罪の声
以前原作を読んだ時よりも、なぜだか映画の方が心が揺さぶられたというのは、珍しい現象。 普通先に原作を知ってから映像化作品を見ると、がっかりすることが多いのに。 2時間という短い時間枠で、かなり重量のある大勢が登場する内容を、よく上手に脚本としてまとめられたなあと、野木亜紀子さんに感心するばかり。 ただ、これは実際に起きた事件、ということが引っかかるんですよね。 フィクションで描かれた内容部分までもが、本当の事実だったように錯覚されてしまう恐れがある。 なので、私はいつもこういった実際にあった事件を元に作られたフィクション作品というのは、それがたとえ非常に素晴らしく出来た作品だったとしても、心から絶賛しちゃいけないような、ブレーキがかかるというか・・・ キャスティングも良く、みなさん演技お上手。当時の再現フィルムや雰囲気も凄くリアルでした。 確かこれは原作では無かった気がしますが(もう記憶があやふや・・) 当時中学生だったのぞみが映画の字幕の仕事が夢、雑誌スクリーンを愛読していた・・というのは、映画化に合わせての改変だったのかな?これは良かったと思いました。 ★以下ネタバレ★ イギリスで暮らしているおじさん(計画犯)、もう命わずかな母(息子の声をテープに録画した)、この2人が過去に取った行動は、やっぱり良くないよー。警察や世に腹が立って、って動機も。その矛先が無関係で別に何も悪い事してないグリコの社長に、っていうのは。 暴落した株の操作で儲けて・・・っていうのは、事件当時全く頭に浮かばなかったけれど(あれだけ騒いでいたワイドショーでそういう推察した人、いたのかしら・・・)、これがホントならば作家さん凄い推理ですね。その後、複数犯の中で内輪もめ、っていうのはありがちそう・・・。 いずれにしても、2人の子供が一人は若くして亡くなり、もう一人は悲惨な人生を送って来たっていうのが、もうね・・・可哀想過ぎますよ・・・。あの彼がこれから何とか上向きな生活が出来ますように・・・以上 あのグリコ事件当時、私は若いけど大人だったので、記憶がハッキリ残っています。 事件の影響で、どうするんだろう・・・と思っていたら、お菓子のパッケージが箱の上からまるごとビニールでパッキングして売られるようになった事。脅された会社が、つぶれちゃうんじゃないだろうか?等と心配していました。ワイドショーでも連日報道されて凄かったです。 事件の子供たち、みんなどうしているのかな・・・この小説や映画を知って、どんな複雑な心境になっているのでしょう・・・ 罪の声 (2020/日) 監督 土井裕泰 脚本 野木亜紀子 原作 塩田武士 (新聞記者を10年やっていたらしいです) 出演 小栗旬 / 星野源 / 松重豊 / 古舘寛治 / 市川実日子 / 火野正平 / 宇崎竜童 / 梶芽衣子 / 宇野祥平 / 篠原ゆき子 / 原菜乃華 / 阿部亮平 / 尾上寛之 / 川口覚 / 阿部純子 / 水澤伸吾 / 堀内正美 / 木場勝己 / 橋本じゅん / 桜木健一 / 浅茅陽子 / 高田聖子 / 佐藤蛾次郎 / 宮下順子 / 塩見三省 / 正司照枝 / 沼田爆 / 岡本麗 / 若葉竜也 / 須藤理彩 「罪の声」の小説の感想 ・・・・・・・・・・ 望み ![]() ハラハラドキドキ、どうなるの・・・?と、引き込まれて見ました。3つ★半~4つ★ 息子が加害者側、被害者側、どっちかの作品は見た事があるけれど、最後の最後まで、どっちなのか解らないという設定がとても興味深く良かったです。 犯人で生存か被害者で死亡か、どっちがましか? どっちの親の立場にもなりえて、それを感じるっていう役どころを、堤さんはじめ、家族のみなさん、とても上手に演じておられました。 望み (2020/日) 監督 堤幸彦 原作 雫井脩介 出演 堤真一 / 石田ゆり子 / 岡田健史 / 清原果耶 / 加藤雅也 / 市毛良枝 / 松田翔太 / 竜雷太 |
こんにちは。
本作かなり面白かったです。 未解決事件だという点が、かなり(一般人であっても)推理や妄想を膨らませやすい題材ですよね。 過去のことだからといってそのままにしておけなかった主人公の誠実さが沁みました。 『罪の声』はあの時代のあの事件を知っている人も、知らない人も作品を堪能出来るように作られているのが凄いですよね。
あの空気を映像化出来ただけでも、この作品は見る価値があると思いました。 ここなつさん、こんにちは!
邦画で、ここまで引き込まれるサスペンス映画って私は見たのは久しぶりでした。 グリコ事件は世の中を騒然とさせた未解決事件でした。 でも、そういう事件って結構一杯ありますよね。 確か原作では、仕立て屋の主人公が、TVだったかな・・・マスコミの媒体に生出演して、色々打ち明けるってシーンがあったかと。 映画では、そういちろうが出てお母さんを探すシーンがありましたけれど。 にゃむばななさん、こんにちは!
>あの時代のあの事件を知っている人も、知らない人も作品を堪能出来るように作られているのが凄いですよね。 ほんとですね。 私は、もう成人後だったので、しっかり記憶があるので、凄く面白かったです。 ただ、学生運動とか、そういうのについてはあまり知識がないので、私より更に10才年上の人が見ると、もっと更に面白く見れたんじゃないかな・・・と思ったりします。 望み をAmazonで観ました。
出演者の方々皆さん良かったですが、堤さんの父親に泣けました。中頃の場面でお母さんが息子が戻って来るかもしれないとなった時、お弁当を食べさせたいと買いだしに行くシーンも泣けますが。。。最後に、加害者であっても生きていて欲しいと願う気持ち、たとえそうだったにしても一時的にはほっとなるけれど、後から襲ってくる葛藤も確実にやってくると、メディア記者に語っていたのと、オーバーラップしました。こちらは納得できますが客観的になるまでは時間がかかるでしょうね。 警察は取り調べの段階で、いち早く息子の死亡を分かっていたはずなのに、犯人と疑われ両親や家族が苦しんでいるのを、それなりにサポート出来なかったかと歯がゆい思いがあります。 しずくさん、こんにちは!
これ、ご覧になったんですね。 堤さんのお父さん役も、石田さんのお母さんも、それぞれ良かったですよね。 お母さんがお弁当を作ってあげたくて・・・って下りは、自分でもそうなっちゃうだろうなあ・・・と思いました。 >警察は取り調べの段階で、いち早く息子の死亡を分かっていたはずなのに、犯人と疑われ両親や家族が苦しんでいるのを、それなりにサポート出来なかったかと歯がゆい思い そうですよねえ。 しょうがなかったのかもしれないけれど、最後まで見ると、うーん・・・と思っちゃいます。 この映画って、TVで放映するのに良い映画なんじゃないかなーと思います。 「罪の声」
原作が素晴らしいのですね。読んでみたいです。 これが真実です!って言いたくなるほどの出来ですね。 こにさん、こんにちは!
原作、読み応えありました。 でも、素晴らしかったかなあ・・・(少し記憶がぼんやりになってきている) 凄く面白かったのですが(原作も映画も)オチの処(お母さん)なんだかピンと来ないのは残念に思いました。 そうそう、前にこにさんが、星野源さんが、とあるイケメンさんの若い俳優さんに似てて混同しちゃった・・っていうのありましたよね。娘が同じ事言ってました! 「あの2人そっくりじゃない?見分けつかない」って |
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ここなつ映画レビュー
(2021/05/07 11:43)
日本を震撼させた最大の未解決事件の一つ、グリコ・森永事件を元にした「その後」の話。事件の脅迫電話に使われた声の持ち主を巡る「その後」である。面白かった。とても丁寧な作りなのも良かった。加えて適材適所に実力派俳優を配しており、見応えをより大きくさせる。演出も、華美ではないし必要以上にセンセーションを煽ったりしないけれど、むしろしっかりと心に届く。風化した事件を追う新聞記者阿久津英士(小栗旬)が... |