fc2ブログ
「ドライブ・マイ・カー」ネタバレ感想
93.jpg
以前村上春樹の原作は読んでいますが、かなり忘れちゃった状態でこの映画を鑑賞。
2つの短編をうまい具合に合体させていました。
小説の中で特に面白くて印象に残った、留守宅に上がり込んで好きな男性の部屋で自分の物を残して行くという行動を繰り返す女子高生の話を、死んだ妻が創作していて夫に話す・・という風になっていました。

あと、小説には確か無かったかと思うのですが、多言語や聴覚障害を持つ人等色々な人が集まっての劇でした。
題材はチェーホフの「ワーニャ伯父さん」で、そのセリフやシーン等も本筋のストーリーとリンクするような仕掛けになっていました。
(この2点が海外やその筋の人に高評価だったのかも・・・)

私はチェーホフの「ワーニャ伯父さん」は読んだ事もなく、知識が無かったので、もし知っていたらもっと楽しめたのになあ・・・と思いました。長い割に飽きる事なく最後まで見せてもらいました。3つ★半 

以下、思った事を・・

移動中車の中で妻の朗読するシナリオをかけていましたが、妻の語る口調とか声が好きだったんでしょうね・・・

あと原作では黄色いSAABだったのが、赤いコンバーチブルのSAABに変更されていたそうです。

★以下ネタバレ★
最後の方で登場するみさきの北海道の故郷が、赤平でロケされたそうです!このあたりは、凄く土地勘があるので嬉しかったです。
それにしても広島からフェリーに途中乗って赤平まで行くって、どんだけキツイやらー、想像を絶する大変さですが・・・。
ラストは、みさきがどこかの街で買い物?をしていてあの赤いサーブに乗っているっていうのが写ります。譲り受けたんだなー。大切に乗ってくれてるんだろうなーというのが解って、後味が良かったです。
以上

ドライブ・マイ・カー (2021/日)
監督 脚本 濱口竜介
原作 村上春樹
出演 西島秀俊 / 三浦透子 / 霧島れいか / パク・ユリム / ジン・デヨン / ソニア・ユアン / アン・フィテ / ペリー・ディソン / 安部聡子 / 岡田将生

あらすじ 舞台俳優で演出家の家福(西島秀俊)と妻の音(霧島れいか)。ある日、家福は妻が他の男と関係を重ねている事実を知ってしまう。そして謎を残したまま妻は急死する。
2年後、15年乗り続ける愛車で、演劇祭の「多言語劇」を演出するために広島を訪れた家福は、主催運営者によってなかば強制的に、若い女性ドライバーみさき(三浦透子)を紹介される。オーディションには、妻と関係のあった若手俳優の高槻(岡田将生)がいた。
カンヌ国際映画祭脚本賞受賞
【2021/12/22 09:14】  コメント(10) | トラックバック(3) | 日本映画
TOP ▲HOME
 
<<ネタバレ「孤狼の血 LEVEL2」感想 | ホーム | 「ラストナイト・イン・ソーホー」ネタバレ感想>>
コメント

こんにちは。
ホント、ゴールデングローブ賞とか、驚きつつ納得しつつ…。
実は私は「ワーニャおじさん」はそれほど深くシンクロしていてどうこう、とか捉えていなかったんですよね。
だから、おっしゃるように、そこを捉えていたら、もっと深くまで踏み込んで余韻を味わえたかもしれませんね。
ここなつ  【 編集】  URL |   2022/01/11 13:54   |  TOP ▲ |


ここなつさん、こんにちは!
ごめんなさい!今、これにレスが無い事に気がつきました。
書いたつもりでいたのに、うっかりしていたのか・・すいません!

ゴールデングローブ賞とか、その他、続々と受賞していますよね。
いや、母国の映画が認められるのは、すっごく嬉しい事なのですが

日本アカデミー賞だったかな?TVで放映されるやつ・・
昨日ニュースで沢山の部門で、この映画がノミネートされたってやってました。
latifa  【 編集】  URL |   2022/01/19 13:02   |  TOP ▲ |


こんにちは~
短編を2つ合わせた作品になっていたのですね?ちっとも知りませんでした。
ラストに関しては夫は「家福とみさきが一緒に暮らしている」と解釈し、私は韓国で舞台を公演することになって、韓国人夫婦と共にみさきも家福のドライバーを続けていると解釈しました。みさきの傷が治っている様に思ったのですが気のせいかな?
ノルウェーまだ~む  【 編集】  URL |   2022/02/23 00:07   |  TOP ▲ |


ノルウェーまだ~むさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。嬉しいです!

ラストについて、おお~という声が画面の前で出てしまいました。
ノルウェーまだ~むさんご夫婦の解釈が、その後も家福とみさきが一緒にいる(暮らしているor仕事での関係で続いている)ということに。
私ったら悲観的なのかな、、勝手に家福とは関係が途絶えているとばっかり勝手に思い込んでいました。
ノルウェーまだ~むさんや、夫さんの未来の方が好きだなあー。

私もみさきの傷が治っているという風に思いました。
latifa  【 編集】  URL |   2022/02/23 09:36   |  TOP ▲ |


私は普段から車を運転するので、自分の愛車の後部座席に座るということが凄く異様に感じましたが、ただそれが自分の心を客観視しているように思えました。

一人で車を運転すると、やはり自分だけの空間になりますからね。そこに他人が入り込んで、自分はそれを助手席でもない場所で見ている。

そんな家福の心の喪失が雪が解けるように消えていく優しい雰囲気が凄く心地よかったですね。
にゃむばなな  【 編集】  URL |   2022/03/14 01:01   |  TOP ▲ |


にゃむばななさん、こんにちは!
なるほどー!いつもご自分が運転している人だと、自分の車なのに後部座席に座る事による
気持ち・・みたいな処に視点が行くのですね。
このお話、全然気がついてなかったので、なんだか目からうろこでしたよ。
私は自分で車を運転することもあるし、後部座席にも座る事があるので、深く考えが至らなかったわー。

これからアカデミー賞、どうなりますかね?
先日の日本アカデミー賞では、本作がかなり賞を独占してましたが。
latifa  【 編集】  URL |   2022/03/14 18:03   |  TOP ▲ |


こちらにも。

すごく心に沁みたわ~~。
latifaさんは原作読んでるのね。そっか~、短編を2つ組わせてるのね。
あの奥さんの脚本の話は、すごく印象的でしたよね。

「ワーニャ伯父さん」はかなり昔に読んだのだけれど、登場人物たちが誰もみんな、現状に疲れているというか、悩んでいるお話なので読んだとき、暗すぎる~~って思った記憶があるのだけれど、
映画で登場した「生きていきましょう」のあのシーンで泣けましたよ。
ああいう演出方法の劇、実際あったらすごく難しいだろうけれど観て観たいな~と思いました。
  【 編集】  URL |   2022/04/21 08:31   |  TOP ▲ |


瞳さん、これ、ごらんになったのねー!
世界各国で(国内でも)一杯賞を取られて、すごいよねー。

ワーニャ伯父さん、昔に読まれていたとは!さすがです♪
暗すぎるお話なのか・・・。
興味はあったんだけど、あえて今から読む気力がなくて・・・。

ああいう演出すごいよね。会場には字幕が出るから、想像するよりも実際見たら割と平気なのかもしれないな。
latifa  【 編集】  URL |   2022/04/21 10:04   |  TOP ▲ |


おはようございます。
元々、韓国で撮影予定がコロナで変更になったという話を聞きました。
予定通り制作が進んでいたら、もっと多角的な見方の作品になっていたかもしれません。
西島秀俊さんをはじめ、役者さんたちがハマっていたのが良かったと思いました。

ハルキストには申し訳ないのですが、村上さんとは相性が悪くて…<m(__)m>
こに  【 編集】  URL |   2023/01/25 08:41   |  TOP ▲ |


こにさん、こんにちは。
そうなんですか。本当は韓国で撮影だったのね。
コロナで色々変わっちゃったのかあー。

ラストの雪のロケ、夫の実家の近くのホテルにスタッフさんや役者さんが全員滞在していたのを最近知って、うおー!ってなってました。

相性ってありますよね!
latifa  【 編集】  URL |   2023/01/25 16:11   |  TOP ▲ |


コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://latifa.blog10.fc2.com/tb.php/1717-20d8a63f

「ドライブ・マイ・カー」
ここなつ映画レビュー (2022/01/11 13:37)
計り知れない喪失と仄かな希望を綴った、村上春樹・珠玉の短編「ドライブ・マイ・カー」の映画化。 公式HPへ誘導するための検索サイトに載った見出しであるが、「計り知れない喪失と仄かな希望を綴った」という表現が素晴らしいなと思ったので、ついつい引用させていただいた。 2021年、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、脚本賞を受賞。これは、日本映画では初めてである。 誰にでも秘...


「ドライブ・マイ・カー」
Slow Dream (2022/04/21 08:32)
舞台俳優で演出家の家福悠介と、脚本家の妻、音は、愛し合い暮らしていた。 ある日の朝、音は家福に「帰ったら話を聞いて欲しい」と告げる。音の表情にどこかいつもと違うものを感じた悠介だが、その夜、音は帰らぬひとに・・・。 2年後・・・・、家福は演劇祭で演出を担当することになり、愛車サーブで広島へと向かうのだが、 そこで寡黙なドライバー、みさきと出会う。 原作は、村上春樹の短編小説集「女のいない...


おうち映画(日本)・永遠に君を愛す/偶然と想像/ドライブ・マイ・カー
読書三昧の日々 (2023/01/25 08:27)
濱口竜介監督作品を3本 「永遠に君を愛す」 2009年 【日本映画専門チャンネル】 結婚式当日を迎えた永子(河井青葉)と誠一(杉山彦々) しかし永子の表情はどこか浮きません その理由は、誠一と大喧嘩した時に元カレの寿志(岡部尚)と浮気したこと 彼女は誠一宛てに告白の手紙をしたためるものの渡す機会がないまま時間だけが過ぎていきます 浮気の事実を心に秘めたまま挙式すればすべて丸く収まるものを...


| ホームTOP ▲ |