのよね
> そのあとの「マザー(でしたっけ?)」も出るし、うーん、隙のない監督です!!
トム~是非是非!
今まで見たドラン作品の中で、一番インパクトが大きかったかもしれません。
マザーは私もまだなんです。楽しみ!
latifa  【 編集】  URL |   2015/10/15 12:37   |  TOP ▲ |


お邪魔します~~
2本同じ時期に観たのかな。
結構、出演者がかぶっていて
あ~~ここにも出ていたっていう発見もできて楽しいよね。
胸騒ぎ~~はファッションや風景にも目を奪われるよね。どんな関係でも3人って難しいとは思うよ。ダメになっても、懲りずに
また新しい相手に目がいく、彼は逞しくもあるよね。そうでなくちゃあね・・笑
マイ・マザーは、親子の言い争いが凄かったよね。これも男の子いないからわからないけれど
この手の話みると、母親の心情に寄り添いたいって気持ちがわいてきたりするよ。
私もおばちゃん化してきているからね~~笑

もう一本、書き込みするよ~~♪
みみこ  【 編集】  URL |   2015/10/16 20:21   |  TOP ▲ |


みみこさん、こんにちは!
レス遅れてごめんね、風邪ひいちゃってました。

> 2本同じ時期に観たのかな。
> 結構、出演者がかぶっていて
> あ~~ここにも出ていたっていう発見もできて楽しいよね。
そうなの。間を開けたら、出演者の顔覚えが悪い私は、同じ人って解らなかったかもしれない。
続けて観れて良かったかもしれない。

> この手の話みると、母親の心情に寄り添いたいって気持ちがわいてきたりするよ。
私もだよー。
やっぱり、ついつい似た立場の人に感情移入しちゃいがちだよね^^
latifa  【 編集】  URL |   2015/10/21 09:07   |  TOP ▲ |


ドランはいいですよね。
一気に惹きこまれます。

彼にはテーマがあって、そこを追いかけていく人ですよね。
母なるものに対しての畏敬とでも言うべきでしょうか。
どちらもいい作品でした。
rose_chocolat  【 編集】  URL |   2016/01/02 08:42   |  TOP ▲ |


実は、ドラン作品を見た後とか、roseさんちに行ってましたー。
私がドラン作品を見る様になる前よりずっと早い段階で、roseさんは既に沢山ご覧になっていたので、
色々参考にさせてもらったりしていたんですよー。

> 彼にはテーマがあって、そこを追いかけていく人ですよね。
> 母なるものに対しての畏敬とでも言うべきでしょうか。
そうですね。これから、どんな作品を撮って、どんな風になっていくのか、とっても楽しみです。

そういえば、オゾン監督もフランス人で(ドラン君はフランスじゃなくてカナダ系フランス人でしたっけね。でも、フランス語圏ってことで)、テーマや作風は違うものの、同じくゲイですね。
latifa  【 編集】  URL |   2016/01/02 15:25   |  TOP ▲ |


このコメントは管理人のみ閲覧できます
  【 編集】   |   2016/01/22 00:46   |  TOP ▲ |


こんにちは。
グザヴィエ・ドラン監督のファッショナブルで不思議な世界にすっかりはまってしまい、今や
「公開されたら必ず観るぞと思う監督」
になってしまいました。

今はギャスパー・ウリエル主演で撮っているという映画「世界の終わり」が楽しみです!

TB送らせていただきます。よろしくお願いします。
マチルダ  【 編集】  URL |   2016/01/22 01:03   |  TOP ▲ |


マチルダさん、こんにちは!
まずは、ルイ・ガレルと、ニルス・シュナイダーの件、教えて下さって、本当にありがとうございます!
もし教えて頂かなかったら、ずーっと勘違いしたままでいたと思います。助かりました。感謝です!!

今改めて、検索してみたら、やっぱり、金髪くるくると、黒髪と、双方違っているんですよね。
いやはや、お恥ずかしい。

> 今はギャスパー・ウリエル主演で撮っているという映画「世界の終わり」が楽しみです!
うわー!そうなんですか、そんな作品が近く観れるだなんて!
ギャスパー君とドラン君だなんて、、、このコラボ、素敵過ぎます。楽しみです!

マチルダさん、これを機に、どうぞよろしくお願いします^^
latifa  【 編集】  URL |   2016/01/22 09:35   |  TOP ▲ |


latifaさん~、ドランを一本見たのでこちらに。
「マイ・マザー」
ドラン作品にずっと縁遠くて、監督作はやっと二本目。
自伝的映画って事で、

>「ママを殺した」の意味は、この作品を発表するということは、あたかも実の母を殺してしまうような事だからなのかな・・・?

そうかもしれない~!
普通の感覚なら、こんな母親への気持ちを作品にするなんて躊躇してしまうよねぇ。
ゲイだからこその母への感覚ってのもあるのかもしれないし、一見普通の親子の確執でも、何かもっと深いものがありそうな感じでした。

ドラン作品はあと二本昔のを見る予定だけど、他のも自伝的なのかな?
初めて見た「たかが世界の終わり」もちょっとそんな風でもあったけど、カッセルのうるささと嫁のフォローのが印象的だったかも。(^^;
つるばら  【 編集】  URL |   2020/11/06 12:31   |  TOP ▲ |


つるばらさん、こんにちは!
あ、ドラン作品、立て続けに見てる最中かな?
コメントありがとうー。

うーん・・・
ドラン君が若くてかっちょいいから、天才って言われてるけど、どうなの、そこんところ?っていう安易な動機で見て来てるけど、なんかどれも似てるかも・・・
ずっとこのまま、こういう内容を作り続けるのかしらん? なんて、この前最後に見た時にちらっと思ってしまったよ。

ママへの思い
まだご存命なのに、心配になっちゃうよ。。。 大丈夫なのかな?って

たかが世界の終わり
>カッセルのうるささと嫁のフォローのが印象的
爆笑! そうだったよね。 今となっては、そこが一番印象に残ってる映画かも。
latifa  【 編集】  URL |   2020/11/06 14:08   |  TOP ▲ |


「マイ・マザー」
キツイ内容でした。
監督の自分をさらけ出す勇気、すごいですね。
こに  【 編集】  URL |   2021/04/06 16:55   |  TOP ▲ |


こにさん、こんにちは!
こちらにもコメントありがとうございます。

母と息子の相性、、、確かに悪そう。。。
激情型なのかな・・・

でも、こういう苦労が今の映画への情熱と、ネタになってるんでしょうね
latifa  【 編集】  URL |   2021/04/07 11:04   |  TOP ▲ |


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