fc2ブログ
「コリーニ事件」感想
見た後にも色々考えてしまう映画 4つ★半
0267.jpg

小説と映画とでは設定が少し変わっているそうで、映画版では主人公ライネンがトルコ人になっています。
ライネンにとってこれが被告側弁護士として初めて手掛ける大きな事件。
しかし被害者は、貧しい少年時代からの大恩人だった人。
彼がいなかったら、弁護士になれてなかっただろう。

弁護をするイタリア人コリーニは一切口を閉ざす。しかし過去をさぐるうちに、ナチスがイタリアの小さな村で行った事が明らかになる。 
そうそう、昨晩TVをつけていたら、1966年頃のウェスタン映画が放映されていて、若きフランコ・ネロさんが主役はってました!(キアヌの映画にも出てたけど、目力ありますよね)

★以下ネタバレ★
あの優しかった恩人は、かつてナチで、ひどい事をしてたんですね・・・。
2人の死んだドイツ人の報復のため、無差別に選んだイタリア人20をを銃殺。その時父を殺されたのが、当時少年だったコリーニでした。戦争責任を告発していたのですが、1968年に作られた法案の為、無罪放免になっており、今回数十年を経て、復讐のために殺したのでした。

「ドレーアー法」 ドイツ国民の一部しか知らないその法律は、1968年、上層部がこっそりと憲法を作ってしまったそうな。
これにより、第二次大戦の戦争犯罪人を大勢、野放しに出来たそうです・・・。
その後、コリーニは獄中で自殺してしまいます・・・。
以上

原作者フェルディナント・フォン・シーラッハはドイツでも屈指の刑事事件弁護士として活躍している人物。
本作は2011年に出版され、世間に知られる様になったことによって、2012年にドイツ連邦法務省が「過去再検討委員会」を設置するという、現実の政治を動かす事になった。

そして彼の祖父は、ナチスの全国青少年指導者で20年の禁固刑を言い渡された戦争犯罪人だったそうなんですね。
産まれた時から、その事は彼の重荷になっていたでしょうね・・・ でも祖父は優しい良い人だったんじゃないかな・・・。この小説の殺された被害者と同じに。

こういう映画が個人的に好きですねー!

コリーニ事件 (2019/独)
The Collini Case
監督 マルコ・クロイツパイントナー
原作 フェルディナント・フォン・シーラッハ
出演 エリアス・ムバレク / アレクサンドラ・マリア・ラーラ / ハイナー・ラウターバッハ / フランコ・ネロ / マンフレッド・ザパトカ / ジャニス・ニーヴナー / ライナー・ボック / カトリン・シュトリーベック / ピア・シュトゥツェンシュタイン
【2020/06/26 14:39】  コメント(8) | トラックバック(2) | ドイツ・デンマーク
TOP ▲HOME
 
<<「黒い司法 0%からの奇跡」「リチャード・ジュエル」感想 | ホーム | 「ジョジョ・ラビット」「1917」感想>>
コメント

こんにちは。
この作品、とても良かったです。人の二面性…というか隠された過去が暴かれるといっても決してスキャンダラスではなくてずっしりと重たくて…

>そして彼の祖父は、ナチスの全国青少年指導者で20年の禁固刑を言い渡された戦争犯罪人だったそうなんですね。
産まれた時から、その事は彼の重荷になっていたでしょうね・・・ でも祖父は優しい良い人だったんじゃないかな・・・。この小説の殺された被害者と同じに。

これこれ、正にこれですよね。
作者のこの生育歴があったからこその内容だったのかもしれませんね。
ここなつ  【 編集】  URL |   2020/06/29 13:51   |  TOP ▲ |


ここなつさん、こんにちは!
あんまり話題になってない映画ですが、密かに大穴的作品でしたよね。

この作家さんの本、読んでみたくて図書館でリクエストしてしまいました。
短いらしいと聞いて、それなら気軽にトライしてみようかな、と思ったんです。

>リヒャルト役の人が結構紳士的なお顔立ちだったので、ついそう思って
解ります。なんか、ビル・ナイ的な外貌の、知的なおじさまでしたものね。
latifa  【 編集】  URL |   2020/06/29 21:23   |  TOP ▲ |


こんにちは。

これ今年中にどうしても観たくって。
すごく良かったです。
ミステリー部分の衝撃さにビックリ、そして以外にも抒情的に描かれたドラマ部分がすごく好みです。
ラストシーンも社会派映画には珍しいカットでしたよね。じわ~~ときたわ。

原作者の祖父!そうだったのね・・・だからこそ、こういう小説を書こうと思ったんでしょうね。なおのこと、原作が読みたくなりました。
  【 編集】  URL |   2020/12/11 15:19   |  TOP ▲ |


瞳さん、こんにちは!
これ、ご覧になったのねー。そうそう、良かったですよね。
私は今年のベスト10に入れるかもしれないー。

>ミステリー部分の衝撃さにビックリ、そして以外にも抒情的に描かれたドラマ部分がすごく好み
そうなのよね!同じですー。

私も映画を見て原作が読みたくなっちゃって、読んだ一人です♪
latifa  【 編集】  URL |   2020/12/12 09:54   |  TOP ▲ |


latifaさん~おはよう~(^O^)
これ、見終わって色々な想いがめぐった作品でした。
latifaさんは原作も読まれたそうで(`・ω・´)b。さすが!
映画ではラストシーンとか心象風景っぽい所もあったけど、原作だともっとリアルで重々しい感じ?
本作を発表した事でご本人の重荷も少しは軽くなったかな・・?
イマの世の中でも上層部がこっそりルールをいじって・・なんてよく有りそうだし、世の中の事にもっと目を光らせないと、とか思ったり・・
見終わって数日経つのに、まだまだ色んな想いがぐるぐるしてますぅ~( ̄∇ ̄;
つるばら  【 編集】  URL |   2023/07/03 11:24   |  TOP ▲ |


つるばらさん、こんにちはー。
コメントありがとう!

それがさ、原作の感想書かなかったから、もはや記憶があいまいに・・・
まいったなあー、最近そんなのばっかり。

https://gensakudaidoku.hatenablog.com/entry/2020/10/10/210100
こちらの方が解りやすく映画と原作の差異を書かれているよ(今検索したヒト)
コリーニ事件じゃない他の本の感想は残してるのにさ、まったく。(まあ、そちらも再度読み返さないと、ほぼ忘れてたんだけど)

昔も今もお偉いさんの不正とか、政治的にも彼らの都合の良い様になってるっていうのは変わらないね。
それにしても日本も色々ヤバイよねー。
latifa  【 編集】  URL |   2023/07/04 11:44   |  TOP ▲ |


latifaさん、おはよう~再びお邪魔します。
原作との違いがわかるサイトどうもありがとう!読んできました。
ピザ屋のオネエチャンなんかはともかく、主人公とか重要人物に関しても少し変えられてたのね。
映画しか知らない自分からしたら映画自体に満足出来たのでそこはいいんだけど、
孫娘に関しては、(映画での)自分から主人公に近寄ったり罵倒する部分が指摘されてたけど、私もそこは何だか違和感あったので原作では違うと聞き逆に安心しました。(?!)
他の作品も読まれてるそうで、そう言えばlatifaさんのサイトは映画だけじゃなくて読書のサイトでもあったわ!
と今更・・キャ~・・失礼しました~。(*´Д`)
つるばら  【 編集】  URL |   2023/07/05 10:05   |  TOP ▲ |


つるばらさん、こんにちはー!
再度コメントありがとうーー♪
レス、遅くなっちゃってごめんなさい。
PCのある部屋が地獄の様に熱くて・・・。

そうそう、そうだよね。
孫娘に関しては私も同じ様に違和感あったわー。
ピザ屋のお姉ちゃん 笑 いたよねー。うん、うん。

で、別サイトの件、全然気にしなくていいのよー!
あちらと、こちらと来て下さる方もほぼ違うし、全く問題無しですよー。
latifa  【 編集】  URL |   2023/07/07 09:58   |  TOP ▲ |


コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://latifa.blog10.fc2.com/tb.php/1618-999b4336

「コリーニ事件」
ここなつ映画レビュー (2020/06/29 13:51)
傑作。ただただ「傑作である」と誰かに伝えたい。でも、どこがどう傑作だったと感じたのかを書けば完全にネタバレとなる。そして、「法廷物」と銘打たれた本作なので、ネタバレをしてしまうのは未見の方に申し訳ない。なので、未見の人は、以下はご鑑賞されてから読んでいただきたいと切に願う。そして更に願わくば是非ご鑑賞されたし!カスパー・ライネン(エリアス・ムバレク)は弁護士になってまだ3ヶ月の新米弁護士であ...


「コリーニ事件」
Slow Dream (2020/12/11 15:19)
新米弁護士ライネンは、ある殺人事件の国選弁護人に任命される。 だが被害者は少年時代からの恩人だった。 動機について一切口を閉ざす被告人だったが、 事件を調べるうちにドイツ史上最大の司法スキャンダルへと発展――。 ドイツ国民誰もが知りたくなかった真実に向き合うことになる。      <公式サイト ストーリーより>


| ホームTOP ▲ |