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「或る終焉」感想
特に何があるってわけじゃないストーリーなのだけれど・・・凄く印象に残る映画でした。4つ★半
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終末期の患者さんや、体の不自由な人をケアする仕事をしているティム・ロス。
こんな介護士さんがいたら、ぜひお願いしたい!ってほど、患者さんに優しく、寄り添って、仕事もテキパキと凄くできる男。
休みの日には、ジムで体を鍛えて、マラソンも欠かさない。
どうやら、離れて暮らす20代の娘がいる様子。かつて結婚していて離婚したのかな・・・っていうのが伺える。

最初の患者さんは、若い女性で、亡くなった後、家族の人が、彼に是非お話したいって、凄く感謝している様子なのだけれど、彼はかたくなにお断りする。
次の患者さんは、ご高齢のご老人で、建築関係の仕事をしていたそうな。寝たきりなのだけれど、PCでエロネット動画をみたがる、ユーモアある人なのです。凄く親しくなったんだけど・・・、家族が何を思ったか、彼をセクハラで訴えるとか言い出して、会社にクレームを出し、そのせいで、解雇されちゃうんですよ。腹立ったわー、一生懸命やってあげたのに、そのせいで、こんな目に遭うなんて。ひどいわ。

次の患者さんは、ガンの末期の中年女性。
彼女が吐いたり、車の中で漏らしてしまうんですが、その後処理なども、本当にサクサクと的確に行なってくれて・・・こんな風にアッサリと、でも相手に尊厳を失わせない様な態度で(すっごく難しいと思うんですよね・・)接して、本当に頭が下がるんですが、その彼がジムで、タオルを欲しいと言って、受付の男性が、タオルをビニールから出して手渡しすると、露骨に汚いと嫌がるという、なかなかに彼の価値観は変わっているんですよ・・・。

★以下ネタバレ★
彼女が死にたいと言い出しますが、一度は断りしますが、結局彼女の希望を受け入れて処置をします。その時の手際の良さを見る限り、どうやら彼は、安楽死を請け負って、今までにも何度かしてきている様子・・・。そして、彼の息子は小児がんか何かで、泣いてばかりいて、見かねて安楽死させた過去がある様子。娘と久しぶりに再会し、離婚の理由も、どうやらその辺がきっかけになっているみたい・・・。そして、最後はビックリ!いきなりマラソン中、道を走っている渦中、横から来た車にドーン!と轢かれてしまったとさ・・・。このラストですが、自殺だったのか・・事故だったのか・・・ 解らないようになっています。
うーん、どっちだったんだろうか・・・
以上

とても仕事の出来る介護士さんだったし、安楽死に関しても、こんな人になら安心して任せられるし、惜しいな・・・と私は思いましたね・・・。でも、彼の中では、常に葛藤や後悔や色々なものがあって、生きるのが辛かったんでしょうね、現実逃避のために仕事に没頭して、時にそこまでしなくても・・って位に患者さんへのケアを行なっていたのかも・・・。
94分と、短いのも良いですね。
見終わった後、色々と考えてしまう映画でした。これって、メキシコ映画なのですね。

或る終焉
原題 CHRONIC
2015年/メキシコ・仏
監督 ミシェル・フランコ
出演 ティム・ロス  サラ・サザーランド  ロビン・バートレット  レイチェル・ピックアップ  マイケル・クリストファー 
(内容・あらすじ)監督自身の体験を基に製作し、第68回カンヌ映画祭で最優秀脚本賞に輝いたヒューマン・ドラマ。
看護士として働く男と、安楽死を願う患者との交流を描く。
【2017/05/11 17:13】  コメント(8) | トラックバック(1) | 国籍微妙・他国
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コメント

ティム.ロス~~!!?
私の大好きな俳優さんです💓
内容も好きかもです。

是非又、私の見たい映画リストに加えます~!

わたしはJ:comで、色々映画を見てますが、
最近「アデル、ブルーは熱い色」
という映画を見ました。
Rー15指定でレズビアンの話ですが(笑)

女優さんの演技力が凄いです。
殆どアドリブだったらしいです。
主演の女優さん2人共に
カンヌ映画祭でパルムドールを獲得したそうです。

latifaさん1人でしか見れないような内容ですが、
一度みてほしい程の演技力です。

あと、私foxクラシックというチャンネルで、
毎日夕方にやってる、
「大草原の小さな家」を 懐かしんで見ています。

知ってますか? このドラマ?(笑)
では、又遊びに来ますね🎵
めぐ  【 編集】  URL |   2017/05/11 21:54   |  TOP ▲ |


めぐさん、こんにちはー!
ティム.ロス、海の上のピアニストに主演で出ていらっしゃいましたよね。
今回の演技も素晴らしかったですよ。
演じてるって感じが全くしなくて、本当にそのままリアルにいる人、って感じにしか見えなかったです。
かなり難しい役だったと思うんですけれども。
是非、いつか見てくださいまし!

> 最近「アデル、ブルーは熱い色」
私も以前レンタルでですが、見ました(^^)/
感想は、ここにありますです。
http://latifa.blog10.fc2.com/blog-entry-1240.html

見た後に劇場鑑賞した人とお話したところ、どうやら劇場版とレンタル版では、色っぽいシーンが違っていて、
レンタル版ではカットしちゃっていたみたいなんですよ。
なので、これだけなら、そんなにビックリするほどでは・・・?って思った記憶があります。
あ、でも別にそこを目的に見たわけじゃないので、別にがっかりはしなかったんですけどもね^^
フランス映画とか、フランス人って、恋多き国民性があるって勝手なイメージが少しあったりするのですが、一人の人を深く愛し続ける、っていう内容も結構多いんですよね。この映画もそうだったし。

> 「大草原の小さな家」を 懐かしんで見ています。
聞いたことはあるのですが、見たことがないんですよ。
めぐさんは昔見ていて、また今再見してみての、やっぱり好き、とか、見る時の自分の年齢で、感じるポイントが違っていたり、変らない事とかを楽しんだりしているのかもしれませんね^^
反応出来なくて、残念です!
latifa  【 編集】  URL |   2017/05/12 14:33   |  TOP ▲ |


ホントだ(笑)
既に鑑賞済みでしたね。
私はアデル役の子が19歳で、
アドリブの演技をしてた事が凄すぎて。
しかも鼻水垂らしながら泣くシーンは、
思わず貰い泣きしちゃったです。

えーー!?7
大草原の小さな家知らなかったですか。
小学生の頃に見てました。

NHKだったし、土曜日に放送してたので、
見てなくてもおかしくないですよね。

その頃一番仲良くしてた友達がアメリカからきた
キリスト教一家だったので、
最初は半ば強制的に見せられていたけど、

毎回感動するので、すっかり毎週楽しみになってた番組で、
今でも泣いちゃいます。
って、さっきからどんだけ涙腺緩いのか!って感じですよね(笑)
めぐ  【 編集】  URL |   2017/05/12 16:41   |  TOP ▲ |


めぐさん、こんにちは!
アデル役の子、新人さんでしたっけ? とてもそうは見えないほどの演技力でしたよね。
私は、エマ(レア・セドゥ)の方に、結構グラッと来ちゃってました(^^ゞ

この前韓国映画なんだけど「お嬢さん」ってやつを見たら、そちらもレズビアンのシーンがあるんだけど、すごくてビックリしちゃった。

> 大草原の小さな家
残念ー、反応したかったなあ・・・。
私が子供の頃は、親がチャンネル権があって、自分で好きな番組を見れる環境じゃなかったのよね。
その放映時間がいつだったのか解らないんだけど、夕方なら好きな番組見れたと思うんだけど・・・
夕方だと友達と遊んでいたり、お家にいても、アニメの再放送、はたまた、ラジオのデーブマンさんのベスト10番組(知らないかなあー)を聞いていたんだよ。
夕食あたりの時間だと、ニュースつけられちゃってたし・・・。
クラスで話題の番組とかあっても、親が裏番組見てると、その番組見れなくて、凄く悲しかったな。
今と違って、ビデオなかったし、テレビもまだ一家に1台が普通の頃だったから。。

> その頃一番仲良くしてた友達がアメリカからきた
> キリスト教一家だったので、
> 最初は半ば強制的に見せられていたけど、
そうか、そうか。なんか、すごく納得!
latifa  【 編集】  URL |   2017/05/13 08:51   |  TOP ▲ |


latifaさん、おはよう~(^O^)
コメントやTBどうもありがとうございました!

これ、最後ビクッって来て飛び上がりそうになりましたよ。
あれはどっちだったんだろうね・・でもどちらにしてもショッキングだったよね。
私もlatifaさんと同じく、こんな介護士さんなら信頼出来るって思ったけど、
ホント、頼りになる人でも悩み多き一人の人間よね・・
頼られタイプ(と言うのも変だけど。この場合は職業だし)の人のが精神的に危うい面があるかも?とも思いました。
あ、と言う事は・・最後はやっぱり自分から?いやそんな事はない・・と思いたい;;
(ネタバレ書いてしまいそうでヒヤヒヤ)
つるばら  【 編集】  URL |   2017/05/18 10:50   |  TOP ▲ |


つるばらさん、こんにちは!
ちょっと前の映画ですが、ラストシーンは、見た人にとって、きっと忘れないインパクトがありますよねー。
忘れっぽい私でも10年後も覚えていられそう・・。

> 頼られタイプ(と言うのも変だけど。この場合は職業だし)の人のが精神的に危うい面があるかも?とも思いました。
確かに・・・。
実際に周りを見ていても、普段しっかりしている人のほうが、精神的に危ういっていうか、唐突にびっくりするような行動に出てしまうことがあるような・・・。

> あ、と言う事は・・最後はやっぱり自分から?いやそんな事はない・・と思いたい;;
うーー、そのあたり、見ている側にゆだねられてましたが、そうだとしたら、切なすぎるよねー。
latifa  【 編集】  URL |   2017/05/22 10:47   |  TOP ▲ |


Latifaさん、こんばんはー!
やっと見ましたよ!
凄い最後がショックが大きすぎて
暫く放心状態になってしまいました。

こうゆう仕事をしてる人って、
患者さんをよく観察して、
体調はどうかとか、ほんの少しの異変にも
気付かないといけない、
しかも患者さんに不安や申し訳なさを
感じさせないように、笑顔で優しく、
「私には遠慮せずにどんどん頼って下さい」
的な態度で居なきゃいけないので、
一人になると、疲れきるだろうし、
色々な葛藤もありますよね。

私が通ってるリハビリでも、
私以外は皆65歳以上の高齢者ばかりで、
一時も目が離せません。
転ばせてしまってはリハビリ施設にとっても大変な痛手ですから。

一番若い私は誰よりも気持ちは元気なのですが、
捕まらないと一人では歩けない私は誰よりも付き添いが必要なんです(笑)

私の病気は頭の中でバランスを崩してるので、端から見ると障害物もないのに
急にバランスを崩したと思ったら転ぶ。
みたいな感じで、なかなか普通の人には
「あっ、バランス崩したな!」
と気付いて貰えないのです(笑)

去年の冬にリハビリが終わり、
送迎車に乗るときに、一瞬バランスを崩してしまい、
自分の中で
「あ~、もう転ぶな、頭を打ちませんように」とだけ願いながら目を瞑って転ぶのを覚悟してたら、
気付くと、抱き抱えて貰ってて転んでない自分が居たんです。
そこのリハビリの担当者が気付いてくれたんですね。
もう、感謝と気付いてくれた驚きで言葉も出ませんでした。
その担当者は、まだ若く、顔も良いし
優しさが全身から溢れ出てる様な素敵な人なのに
結婚してない所か彼女も10年近く居ないって。
信じられない程、性格も容姿もいいのです。
けど思ったんです。
こんなに神経使う仕事で、営業所の責任者でもあり、
祝日も休みでは無いし年末年始は
2日間だけの休みだしで、
彼女を作る時間も無ければ、
出来ても会える時間も少ないだろうし、
毎日朝から晩まで笑顔を絶さず過ごしてたら
プライベートでは、
もしかしたら凄い偏屈だったり、潔癖だったりと、何かしら問題ありなのかもなぁ。

と、長くなっちゃったけど、この映画と重ねながら見てました。
どっちにしても尊敬するお仕事ですね。
めぐ  【 編集】  URL |   2018/01/17 04:32   |  TOP ▲ |


めぐさん、こんにちは!
凄い強いインパクトのある映画だったよね。
ラストシーンは、もうびっくりで・・・。

でも、めぐさんのお話、この映画の介護士さんと、どこか共通する処とかを感じました。
お仕事に一生懸命専念されている方って、ご自分のプライベートとかが結構ないがしろになってしまう
結果的に・・・
ってこと、あるかもしれませんね・・。

この瞬間、もう倒れる・・って思っていたのに、抱きかかえてくれた・・って、
びっくりするやら、ありがたいやら・・ですよね。
> 送迎車に乗るときに、一瞬バランスを崩してしまい、
> 「あ~、もう転ぶな、頭を打ちませんように」とだけ願いながら目を瞑って転ぶのを覚悟してたら、
> 気付くと、抱き抱えて貰ってて転んでない自分が居たんです。
> そこのリハビリの担当者が気付いてくれたんですね。

そのリハビリ師の方、いつも良く患者さんのこと見ているのね。
きっと、しっかり目を配って、よくよく見ていたからこそ、今回、とっさのケアが出来たって事ですよね。
凄い人だ・・。

このリハビリ師さんのお話もとても興味深く拝見しましたが、日々めぐさんが、リハビリとか頑張っている様子などをお聞きして、私も頑張らなくちゃって思いましたよ。
めぐさん、偉いです。
めぐさん、唯一若くて可愛い女性だから、リハビリ受けているお仲間さんや、病院の方々も、一目置いているんだろうなー。
それだけに、大変なこともあるだろうし、逆に、目をかけてくれて可愛がってもらえる事も有ったりするかもしれませんね。

いずれにしても、めぐさんも、ご家族も、そのリハビリ師の方も、みんなが今年良い年になりますように!!
めぐさん、今年もよろしくお願いしますね。
latifa  【 編集】  URL |   2018/01/17 11:31   |  TOP ▲ |


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或る終焉
rambling rose (2017/05/18 10:51)
看護師として献身的に末期患者のお世話をするデヴィッド。しかし、ある事で患者家族の誤解を受けてしまい・・


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