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「幸せなひとりぼっち」感想
奥さん、素敵すぎる!
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主人公のオーヴェは、きっちりし過ぎて、頑固で偏屈な50代後半の男。
冒頭、妻の墓にそなえるバラの花束を買おうとするも、一束の金額500と、2束まとめて買った時の値段700のことで、店員さんと言い争いになる。

オーヴェの現在と過去が交互に描かれる。
オーヴェは幼い頃に母を亡くして、寡黙で真面目な父と2人暮らし。会話が苦手な2人は、もっぱら車の話をしたりして、父の職場にも出入りして仕事を手伝ったりしていた。

現在のオーヴェは、ちょっと問題あり、な人なんだけど、若い頃は、結構カッコ良く、性格も几帳面で、真面目、誠実な人間で、まあ現在とは基本同じなんだろうけど、見てる側からすると、若い時は好感を持てるのよね。笑

オーヴェが青年になり、成績も優秀な事を喜ぶ父だったが、うっかり鉄道で電車に轢かれて死んでしまう。
その後、その父の後釜に入るも、元々いた意地悪な同僚からいやがらせを受けて喧嘩になって・・・。
長年愛用していた家も、隣人の火事に巻き込まれ、立ち退きをせまる業者?のせいもあって、失ってしまう。
ここまで、オーヴェの人生、可哀想過ぎるよー!と思っていたら、うたたねした列車の中で偶然出会った未來の奥さん登場!!
この人がね、もうーー最高に素敵な女性なんですよ!!!
ルックスも良く、寛容で、愛情に溢れる、見習いたいお手本のような女性なのです。
出会ってから結婚に至るまでの、2人の軌跡を見せてくれる映像が、素晴らしくてね・・・ 涙。

★以下ネタバレ★
ううう・・・それなのに、妊娠中、2人でバス旅行に出かけ、そのバスが事故に遭い、奥さんは流産し、車いすに。
でもね、この奥さん、本当に素晴らしいんですよ。そんな状態でも、今出来ることを前向きに頑張るの。
教師になる夢をかなえ、特殊学級に採用され、学校の入り口の階段を、なめらかなスロープにオーヴェが治してくれて・・・。その後、何十年も、2人で幸せに暮らしていたんだろうな。生徒からも尊敬される、立派な先生だった様子。
こんな女性が亡くなってしまったら、そりゃー、もう生きて行く気力も失ってしまうのも解る・・・。
ラストは、あっけなく、突然の心臓の発作が起こってしまったのかな? 朝の巡回時間なのに、出かけてないオーヴェの異変に隣人が気がつき、部屋を開けたら、ベットで安らかに亡くなっていたのよね・・・。でも、あの世に行くときに、あの奥さんがお迎えに来てくれていて、そこの映像シーンも良かったです。
以上

前日に見た「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の様に、なぜ現在こんな人格になっちゃったんだ?という理由が映画が進む内に、だんだん解って来る(しかも、気の毒な過去があって・・)というストーリー展開、
そして、去年見た「私は、ダニエル・ブレイク」にも重なる部分がある映画でした。
オーヴェの家の近くに新しく越して来た隣人は、イラン出身の妻と、夫と、子供2人。
このイラン出身の女性から、なんだかんだと頼まれ、断り切れずに色々手助けしているうちに、子供から懐かれたりして、段々人と交流していく、ただ、オーヴェ自身は心臓を患っていて・・・
既視感があった分、若干感動は薄かったけど、それでも、とても良い映画でした。4つ★ちょっと。
先にこちらの映画を見てたら、ダニエル~の評価がまた違ってたかも。ダニエル~は、去年度のベストに入れたんですよ。

今は物を言わぬ状態になってしまっているけれど、かつて仲が良かった隣人の男性と、気質も似ていたのに、車の機種の事で、疎遠になっちゃうなんて、残念。SAABってスウェーデンの車の会社だったのね? しかも、現在は無くなってしまっていたとは・・・。他の会社に吸収されたらしい・・・ 昔のSAABの車の形(92)が、とっても可愛かったなー。
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幸せなひとりぼっち (2015/スウェーデン)
En Man Som Heter Ove
監督 脚本 ハンネス・ホルム
原作 フレドリック・バックマン
出演 ロルフ・ラッセゴード / イーダ・エングヴォル / バハール・パルス

(内容・あらすじ) フレドリック・バックマン原作の同名小説を映画化。
最愛の妻ソーニャを亡くし、親の代から40年に渡って勤めてきた会社をクビにされたオーヴェは、人生の未練もなく一刻も早く亡妻の元へと、自殺をもくろむも、その時、隣の家に越してきた移民のパルヴァネバハール・パルス一家が我が家のポストに車をぶつける。そもそも団地内は車は禁止だ!と腹を立てた彼は・・・
【2018/02/08 10:31】  コメント(11) | トラックバック(1) | 国籍微妙・他国
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コメント

あらためて
映画の方にお邪魔します~~

<去年見た「私は、ダニエル・ブレイク」にも重なる部分がある映画でした>

そうそう・・・私は逆にダニエル~~の方を年末に観てこの作品をその前に観ていたから
latifaさんと順番逆。似ているな~~って思いました。奥さん亡くしているし。
年取るといろいろ偏屈にもあるのかな・・・と自分も気を付けようと思いました。
なんか世間に対して怒りっぽくなるし。
あ・・更年期かな~~(笑)
過去のシーンが泣けてきますよね
いろいろ苦労していた主人公だからねえ。
周りの人が良い人で良かったわ

みみこ  【 編集】  URL |   2018/02/15 10:32   |  TOP ▲ |


みみこさん、あちこちにコメントありがとうねー!
みみこさんは、私と逆順番で見たのねー。
それじゃあ、きっと、こっちの映画の方が、より心に染みたんじゃないかな・・・?
いや、両方とも、とっても良い映画だったんだけどね、やっぱり先に見た方が強い印象を与える気がするから・・

> 年取るといろいろ偏屈にもあるのかな・・・と自分も気を付けようと思いました。
> なんか世間に対して怒りっぽくなるし。
子供の頃は、年取ったら、段々寛容になると思ってたけど、そうでもないよねー 笑
なんか、噂では90過ぎると、全てに寛容になるとか 
90才以上生きてるか、どうか解らないよね。

男性は、こういうタイプの人、結構いるよねー。
確かに隣人だと、ちょっと怖いわ。
あのイランから来た女性が、オープンな・・・悪くいえば、ちょっと人に頼むのが平気な人だったからこそ、上手く行ったのかも・・
latifa  【 編集】  URL |   2018/02/15 17:19   |  TOP ▲ |


latifaさん、 今、見終わりました!!
なにこれ~!!
めちゃくちゃ良い映画じゃないですか!
優しくて温かくて...

几帳面で頑固でケチなオーヴォェも、
何だかんだ言って成り行きに巻かれちゃって(笑)

って、このあと色々コメント書いてたんだけど、
「不正な投稿と判断されました」
って出て送れないです...

変な事書いてないんだけどな。

後半は、涙が止まりませんでした。
悲しい涙じゃ無くて感動の涙。

こうゆう映画大好きなんです~!

良い映画を見れて今凄く嬉しい。
latifさんのお陰です~!!

くすっと笑っちゃう所と涙がほろっと出る所が
絶妙なタイミングで...
いやぁ、本当によく出来た映画だ~!


めぐ  【 編集】  URL |   2018/02/15 21:04   |  TOP ▲ |


めぐさん、こんにちは!
そーなの。これ、凄く良い映画だったよねー。
オーヴェさておき、奥さんがさ、もうーー素晴らしくてね、感動したよ。
何も持ってなくて、正直で真面目なところだけが(だけっていうのもなんだが)
取柄の若き日のオーヴェを、受け入れてくれて。自らキスしに行ったシーンは泣けたよー。

オーヴェも、彼の出来ることで、愛妻ぶりを発揮していたよね。
本を沢山入れられる棚や、低いキッチン、スロープなどを作ってあげたりね。

夫婦二人で、毎週土曜日だっけ? ミルフィーユを食べに出かけていたんだなーって、
そういう微笑ましい様子も言葉だけで想像がつくよね。

> って、このあと色々コメント書いてたんだけど、
> 「不正な投稿と判断されました」
ごめんなさい。せっかく打ってくれたのにね・・・
私も、それ、よくあるの(管理人本人なのにもかかわらず)
そういうときは、何か言葉が禁止ワードになってる事が多いので(私が設定したわけじゃない)
途中の言葉に〇を入れてみたりすると、すっと投稿出来たりしますよ。
今度試してみてくださいな・・・

ほんと、良い映画だったね!!
latifa  【 編集】  URL |   2018/02/16 13:42   |  TOP ▲ |


latifaさん、再び(笑)
私は一足遅く今録画してたスケートを見てます。
だから結果は秘密にね(笑)

そうか、多分私の予想では

「葬○儀」って言葉が禁止ワードだったのかな。

一応送信してみようっと!!
めぐ  【 編集】  URL |   2018/02/16 14:02   |  TOP ▲ |


送信できた(笑)
「葬○儀は私の事を理解してくれる人だけで静かにやってくれ」
みたいな事を書いてたけど、
沢山の人が集まってたから、最終的には皆に認められてたんだな~
そうだよね、自殺しようとしてるのに、何故か人の命を助けたり、
若い頃に隣家が火事になっても、
人が残ってるのか確認したあと
中に入って助けたり。
正義感の強さが冷静さより強いのが出ちゃったりで、
尊敬に値する部分もあったかも。
って思うとワーって涙が出てきました。

奥さんも常に明るく笑顔で素敵な女性でしたよね。

隣のイラン人奥さんも、オーヴェの人柄を引き出す為に、キャラ設定等、
うま~く出来てる作品でしたね。
めぐ  【 編集】  URL |   2018/02/16 15:36   |  TOP ▲ |


こんにちは~。

男子フィギュアで感動の涙を流して・・・この作品でもまたまたうるうるきちゃったわ~~。

とっても良かったーー。
ホントに奥さん、素敵だったよね。美人で頑張り屋で前向きで・・、こんな人を亡くしたらそりゃあ後を追いたくなる気持ちわかるよね。

回想シーンでわかる、主人公の少年時代、そして青春!!ここも良かった。
お父さんもね(涙)

口うるさい主人公だけど、昔は近所にこういうタイプの人必ずいたような(苦笑)
お隣の家族、子どもたちとの触れ合い・・・生まれたばかりの赤ちゃんを抱く様子にいろんな思いがこみ上げたなぁ。

煩いことを言うようだけど、困った人を助けたり、家事でもあんな風に活躍したり・・・きっと奥さんは彼のそういうところ、わかってたのね。
最後にはあんなにたくさんの人に見送られて・・・(涙)
  【 編集】  URL |   2018/02/17 16:53   |  TOP ▲ |


めぐさん、こんにちは!
羽生君、やったね!!!
昨日のSP、もう感動・・・涙
でも、フリーがまだあるから・・と思ってたら、今日、やってくれましたね。
本当に凄いー!宇野君も良かったし、ネイサン・チェンも立派だった!!
昔の浅田真央ちゃんを連想させられたよ。

で、映画のお話。
禁止ワード、そんなのが引っかかっていたのね・・・。
探し当てて、すっきり。お手数おかけしました。

> 若い頃に隣家が火事になっても、
> 人が残ってるのか確認したあと
> 中に入って助けたり。
そうだったよね・・・。
小さい頃から、正義感が強くて、まっすぐで、人間的に良い人だったわ。
latifa  【 編集】  URL |   2018/02/17 18:42   |  TOP ▲ |


瞳さん、こんにちは!
いやー、羽生君、良かったー、無事金メダル取れて、本当に良かったね。
昨日、今日と、感動だったよー、本当に凄いね。
あんな強いメンタル、どうやったら保てるのやら。

羽生君の後に、もしかしてこれ見たの?笑
明日、目がちょっと腫れぼったくなっていないか、心配だな。

> 回想シーンでわかる、主人公の少年時代、そして青春!!ここも良かった。
> お父さんもね(涙)
うん、うん。
私は回想シーンで、やられてしまったよ・・・。

そうだよね、昔はこういう、怖いおやっさん、いたよね。
今は、あんまり見かけなくなったかも・・。

> 生まれたばかりの赤ちゃんを抱く様子にいろんな思いがこみ上げたなぁ。
うん、うん。そうだったね、あのシーンは、私も切なくなった・・
latifa  【 編集】  URL |   2018/02/17 18:48   |  TOP ▲ |


こんばんは☆
多くの方が絶賛されていた本作をようやく見ることが出来ました。
ウワサ通りいい作品でしたね~結構泣いちゃいました。
私は「私はダニエル・クレイグ」未見なのですが、お話似ているのかな?「グラン・トリノ」とか頑固なじじいが出てきて…みたいなお話って結構ありますが、それでも泣いちゃいますね☆
ノルウェーまだ~む  【 編集】  URL |   2023/03/19 23:15   |  TOP ▲ |


ノルウェーまだ~むさん、こんにちは!
あらっ!私ったら、ノルウェーまだ~むさんからコメント頂いていたことに気がつかず、ノルウェーまだ~むさんちに遊びに行ってコメント残して来て戻って来てから、これに気がついた!
さっき「この映画、見ました」とか書いちゃってトンチンカンでごめんなさい。

自分の感想を読み直して、良い映画だったなあーとしみじみ思い出してる処です。
これを機会に再見したいなー。

「私はダニエル・クレイグ」もなかなかいい映画ですよ。
でも、今振り返ってみると、こちらの映画の方が微笑ましい夫婦愛の処とかが、より素晴らしい気がするわ。
latifa  【 編集】  URL |   2023/03/20 07:46   |  TOP ▲ |


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幸せなひとりぼっち
象のロケット (2018/03/09 11:11)
59歳の元町内会長オーヴェは、妻を亡くして一人暮らし。 近所では気難しいオジサンで通っている。 43年間働いてきた鉄道局を首になり、孤独に耐えきれず自殺を図るが、向かいの家に引っ越してきた賑やかな一家の妻パルヴァネに邪魔をされてしまう。 成り行きでパルヴァネに車の運転を教えることになったオーヴェは、亡き妻ソーニャの思い出を語り出す…。 ヒューマンドラマ。


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