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「午後8時の訪問者」「君と歩く世界」感想
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GYAOで見た2本
ジャン・ピエール・ダルデンヌ 、リュック・ダルデンヌ兄弟の映画ということで見てみました。
この兄弟の映画は割と見て来てるのですが、本作はポッカリ抜けちゃってました。

サスペンスというジャンルではなく、なんというか・・・人間ドラマ? この女医さんをずっと追うんだけど、彼女人間として立派だなあと感心しましたよ。4つ★

診療所に終了1時間過ぎてかけこんできた女性にドアを開けなかった・・・ということだけは、確かに親切ではなかったかもしれない。でも、彼女を責める人はそんなにいないかと思いますよ。
他はとにかく凄いよ。いつもクールでテキパキしていて、腕の良い医者で、まだ若いのに。

本筋とは別に、研修医の若造が医者を諦めるって故郷に帰っちゃうし。彼女こんなに多忙なのに、放っておけなくてわざわざ訪ねて行くしさー(彼考えなおしたみたいで良かった)

それにしても彼女、とにかく多忙!!
日本の普通の病院なら、先生以外の看護師さんがやりそうな事を全部ひとりでやってる。電話応対、ドアの開け閉め、お見送り(そこまでやらんでも)
あと、映画だからわざとだろうけれど、電話で済みそうな用件を、いちいち訪問して来てって行くシーンが多い。

このヒロインを演じたアデル・エネルさんって、前に何かで見たかな?って調べたら「水の中のつぼみ(2007)」の魅惑的な女性役の子だったらしい。もう殆ど忘れてしまったけれど、周りの人達を惹きつける小悪魔がピッタリの若い女の子って思った記憶があるわ。
本作では、そういうのとは真逆なタイプの女性を演じてました。
そうそう、フランス映画でおなじみのジェレミー・レニエや、オリヴィエ・グルメも出演してました。

★以下ネタバレ★
家族ぐるみでかかっている家族、息子も父親もしょうもないな。往診で時間外に来てもらったりと、やたら世話になってるのに・・・
息子が最初、その女性が車の中で客を取ってるのを目撃したっていうのを告白。
その後、担当の医者を変えるとか言い出したのに、今度は父親のジェレミー・レニエが往診に来てくれって夜頼む。
後日、実は彼女を追いかけて、彼女が工事現場で誤って自分で・・・打ちどころが悪かった系?を打ち明ける。その上彼女の部屋のトイレで自殺未遂(失敗)するという、しょうもなさ。なんで彼女の家で?!呆れたわー。  
ラストはネットカフェの受付のアフリカンな女性が実は妹だった。彼氏と妹と3人で同居するようになってから彼が妹を好きになってしまい、妹がいなくなってほっとしていた・・・みたいに明かすのよね。どいつもこいつも・・・。警察が捜査で突き止めたっていう女性は違ってたみたいだしね。
以上

彼女怒りもせず、淡々とクールにしていてエライ、そう思った映画でした。
この監督の映画って、ダメな人が主人公ってことが多い気がするんだけど、本作は珍しく違っていたわ。

午後8時の訪問者 (2016/ベルギー仏)
La Fille Inconnue

監督 脚本 ジャン・ピエール・ダルデンヌ / リュック・ダルデンヌ
出演 アデル・エネル / オリヴィエ・ボノー / ジェレミー・レニエ / ルカ・ミネラ / オリヴィエ・グルメ / ファブリツィオ・ロンギオーヌ
あらすじ 診療所、診察時間が過ぎた夜8時にドアブザーが鳴る。代理で医師を務めていたジェニーは、対応しようとする研修医に「もう出なくていい」と言う。
翌日、警察が診療所を訪れ防犯カメラ映像を求められた。早朝に少女の遺体が発見されたのだ。映像をチェックすると前夜8時に少女が慌しくブザーを押し、ドアが開かないと見て逃げるように去った様子が写っていた。その少女が遺体で発見されたのだ。身元もわからない少女の死に、ジェニーは「もしドアを開けていれば…」と自責と悔悟の念にとらわれ、少女の名前だけでも知ろうと・・・



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君と歩く世界
こちらも1か月位前、GYAOで見た映画。2つ★くらい・・・?
昔、この監督の「リード・マイ・リップス」(2001)が面白かったので、見てみようかな?と思ったのでした。

で、見たらば、思っていたのと違った内容の映画でした。
男性がなんだか適当というかね・・・でも、両足を失った女性が、優しくて良い男性と知り合って元気になっていく・・・っていうのとは違う処がミソなのかな? あんまり堅苦しくなくて、ちょっとちゃらい位の男性の方が彼女も気が楽だったりしたのかしら・・・
映像は綺麗だった。

彼は腕に自信があって、対戦バトル?で勝つとお金がもらえるみたいな仕事をしはじめて、強いのよねー、そして黙っていても女性が寄って来るって感じで(遊びでだけど)
でもなあ、なんだか安定しない仕事に、堂々と浮気しちゃったり、なんだかなあ・・・・

★以下ネタバレ★
さすがの彼女もマネージャー的立場だけなの?真剣な愛情は無いの?って苦悩して、一旦は距離を置くけど、彼がやっぱり愛してると気がついたのか、なんなのか・・・ 真剣交際であることを確認する・・・ うーん、なんかバンザイ!やった!って感じにはならなかったかも 以上

君と歩く世界 (2012/仏=ベルギー)
De rouille et d'os
監督 脚本 ジャック・オーディアール
原作 クレイグ・デイヴィッドソン
出演 マリオン・コティヤール / マティアス・スーナールツ / アルマン・ヴェルデュール / セリーヌ・サレット / コリンヌ・マシエロ / ブーリ・ランネール / ジャン・ミシェル・コレイア

あらすじ 南仏・アンティーブのマリンランドで働くステファニー。ある日彼女は水中ショーの最中に不慮の事故に遭い両足を失う。絶望に打ちひしがれ心を閉ざした日々を送っていた彼女は、以前ナイトクラブで自分を救ってくれた男・アリのことを思い出し、彼に連絡を取る。
【2021/08/14 16:40】  コメント(6) | トラックバック(4) | フランス・ベルギー カナダ
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コメント

コメントありがとうございました。
先日、コロナワクチン(モデルナ)1回目を打ってきました。遠い場所で巨大な施設でだったんですが、意外と人が少ないな…と感じました。
私は基礎疾患で早く打てましたが、段々年齢が下がっていくのかな。

「午後8時の訪問者」
これ、移民の町だからこその大変さが、ヒロインの女性の「仕事」を通じてものすっごく感じてしまいました。
彼女自身も、latifaさんが書かれているようにとにかく多忙。診療所だけじゃなくて訪問もやってましたもんね。
一応、医者だから動悸とかで「こいつ…何か知ってるな!」とかわかるところは面白かったですけど基本的にサスペンスではなくヒューマンドラマでしたね。
ほんと、あの助手の青年が戻って来てくれて良かった…。
maki  【 編集】  URL |   2021/08/14 23:12   |  TOP ▲ |


おはようございます。
コメント&TBありがとう♡

「午後8時の訪問者」ジェニー、多忙でしたよね。飾り気のないファッションにもそれがよく現れていたなあと思いました。
足を運び、直接確かめようとする彼女、どこまでも真面目でね、そこまでしなくていいのよ~~と思ってしまったけど。
サスペンスというより、ヒューマンドラマでしたね。


「君と歩く世界」
マリオン・コティヤール と マティアス・スーナールツなので気になっていたの。
てっきり感動もの!と思っていたけど、違う感じなのね。
  【 編集】  URL |   2021/08/15 10:58   |  TOP ▲ |


makiさん、こんにちは!
モデルナの方が、抗体が強いみたいですよ。私はファイザーを既に2回打ち終えたばかりです。
私の市は、結構ワクチンの接種が早いみたいです。

午後8時
そもそも終了時間が19時って事ですよね?
日本だと、18時の処が多いし、訪問やってくれる病院も私の近隣は全く無いです。
札幌だと病院多いから、もうちょっと状況違うのかな・・・。

ヒロインの女性が恋愛したり、たまに羽目を外して友達と飲んで騒ぐとかは無いのかな・・・
彼女には仕事をやりつつもプライベートも楽しんでもらいたいなあ。
latifa  【 編集】  URL |   2021/08/15 14:55   |  TOP ▲ |


瞳さん、こんにちは!
大雨、しつこく居座っているよね。日本各地で被害がありそうで心配だわ・・・。

午後8時
つい母親目線で見ちゃって、わが子がこんなに働いていたら・・と思うと、
そこまでしなくていいのよー、休んでーとか思っちゃいました。
ファッションは地味ながらに、毎日取り換えてましたね。

君と歩く世界
そうなのー、私もマリオン・コティヤールが出てるし表紙から受ける印象で
良さそうって思ったのに、全然違った内容でガックリ。
瞳さんは彼氏役の人も知ってたのねー。
この映画では、喧嘩は強いけど、ちゃらかったよ。
latifa  【 編集】  URL |   2021/08/15 15:18   |  TOP ▲ |


こんにちは。
アデル・エネルって、この人の作品は割とよく鑑賞するのですが、正直あんまり好みでないのですよ…いや、いい女優さんだとは思うのですが、どうも「ブルーム・オブ・イエスタディ」の印章が強過ぎるんだな…
ここなつ  【 編集】  URL |   2021/08/16 14:14   |  TOP ▲ |


ここなつさん、こんにちは!

ブルーム・オブ・イエスタディは、未見なんです。
そういうのを聞くと、逆に興味が湧いて、どんな映画なのか今調べちゃいました。笑
うーん、、いつか深夜かBSで放映することがあったら見てみようと思います。

医療関係で働く方、本当に頭が下がります。
自分の身近な身内にはいないので、なおのこと凄いな・・って尊敬してしまいます。
latifa  【 編集】  URL |   2021/08/16 17:15   |  TOP ▲ |


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君と歩く世界
いやいやえん (2021/08/14 23:03)
【概略】 南仏アンティーブの観光名所マリンランドのシャチ調教師ステファニーを突然襲った事故は、彼女の人生を一変させた。シャチの華麗なショーを指揮している最中に事故に遭い、両脚を失う大怪我を負ってしまったのだ。失意のどん底に沈んだ彼女の心を開かせたのは、5歳の少年のシングルファーザー、アリだった。彼は他の人々のように同情心でステファニーに接するのではなく、両脚がないことを知りながら彼女を海の中...


午後8時の訪問者
いやいやえん (2021/08/14 23:03)
【概略】 診療時間を過ぎている午後8時に鳴ったドアベルに応じなかった女医ジェニー。翌日、診療所近くで身元不明の少女の遺体が見つかり…。 サスペンス


「午後8時の訪問者」
Slow Dream (2021/08/15 10:59)
若き女医ジェニー。 まもなく、大きな病院に好待遇で迎えられる予定だ。 今は知人の老医者の代わりに小さな診療所を診ている。今度、勤める病院から歓迎パーティーの連絡電話を受けているときに鳴ったドアベル。しかし、時間は午後8時過ぎ、診療時間はとっくに過ぎていた。 応じようとする研修医をジェニーは止める。       <公式サイト ストーリーより>


「午後8時の訪問者」
ここなつ映画レビュー (2021/08/16 14:09)
人が、人として高潔である、自身の人生と他人の人生に対して等しく誠実である、それは一体どういうことなのか?ということが真っ直ぐに心に届く作品。ダルデンヌ兄弟の監督作品である。いつも心に抜き難い棘を刺す作品を送り出す。ただ、その棘は近年柔らかい素材でできたものになっているような気がしている。救いの光が一筋差してくる、というか。もちろん、厳しい中にも優しい感触があるのは昔からなのであるが、それ以上...


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