昔の(80年代中盤かな・・・テレビゲームがあったから)ベトナム サイゴンの下町の街並みやインテリア、青っぽい壁とか、階段とか、オレンジ色の夜の灯りや、光と影の具合等、映画全体に漂う雰囲気がとても好み!
ウォン・カーワイの「花様年華」や、カイルオンの劇とストーリーをリンクさせるのは「覇王別姫」を思い出されました。 ベトナムの伝統芸能団の女優と演奏者の父を持つユン。 現在は、高利貸しの取り立て屋で雷兄貴と恐れられている。 かたやカイルオンの男優で、人生経験を積まないと芸に深みが出ないと指摘されているリン。 ある日、劇団に取り立てに来たユン、衣装にガソリンをまいて火を・・それを止めに入ったリン。出会いは最悪でしたが、その後食堂でチンピラにやられてる処を助けて部屋に連れて来て・・・。(まあ、よくあるパターンではありますが) でもその後の2人が心を通わせる様になる過程も良かったなあ・・・ テレビゲームで一緒に戦い、その後停電からの屋上での身の上話、夜中の二人乗りバイク、ふと本棚にあった2人の愛読書からの即興演奏!(え?兄貴、楽器弾けたんですか? しかも凄腕) ★以下ネタバレ★ 改心して新しい人生を歩みだそうとした直後、やばいな・・・と思ってたら、やっぱりかーー!!! 殺される気がしてたんだよなあ・・・ 取り立て屋先のカワイイ娘2人と奥さんが無理心中しちゃって、残された旦那から、刺されてしまった。 リンは象のネックレスをプレゼントしようとしていて、ユンはリンがレストランで忘れていったという大事なキーホルダー(少年時代カイルオンへの憧れから、落ちていた衣装のスパンコールを拾い集めていた、泣かせるじゃありませんかあ!)を持って・・・それらが彼らに渡される事は永遠に無いままだったなんて・・・涙 でも、この経験がリンの演技のこやしになって行くのでしょう・・・以上 幼くしてフランスに行ったベトナム出身のトライアン・ユン監督とかもそうだけど、幼い頃に故郷を離れ、欧米で暮らして来た人の、忘れがたい故郷の風景や郷愁みたいのがね、もう〜たまらないんですよ! そういや台湾映画でも、こういうのあったな。 1977年生まれのレオン・レ監督は「13歳までベトナムで過ごし、アメリカのカリフォルニアに渡ることになりました。実は、今回の映画はわたしの中のベトナムがほとんど再現されているといっていい。 アメリカからベトナムに戻った2007年、ベトナムは当然ですが時代の経過とともに大きく変化していました。だからこそだったのかもしれませんが、記憶に封じ込めていた13歳までの想い出が堰を切ったようによみがえりました。 1980年代の想い出そのまま、わたしが13歳までに体感していたベトナムの空気や雰囲気から、文化や歴史、当時出会った人々の記憶までがまざまざとよみがえったのです」 プロデューサーのゴ・タイン・バンについて。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でローズの姉ペイジを演じたことで世界に知られる彼女は、ベトナムを代表する世界的スターである一方、プロデューサー、監督としても活躍している。さらに映画プロダクションを設立し、次々とヒット作を生み出し、ベトナム映画界の革命児的存在になっている。 このプロジェクトが実現するまで10年かかったといいましたけど、イエスといってくれたのは彼女しかいなかった。 「実は、ベトナムに帰国したのは<カイルオン>のためといっていい。実は、このプロジェクトははじめ映画ではありませんでした。2007年にベトナムに帰国したのですが、そのときは<カイルオン>の演目を舞台でやりたかったのです。 わたしの子ども時代、<カイルオン>はベトナムの人々に欠かせない人気のエンターテインメントであり、ベトナムが誇る芸術でした。 でも、帰国したときはもはやそれは過去のこと。ドイモイ政策以後、外国の文化が一気に入ってきて、<カイルオン>は衰退し、いまではほとんどみられていない それをどうにかよみがえらせたかったのです。 いろいろと呼びかけましたが、まったく興味を示してくれるところはありませんでした。<カイルオン>という言葉が出た瞬間、断られるぐらいでした。それほど<カイルオンは>過去の遺物になっていたのです。 それで10年かけて、映画のプロジェクトに変更しました。 以下、こちらから抜粋させていただきました。 危機に瀕した伝統歌劇に再び灯を点す! 世界に届いたベトナムの新鋭の想い/水上賢治 ソン・ランの響き 2018/ベトナム 監督・脚本 レオン・レ 出演者: リエン・ビン・ファット アイザック スアン・ヒエップ 制作: ゴ・タイン・バン |
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