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「その手に触れるまで」「トランスポーター イグニション」ネタバレ感想
フランス圏の映画ってだけで、この2つ組み合わせてしまいました。
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その手に触れるまで
タルデンヌ監督による、イスラム過激派に影響されてしまった少年という題材。

この映画でショッキングだったのは、少年が狙った人間というのが、幼い頃からずっと彼の事を親身になって教えて来てくれた先生だったという事でした・・・。なんでよりによって、その女性教師を・・・と。

しかも、一度失敗して、その後も諦めず、再度やろうとしてるって・・・・
この前までゲーム好きな普通の少年だったという処からも、割と最近交流を深く持っただけの店屋の人間を介して洗脳された過激派の教えが、そんなに彼を変えてしまったっていうのがショックでね・・・。
彼にはラシッドっていう兄貴がいて、この子はそれほど染まってないのですよ。 ただ従兄は自爆テロか何かしたみたい・・。
アメッドが何か大きな挫折や人生に絶望する出来事があって、そこから信心深くなったっていうなら解るけど・・・ ただ仲良い友達とかはいなかったっぽいね・・・。出てこなかっただけかもしれないけど・・・。

★以下ネタバレ★
でもラストは、どんでん返し!
先生を再度襲おうとして、壁に刺さっていた鋭利な釘を持って、部屋に入ろうとしたところ、誤って落ちてしまい立ち上がれなくなる(どこか骨折しちゃったみたい) その釘をカンカンと金属に打ち付けて、その音で先生が気がついて庭に出て来てくれて気がつき、救急車を呼ぶわ、と。 凶器になるはずの道具が、助けを呼ぶ道具に、そして傷つけるはずの相手に助けてもらうなんてね・・・・。
以上

この後、彼はどうなるんだろう・・・。怪我は土の上に落ちたし、そう重篤なものではないと思うけれど・・・。
彼の住むアパートかな?が結構綺麗で広めで良い部屋なんですよね。ちゃんと自分の部屋もあって。日本と比較しちゃあなんですが・・・。多分、生活に余裕がある方じゃない一家なのかもしれないのに、あれだけの部屋に住めるなんて、ベルギーは大したもんですね。

私は今から30年前、イスラムの人が殆どのモロッコに滞在して、いろんなお家に遊びに行ったり、居候させてもらったりしたのですが、若い人で毎日お祈りしてる人は殆どおらず、反面、年に一度の断食は、ちゃんと行っていたり、食べ物に関する事や、お酒飲まないとかは守っていて、学生は学校でコーランの教科書暗記?みたいのも必須なのか頑張って覚えてましたね。
当時からフランスや外国に出稼ぎに出た経験or移住した人も結構多くて、現在海外で家族を持ち、暮らしている人も結構いるんですよ。
ベルギーやフランス等で過激なテロを起こす人が、モロッコはじめマグレブ出身者の事が結構多い事に心を痛めています・・・。イスラム教徒ってだけで白い目で見られたり、過激な人は一部だけなのにね・・・。

数年前にベルギーのブリュッセルで大きなテロがあって、安全な場所と勝手にずっと思い込んでいたので、あの事件はショックでした・・・。昔から、ブリュッセルのグランプラスに行きたい!と長年憧れていたのですが・・・。

その手に触れるまで (2019/ベルギー仏)
Le Jeune Ahmed
監督 脚本 ジャン・ピエール・ダルデンヌ / リュック・ダルデンヌ
出演 イディル・ベン・アディ / オリヴィエ・ボノー / ミリエム・アケディウ / ヴィクトリア・ブルック / クレール・ボドソン / オスマン・ムーメン
あらすじ ダルデンヌ兄弟が2019年カンヌ国際映画祭監督賞を受賞。ベルギーのアラブ系コミュニティで暮らす13歳の少年アメッドイディル・ベン・アディは礼拝へ通ううちに導師の説く過激なイスラム原理主義に感化され厳格な戒律に従い始める。周囲は心配するが、アメッドはかつて彼に丁寧に教えてくれた女性教師を導師が「背教者だ」と呼んだことから、その襲撃まで企てる。そして少年院に送致されたアメッドは農場での研修を受けるのだが…

・・・・・・・・・・
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トランスポーター イグニション

主役が、ジェイソン・ステイサムからエド・スクレインに変更になった1作目だそう。
TVで放映していたので、録画して鑑賞。
うーん、面白かったのだけれど、でもなんだろう・・・エド・スクレインって役者さんは背も高いしスタイルも良いし、確かにイケメンなのだけれど、アクションシーンで心がワクワクすることが、あんまり無かったなあ・・・。昔のジャッキーチェン的な、道具を使ったりこまごましたアクションが多いんだけれど、手足の長い彼を生かしたアクションでは無いからなんだろうか・・・。

フランクの父(エビアンの営業を30年やってきて定年退職したというイケオジ)も重要な登場人物なんだけど、この人が割と魅力的なのもあって、主役のフランクが霞んでしまったかもなあ・・・

★以下ネタバレ★
結局金髪カツラをかぶって一緒に頑張っていた女性陣が、主役の女性以外、みんな死んじゃうってのがなあ・・・。
死んじゃった後に、彼女らの家族に大金を送金するんだけど、それでめでたし、めでたしって風に私は思えなかったから。
大金より娘を失った方が家族は辛いからね。
以上

アウディ、頑丈だよねえー。何台もダメにしちゃうのが勿体なかったな。

トランスポーター イグニション (2015/仏)
The Transporter Refueled
監督 カミーユ・ドゥラマーレ
脚本 リュック・べッソン / アダム・クーパー / ビル・コラージュ
出演 エド・スクレイン / レイ・スティーブンソン / ロアン・シャバノル / ガブリエラ・ライト / タティアナ・パイコヴィッチ / ウェンシア・ユー

あらすじ フランクはプロの運び屋。どんな依頼も請け負う代わりに、厳格なルールを決めている。アンナという女からの「ある荷物」を運ぶという依頼、向かったスイス銀行の前には、アンナと、そこに「荷物」ではなくもう2人の美女が車に乗り込んでくる。「話が違う」と仕事を断るが、フランクの父親が「人質」として捕えられていて、仕方なく女たちを乗せて、追跡を逃れるが、それは、女たちの作戦の始まりに過ぎなかった。彼女らはいったい何者なのか、そして父を助けることができるのか・・
【2020/12/28 11:08】  コメント(4) | トラックバック(1) | フランス・ベルギー カナダ
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コメント

>新生トランスポーター

父親のイケぶりを楽しむ映画と、
後半、化してましたね
確かにその分主人公が霞んでしまったかも。

今年ももう終わりですね、本当に速いものです。
今年も本当にお世話になりました。
年末にお邪魔することできるかわからないので、今年はこちらでご挨拶とさせていただきます。
来年もまた、宜しくお願い致します。
良いお年をお迎えくださいね!
maki  【 編集】  URL |   2020/12/29 13:56   |  TOP ▲ |


こんにちは。年も押し迫って参りましたね。今年はコメントなどで大変お世話になりありがとうございました。
ダルデンヌ兄弟の作品はいつも胸に迫るものが多いのですが、今回はちょっとだけ毛色が違っていて、取り上げている対象者が必ずしも弱者ではなく、普通に暮らしていれば普通の子供だっただろう、と思われる所に問題の根深さを感じました。
いずれにせよ、すごい監督(達)だと思います。
ところで、TBのお返しが上手くいかなくて、もうしばらくお待ちくださいませ。すみませんが、よろしくお願いします。
ここなつ  【 編集】  URL |   2020/12/30 20:32   |  TOP ▲ |


makiさん、明けましておめでとうございます。
去年も一杯makiさんとお話出来て、とても嬉しかったです。
漫画のお話も出来たり、故郷の話題も出来たり、楽しかったです。
今年もどうぞよろしくお願いいたします!

父親役の俳優さん、他の映画にも出てるのかなー
調べてはいないけれど、
いつか、またどこかで見てみたいなーと思いました。
latifa  【 編集】  URL |   2021/01/02 09:59   |  TOP ▲ |


ここなつさん、明けましておめでとうございます。
去年は、たくさんの映画でお話出来て、とても嬉しく、楽しかったです!
ありがとうございました。

年末年始、忙しくお過ごしでしょうね。
コロナも拡大しちゃったし。。。

ここなつさんの去年のベスト映画の記事、楽しみです。

私は見るのがDVDになってからが多いので、いつも半年から1年遅れで、ここなつさんちにお邪魔することが多いのですが、今年もどうぞよろしくお願い致します。
latifa  【 編集】  URL |   2021/01/03 08:35   |  TOP ▲ |


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トランスポーター イグニション
いやいやえん (2020/12/29 13:52)
【概略】プロの運び屋・フランクは、美女・アンナからの依頼を受ける。父親を人質に取られ、強制的にアンナの計画に参加させられたフランクは、愛車のアウディで走り出すが…。 アクション


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