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「ムーンライト」感想
2時間弱が、あっという間に感じた映画でした。4つ★
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原案である戯曲「イン・ムーンライト・ブラック・ボーイズ・ルック・ブルー」
フアンがキューバのおばあさんから言われた、月夜に輝く体が青く見える、というあのセリフですね。

この映画が、アカデミー賞で注目された作品じゃなかったら、見ないままになっていたかもしれません。
LGBTのラブストーリーが作品賞を受賞したのはアカデミー賞史上初で、さらに黒人だけのキャスト・監督・脚本家による作品が作品賞に輝いたのも史上初だそうです。

映画は3部に分かれていて、少年時代、青年時代、大人になってからになっています。
こういう小さい頃からずっと生立ちを追って描かれる作品が好きです。
どんな人生を歩んで来て、こうなったのね・・・って、解るのと、感情移入しやすいから。

青年時代までのこの少年を見ていて、可哀想で・・・。
こりゃー辛いよな、絶望して死んでしまう子がいてもおかしくないし、逆に何かのきっかけで、危ない組織に入ったり、世の中を恨んで無差別殺人に走ってしまうかもしれないよな・・・って感じながら見てました。

映画見終わった後に知ったのですが、この映画の監督と脚本家の2人は、偶然、同じ街の同じ小学校で育って(1歳違いで知らない真柄だった)、双方とも母親が麻薬中毒で、まともに育てられてなかった・・・ということまでが同じだったそうなんですね・・・。
ただ、ゲイに関しては、原作者のタレル・マクレイニーさんだけがゲイだそうです。

映画に登場する、血縁もゆかりもないけれど、優しくしてくれる母親代わりの存在であるテレサ。
これに関しても監督には、同じ様な存在の女性がいたそうなんです。 “子供は近隣が育てる”ということで、そういう存在っていうのは、とても大切なんですね・・・。

ちなみに彼らが育った場所というのがマイアミだそうで、今まで私は無知で、マイアミって明るい観光地的イメージしかなくて、あのマイアミにもスラムみたいな場所があったんですね・・・。監督のインタビューで、 美しい場所、美しい自然があるからこそ、悲惨な暮らしをしているここでの生活が、より一層残酷に感じる、っていう表現をされていました。

この映画は、ウォン・カーワイ監督の「ブエノスアイレス」のオマージュ的部分があちこちにあるそうで、30代になったシャロンがケヴィンに再会するために車で向かう途中、流れる音楽は、カエターノ・ヴェローゾ「ククルクク・パロマ」という曲で、これは、「ブエノスアイレス」のオープニングで使われた曲だったそうです。(もう記憶に無かったけれど、覚えていた人が見たら、鳥肌ものですね)

映画を見終わった直後は、面白かったけれど、アカデミー賞を取るほどまでじゃないかもなあ・・・って思って、自分的にも3つ★半って処かな・・って感じたのです。
でも、この監督と脚本家さんの生立ちなどを知って、さぞや苦労されただろう事や、こんなひどい家庭環境から、よくぞこんな立派な映画作品を作るまでになったなあ・・・って思うと、映画だけじゃなく作り手の人間ドラマも感じさせられて、★がアップしてしまいました。

★以下ネタバレ★
久しぶりにケヴィンのレストランを訪ねたシャロン。お互いの近況を話すと、ケヴィンは結婚し子供もいたが現在は離婚して一人でいるらしい。昔のやせっぽちでひ弱だったルックスとは打って変わって、マッチョで強面になったシャロン。少年院を出た後色々あって、現在は麻薬の売人のエライ立場?に成り上がっているのでした・・。
しかし、2人きりになった部屋で、あの夜以後、自分を触らせた人は君以外にはいなかったんだ、って事を打ち明けるのでした。(;_:)うわー、私、こういうのに弱いわー。 
そして、ラストシーンは肩寄せ合ってる2人の姿が^^ この後、2人がまた仲良くなって、良い感じになると良いなぁ!!いや、なるに違いないですよね。 
以上

ムーンライト (2016/米)
Moonlight
監督 脚本 バリー・ジェンキンズ
原案 タレル・アルヴィン・マクレイニー
出演 トレヴァンテ・ローズ / アンドレ・ホランド / ジャネール・モネイ / アシュトン・サンダーズ / ジャハール・ジェローム / アレックス・ヒバート / ナオミ・ハリス / マハーシャラルハズバズ・アリ

内容・あらすじ シャロンは、学校で「リトル」と呼ばれ、学校でいじめにあっていた。家では、母親は薬に溺れて荒れるため、どこにも心休まる場所が無かった。ある日、追われて逃げ込んだ廃虚で、シャロンは麻薬の売人フアン( マハーシャラ・アリ)に助けられる。 シャロンにとっては、フアンと、たった一人彼と交流を持ってくれる同級生のケヴィンだけが救いであった。
【2018/10/28 14:50】  コメント(4) | トラックバック(1) | アメリカ映画
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コメント

latifaさん、こんばんは。コメント&TBありがとうございました。
すごい、この映画についていろいろ調べられたのね。
監督さん、ホント、この映画そのもののような環境で育ったのに、アカデミー賞を受賞するほどの映画監督になろうとは・・・。
まさにアメリカンドリーム!! 感動。
この次の作品も、ネットで予告を観たけどすごくよさげだったよ。
これからも頑張ってほしいね。
真紅  【 編集】  URL |   2018/10/28 22:51   |  TOP ▲ |


真紅さん、こんにちは!
いや、最初から調べようと思って調べたんじゃなくて、誰かの感想で、監督・脚本の人達の幼少時代について触れててて、えー!って驚いてね。そこから色々調べちゃったの。

そうっか、真紅さん最近この映画、再見していたのね?
シャロン役の人が他の映画に出演してるのを見たって書いていたけれど、私はまだ、3世代、誰も他の映画で見てなくて。
是非見てみたいなあー。

> この次の作品も、ネットで予告を観たけどすごくよさげだったよ。
全然知らなくて、検索してみたよー
ビール・ストリートに口あらば って映画なんだね。
真紅さん、ほんとに映画にお詳しい!!
予告編見たら、最初の方とか、やっぱり、ウォン・カーウァイっぽい雰囲気あったね!
latifa  【 編集】  URL |   2018/10/29 11:07   |  TOP ▲ |


今の時代だからこそ、この映画はアカデミー作品賞に相応しいのだと思いますよ。
保護主義の下、自分のことしか考えないことが日常化する世の中。
誰かのために生きる=愛を知る。これを静かに、でも力強く描いた作品でしたからね。
好みの問題はあると思いますが、大統領がヒラリーさんだったら、オスカーは逃していたかも?
にゃむばなな  【 編集】  URL |   2018/11/02 22:48   |  TOP ▲ |


にゃむばななさん、こんにちは!
あまり期待してなかったのですが、思ったよりずっと良い、心に残るような映画でした。

最近、アメリカの政治について、色々報道されていますよね。
トランプの言動に危機感を覚えるのはもちろんですが、彼を支持する人が沢山いる、という事実に驚くばかりです・・・。
ブラジルとかでも極右の方の人が選ばれたりとか・・・
なんだか、この先の世界が不安ですね・・・
latifa  【 編集】  URL |   2018/11/03 09:47   |  TOP ▲ |


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