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「彼が愛したケーキ職人」感想
余韻の残る映画でした。4つ★ちょい。
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予備知識なく鑑賞。
ヘブライ語の表記があって、イスラエルとベルリンの2か国を舞台にした映画です。
イスラエル舞台にした戦争映画じゃない映画は、殆ど見たことがありませんでした。
ユダヤ教の戒律で、オーブンを異教徒が使う制限があるとか、そういうのは知らなかったです。

ベルリンの街並みが素敵でねー、こんな処で小さなカフェ・洋菓子店をやっているっていうの、いいなあーって思ってました。
でも、あのお店って、彼が経営者なのではなく、彼は雇われパティシエさんだったのかな・・・。
いずれにしても彼の腕は確かで、エルサレムに行ってからも、彼のケーキでお店がにぎわうようになる。

★以下ネタバレ★
なんと死んだ夫は、死ぬ直前に好きな人がいるベルリンに移住する、と告げていたとは・・・。ガーン!という音が頭の上でした。
奥さんは、まさかその相手が彼だとは思ってなかったのね・・・。夫の性癖には気がついていなかった、って事なのかな。
考えてみると、この奥さん気の毒・・・。夫はきっと昔からゲイで、まあ女性とも出来ないわけじゃないけど、あくまでも子供が欲しかった、家族が欲しかったために結婚したのかも・・・。そういうのを彼のお母さんは全てお見通しだったのかもしれない・・・と思いました。彼の実家にお邪魔した時に、彼の部屋を見る?ってトーマスに言うのよね。
これは、凄く親しい特別な人にしか言わないであろう発言。
奥さんは段々トーマスが好きになるんだけど、それと同時に夫の愛人であったことも解る。こりゃキツイわ。

ある夜、奥さんからモーションかけるんだけど、なかなかトーマス、その気にならなかった。でも何度もアプローチをかけ続けて、ついに・・・。 え?トーマス、女性でもできるんだ?って、ここはちょっとそう思った。
でも、そんな関係もすぐ終わりになる。お店が(密告か何か?理由が解りませんでした)通報されてしまい、今までの通りのユダヤ的営業許可から漏れてしまったみたい・・・。
トーマスは義兄からいきなり航空券をつきつけられ、1時間後に出て行ってくれと言われる始末・・・。彼女に挨拶も出来ず、泣きながらベルリンに戻って行く・・。
ラストは、それから3か月後だったかな?  カフェは彼のレシピのお陰か繁盛していてほっとする。
そして、ベルリンのお店から出て来るトーマスを、陰からそっと見つめる彼女。この後、どうなるんだろう・・・。
以上

トーマスの生立ち、おばあさんに育てられて、ずっと孤独だったのね・・・。
寡黙だけど優しいトーマス、彼のお菓子作りの様子にも表れていて、好感を持ちました。
おばあさんから、多くを求めずに・・と言われて生きて来たとおりに、控え目で真面目に生きていましたよね。

彼が愛したケーキ職人 (2017/イスラエル・独)
The Cakemaker
監督 脚本 オフィル・ラウル・グレイツァ
出演 ティム・カルクオフ / サラ・アドラー / ロイ・ミラー / ゾハル・シュトラウス / サンドラ・シャーディー

あらすじ イスラエルから出張でベルリンに来たオーレン(ロイ・ミラー)はケーキ店でケーキを注文する。ケーキ職人トーマス(ティム・カルクオフ)は、彼から子供土産を相談され、玩具専門店に案内を頼まれた。それがきっかけで付き合うようになった2人は、やがて、オーレンの出張中、愛し合う仲になる。しかし、1ヵ月後の再訪を約し帰国したオーレンから連絡が途絶え、事故死の事実を知る。数ヵ月後、エルサレムルにトーマスはやって来たのだった・・。
【2020/04/09 11:09】  コメント(8) | トラックバック(2) | 国籍微妙・他国
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コメント

おはようございます。

考えると内容は結構ショッキングなものなんだけど、静かな、余韻の残る作品でしたよね~。
トーマスとローレンの奥さんが愛し合うシーンもビックリしたけど、それがそんなにイヤな感じでは無いのは、ゆっくりと心情に寄り添うように描いてあったからかなあと思いました。

そうそう、トーマス、本当に控えめでね!!
感情をあらわにしたのは(帰るように言われた)あのシーンだけでしたよね。

ラストシーンもいろいろ想像させて好きだな~♪
  【 編集】  URL |   2020/04/12 09:39   |  TOP ▲ |


瞳さん、こんにちは!

なんか、この映画って、確かに結構ショッキングだったり、18禁なシーンも色々あるんだけど
> 考えると内容は結構ショッキングなものなんだけど、
> トーマスとローレンの奥さんが愛し合うシーンも
でも、なんでかな?全然いやらしく感じなかったというか、下品じゃないのよね。
女性監督ってことも関係あるのかしら・・・

地味な映画なんだけど、私的には、かなりお気に入りになったよ!
瞳さんちで、ふと目が留まって、レンタルしてみて良かったーー♪
ありがとう^^


latifa  【 編集】  URL |   2020/04/12 12:45   |  TOP ▲ |


こんにちは。この作品はとても好きな作品です。色々なことを感じさせられるし考えさせられます。ユダヤ教の戒律など、あまり触れられることがなかった部分が、作品の中心にうまくはまって展開されているところも興味深かったです。もちろん、もっと根源の中心部って「愛」なのですが。
いや~こういうしっとりした作品も良いですよね~。
ここなつ  【 編集】  URL |   2020/04/16 10:53   |  TOP ▲ |


ここなつさん、こちらにもコメントありがとうございます!

密かに、ここなつさんちの感想も拝見していました♪
良い映画でしたよねー、あんまりメジャーな作品じゃないのに。

気に入ったので、高齢の母にもオススメしたんですよ(レンタルDVDだったので)
貸した後に、ちょっときわどいシーンも豊富だったんだ・・・汗
とか思ったのですが、母もとても気に入ってくれて、ほっ。
latifa  【 編集】  URL |   2020/04/16 14:08   |  TOP ▲ |


こんにちは☺️

映画館で観ました。
何とも切ない作品でしたがとても心に残る映画でした。

愛には色々な形があるんだなあと。

最近『バベッドの晩餐会』を観まして美味しいものは人を幸せにするんだなあと思いましたが、この作品もそうでしたね。
特に女性のケーキを頬張った時の幸せそうな表情が忘れられません。
kamieru  【 編集】  URL |   2020/06/06 10:47   |  TOP ▲ |


連投すみません💧

TBやってみたけどできないのでLINKを貼らせて頂きますね。

彼が愛した愛したケーキ職人

https://kamierutonuko.blog.fc2.com/blog-entry-2025.html

バベットの晩餐会

https://kamierutonuko.blog.fc2.com/blog-entry-2697.html
kamieru  【 編集】  URL |   2020/06/06 10:53   |  TOP ▲ |


kamieruさん、こんにちは!
これ、劇場鑑賞されていたのですねー
いいなあ!
あまり有名じゃないけれど、良い作品でしたよね。
私も心に残る1本になりました。

バベットの晩餐会
私も以前見て衝撃を受けました。
人生最後に見たい1本にあげている方がいた気がします。
latifa  【 編集】  URL |   2020/06/07 13:30   |  TOP ▲ |


大丈夫ですよ!
お手数おかけしちゃってすいません。

リンクありがとうございます。
探さずに、すぐ飛べて、とても助かります^^
latifa  【 編集】  URL |   2020/06/07 13:31   |  TOP ▲ |


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「彼が愛したケーキ職人」
Slow Dream (2020/04/12 09:40)
ベルリンのカフェで働くケーキ職人のトーマス(ティム・カルクオフ)。 イスラエルから出張でやって来るなじみ客のオーレン(ロイ・ミラー)といつしか恋人関係に発展していく。 オーレンには妻子がいるが、仕事でベルリンに滞在する限られた時間、ふたりは愛し合う。 ある日「また一カ月後に」と言ってエルサレムの家へ帰って行ったオーレンから連絡が途絶えてしまう。 実は交通事故で亡くなっていたのだった―。 エル...


「彼が愛したケーキ職人」
ここなつ映画レビュー (2020/04/16 10:55)
愛とは…。染み渡る切なさ。切な過ぎる。それは判っている。悪いのは全て、2つの愛の間を行き来して、死んでしまった男なのだと。いつもの調子の私なら、生きている者に悔恨だけ残して死んでしまったその男が全面的に悪いのだから、なんだかねー、などと言い、鼻白んでいたかもしれない。所詮は振り回されていただけじゃん、いい加減見限れよ、とかなんとか。だが、本作は…本作は何故か心に染み込んで仕方がない。セリフが...


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