カウリスマキ監督の映画は、良さが良く解らない処とかもあったり、はぁ?って処もあるけれど、基本好きです。
でも本作は、期待したほどではなかったかも・・・。
ネオナチの人にボコられたり、結構酷い目に遭うシーンが多かったので、見ていて辛く感じる事が多かったです・・・。
難民申請しても、最近はシリアは安定してるから大丈夫でしょうみたいな感じで強制送還されることになるんだけど、その日の夜TVをつけると、小児病棟に爆撃されて大変になってるシリアの映像が・・・ 全然大丈夫じゃない・・・
それでも、世の中捨てたもんじゃない。このレストランの人はもちろん、簡易宿泊所で出会ったイラクの人とか、そこで彼を逃がしてくれた女性とか、良い人もいっぱいいるのよね。
もちろん、くすっと可笑しい処もあるのだけれど、(売れてないレストランを繁盛させようと、寿司屋をやるも、適当寿司屋だから、わさびは凄いし、大丈夫かー?!って感じのシーンとかあったり)、カワイイ犬が出て来たり、監督映画で、お馴染みの役者さんが色々登場して来たりと、ほのぼのと微笑ましいシーンもあるのだけど・・・・
そうそう、ヘルシンキの路面電車が何度も写るし、レストランの側に線路があるみたいで、通る時の路面電車の音が聞こえたりするのが嬉しかったなー。
★以下ネタバレ★探していた妹と再会できるんだけど(エストニアから、彼女をこっそりトラックで輸送してもらえた)お礼のお金も要らないって言ってくれた運転手さん優しいなー。
でもね・・・妹は偽造のパスポートを作るのを拒否、警察に行って難民申請すると言う・・。たぶん、認めてはもらえないだろうに・・・・ そしてなんと!カーリドは、前から衝突していたネオナチのオッサンにナイフで胸を刺されてしまうのよね。翌日の朝、刺されたのを隠しつつ警察署の前で妹に会うんだけど、その後、よろよろと、横たわって微笑むシーンで終わるんだけど、、彼、この後死んじゃったよね・・・? うーーん、こういう悲しいラストは、ちょっとなあ・・・・後味はあんまりよくないですよね・・・
でもレストランのおじさんは、最初のシーンで奥さんと別れて、指輪も置いてったけど、最後には、またより戻しそうな感じがあって、そこは救いだったかな。奥さん、灰皿に捨てた旦那の結婚指輪も、あの後取り出してちゃんとネックレスに入れて保存してくれていたし!以上
「ル・アーヴルの靴みがき」も難民問題を扱った映画で、そんなに上手く行くなんてーって思うような明るい展開で終わったけれど、こちらは悲しい方向だったなあ・・・。噂だと難民移民3部作っていうのがあるらしく、あともう一つ作るのかな?
希望のかなた (2017/フィンランド)
Toivon tuolla puolen
The Other Side of Hope
監督 脚本 アキ・カウリスマキ
出演 シェルワン・ハジ / サカリ・クオスマネン / イルッカ・コイヴラ / ヤンネ・フーティアイネン / ヌップ・コイブ / カイヤ・パカリネン / ニロズ・ハジ / サイモン・フセイン・アルバズーン / カティ・オウティネン / マリア・ヤルヴェンヘルミ
内容・あらすじ ヘルシンキの港。シリアの青年カーリドが辿り着いた。内戦状態の故国を逃れ、生き別れた妹を探している。
入国許可が出るまで収容所で過ごすが、難民申請がおりず、故郷に戻されることになり、脱走してしまう。
一方、酒浸りの妻と別れ、ヴィクストロムはレストランを買い取りオーナーになった。そして、ある日、店の前にいたカーリドを住み込みで雇うことに・・・・。
ベルリン国際映画祭 銀熊賞