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「海を飛ぶ夢」感想と、星野富弘
umi

海を飛ぶ夢 (2004/スペイン) Mar adentro The Sea Inside
非常に考えさせられる映画でした。とても深かったです。
この映画を見ながら、星野富弘さんと、スーパーマンの俳優クリストファー・リーブさんの2人が頭に浮かびました。星野さんのことは、最後に書くとして、私がラモンだったら、、、と色々考えさせられる映画でした。フリア(ベレン・ルエダ)さんとの交流と2人の選択とを、からみ合わせて描いていて、とても引き込まれて見ました。この女優さんはモデルからドラマで活躍し、映画はこれが初出演らしいですが、若くないけれど綺麗な人だったな~。あの手紙の内容が知りたかったナ

同じ様な映画に「ミリオンダラーベイビー」がありますが、私は、こちらの「海を飛ぶ夢」の方が好きです。まっこうからドン!と腰を据えて、尊厳死と家族について、焦点を当ててじっくり描いているからです。私なら、ああいう状態になったら、きっともう死んでしまいたい・・・って思ってしまいそうです。ラモンの気持ち、解ります。でも、星野さんや、スーパーマンの人の生きざまを思うと、ラモンが死ぬのを選ぶのは逃げることなのかもしれない・・・とも少々思います。だからと言ってラモンの事を悪くなんて思わないし、ラモンが選ぶ気持ちもとても解ります。私なら死ぬのを選んでしまうかもしれないし・・・。ラモンの家族も、みんな良い人達でした・・・介護しているマヌエラ・・・(;_;)「俺はお前の奴隷だ、いや私達がお前の奴隷だ~」(←だいたいそんな感じのセリフ)と言い合いになる部分が、ガツーンと来ました・・・・

以下にアレハンドロ・アメナーバル監督のインタビューが載っていたのを一部抜粋します。偶然、私も監督と同じ様に思っていたので・・・。「もし自分がラモンだったらどうするか?」ってね。もし僕が彼だったら、僕は自分で人生に終止符を打とうとはしないだろう。これは現在の僕の気持ちだけれどね。でも、だからと言って、死を選びたがったラモンに「元気を出せよ! 生きていればいいこともあるよ!」と言えるかといったら、それは絶対に言えないと思う。ラモンのような状況だったら生を全うすると僕は言ったけれど、もし仮に耳が聞こえず、目も見えない状態だったら、死を選びたがるかもしれない。その時、他人から「君は生きるべきだ!」なんて言われたら、それこそ不公平に感じてしまうだろうね。movies.yahoo
この監督アレハンドロ・アメナーバルさんの他の作品では、「蝶の舌」「バニラスカイ」を見たことがあります。音楽も担当してるだなんて、多才ですねー。まだお年も若いんですね。

製作 監督 音楽 アレハンドロ・アメナーバル
出演 ハビエル・バルデム / ベレン・ルエダ / ロラ・ドゥエニャス / マベル・リヴェラ / セルソ・ブガーリョ / クララ・セグラ / ホアン・ダルマウ / アルベルト・ヒメネス / タマル・ノバス / フランセスク・ガリード

最後に、星野富弘さんのことを少々
星野さんは、中学校の先生で、クラブ活動の指導中、頸髄を損傷、首から下が麻痺してしまったんです。当時24才。しかし彼は、口に筆をくわえて、素晴らしい絵とメッセージを描くんです。とても有名な絵なので、ご存じの方が多いんじゃないかな・・・。JAFメイトの月刊誌の最初のページに毎号絵と文を載せていらっしゃいます。http://www.tomihiro.jp/星野富弘美術館hHP


私は、星野さんの本は、たいがい読みました。一杯画集やら本を出版されているので、タイトルはもう忘れてしまいましたが(^_^;)、最初に読んだのは「愛、深き淵より」だったかな・・・星野さんの小さい頃から、その事故に遭った時、入院・闘病中の様子、同室の仲間、お母さん、そして、奥さんのこと、絵が認められて行く様子等が書かれている自伝っぽい本が、本当に凄くて、壮絶で、そしてとても勇気づけられたんです。絶望しても、こんな風に活躍出来て結婚もして、すごいな~!って思いました。あの絵、あの文字を書くのに、凄く時間を費やしてるんですよね。
私は、もうダメだ・・って時に、この本を読むと、こんなことでメゲてちゃイケナイ!とそんな気持ちにさせられる本です。回りの人に薦めたものの、みんな興味が無いらしく・・・、いまだ星野さんについて誰かと話した事がありません・・・
【2006/06/28 18:51】  コメント(8) | トラックバック(10) | スペイン映画
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コメント

こんにちは。
私もこれ、昨年観た中で
一番印象に残った作品でしたわ。
観る前はどうしようかな・・・って
迷いもあったんだけど(なにせ尊厳死
だし・・)いまは観て本当に良かったわ。
<クリストファー・リーブさん>
私も頭に浮かんだわ。実は私
リーブさんの映画を一本DVDで
もっているんだけど(スーパーマン
じゃあナイヨ・・笑)その映画の
特典映像で
車椅子姿でのインタビューがあったの。元気な姿のときの映画のコメント
を事故にあってからするのってつらい部分もあるけれど、そんなこと感じさせないくらい、前向きに生きている
って感じが漂ってきていたわ。
だから、↑この映画のように
事故に合ったから、死を望むということが全面的に賛成とはいえない部分はあるの。だけどね・・もう1人の自分もいてね。やっぱり自分が当事者だったら生き続けることに意味を見出せなかったら、↑の彼みたいに
尊厳死望んじゃうかも・・とも
思ったりもするわけ。ともかく、迷いながらの
鑑賞でしたよ。
だから、↑のlatifaさんの感想に頷くことばかりでした。ほぼ同じよ。
そして・・私もミリオン~より
こっちを押すな。だって、ミリオン~
って後からどか~~~んと落とす
タイプの作品でどうも、その対比が
あまり好かんのです・・笑

そしてもう一人の
星野さんのことね。
私はお名前しか知らなかったのだけれど、latifaさんはかなりお詳しいのね。
なかなかああいう風には生きられないとよね。一番に精神力の強さが
必要だから。
そうそう・・実は今日歯医者に
行ったんだけど、そこに星野さんの
本がいくつかありましたよ。
いつもは、ドクターコトーとか読んでいるんだけど・・笑・・今日は、星野さんの本を手にとってもみました。
歯医者・・痛かったんだ・・泣。
ちょっと長くなったので
バット~に関しては後ほどコメント
かくね。
みみこ  【 編集】  URL |   2006/06/29 17:43   |  TOP ▲ |


おお~っ!抜けておりました。そうか~みみこさん、去年一番印象に残った作品だったんですねー!!

クリストファー・リーブさんの出演作品、DVDお持ちなのね・・・?そうか・・・特典映像、複雑な心境で見てしまいそうだわ・・・。でも、本当に偉いというか凄いというか、それしか言葉が浮かんで来ないのが、恥ずかしいんだけど・・・私ならそんな風に強く生きることが出来ないんじゃないかな・・・って思うから、ただただ尊敬してしまうよ。

歯医者さん、痛かったのね・・・可哀想なみみこさん・・・(;_;)歯医者いやだよね、すっごく解るわ~
私もなんかここんところ、ずっと歯医者通いが続いてるの。年を取った証拠なのか、どんどん歯にガタが来ちゃって・・・・
無痛治療とか一般的にならないのかな?この前雑誌で見たら、30分程度全身なのか?首から上だけなのか忘れたけど、麻酔で眠らせて、その間に治療出来るって方式もあるらしいの。ちょっと怖いけど、安全性が確証されたら、どんどんそれ取り入れて欲しいな。
歯医者さんに、星野さんや、ドクターコトーがあるなんて、素敵な歯科じゃない~!!私コトー先生も好きだよ。今度10月から続編がドラマで放映されるんだってね。同じ人が出るらしくて、嬉しかったよー。
私の行きつけの歯医者って、女性セブンがメインで。。。(^_^;)どういう歯科なんだか・・・
トラバありがとうね~~(*^0^*)


latifa  【 編集】  URL |   2006/06/30 07:42   |  TOP ▲ |


はじめまして。
星野富弘さん、わたしも大好きです。
絵が美しくて、その絵についている言葉がまた素晴らしいですよね。

ガク紫陽花の絵に「指輪はいらない」という書き出しで、奥様とのことが書かれているのですが、読んだとき涙が出ました。

そういえば、夫との初デートが美術館での「星野富弘詩画展」でした(^^)

「海を飛ぶ夢」は観たいのですが、涙々で見れなくなるんじゃないかと心配で(^^;
でも、いつか観てみたいです。
木蓮  【 編集】  URL |   2006/06/30 09:06   |  TOP ▲ |


木蓮さん、はじめまして♪
コメントどうもありがとうございます^^

星野さん、木蓮さんも大好きなんですね!!嬉しいです~。そうそう、絵も綺麗だし、その絵についてる言葉が、更に絵を引き立ててつつ、心に染みるというか。

>ガク紫陽花の絵に「指輪はいらない」という書き出しで
私もそれ、読みました。
星野さんの絵、幾つか、涙が出ちゃったものです。

え~っ。旦那さんとの初デートが??そうなんですかー!!!いいなぁ~!!!
家の旦那は、そういうの気恥ずかしくてダメだ・・・って人なので・・・

海を飛ぶ夢は、それほど涙をさそう映画って訳ではないです^^
一カ所、うるっと来ましたが、お涙頂戴映画からは、かなり遠い表現をしているのが、また素敵ですよ♪

もしご覧になられたら、是非木蓮さんの感想も拝見させて頂きたいナ☆
latifa  【 編集】  URL |   2006/07/01 10:52   |  TOP ▲ |


この映画、見ました!

星野富弘さんは知りませんでしたが、ふと気付いたら、ぁ、そうか何か見たこと?聞いたことあるなと思ったらR122沿いで。
富弘美術館の前をバイクでツーリング中に何回か通ってました。
暖かくなったら今度よってみようかななんて。
motti  【 編集】  URL |   2007/02/05 18:45   |  TOP ▲ |


mottiさん、こんにちは!
星野さんの美術館って、そうかー、mottiさんのお住いの所から、ちょっと足を延ばせば行ける距離なんですね!!!いいなー!!私、すごく行ってみたいんですよ。

でも、たぶん行けそうもない・・・。
なぜなら、旦那や子供は、星野さんの作品に、とりたてて、何~も感じないみたいだし、両親は、あの手の作品とか、とても苦手・・・って言うんです。好きで興味あるのは私だけなので(+_+)
latifa  【 編集】  URL |   2007/02/06 08:49   |  TOP ▲ |


latifaさま、こんにちは。
この映画、とても考えさせられました。
『潜水服は蝶の夢を見る』っていう映画がもうすぐ公開(大阪は16日から)なので、その前に観ておいたら・・・とある方にオススメいただいて、今頃観たんです。
監督の言葉、深く頷いてしまいますね。
星野さんは、JAFの機関紙(毎月送られてくる)にも寄稿されているんですよ。
本当に美しい魂を持った方なのだな・・・といつも思いながら絵と文を見ています。
その自伝も、読んでみたいです!
ではでは、また来ますね。
真紅  【 編集】  URL |   2008/02/12 09:53   |  TOP ▲ |


真紅さま~、私も『潜水服は蝶の夢を見る』は見に行く予定なんです☆
ちょっと遅れてだけど(2月末)、珍しく結構近所のシネコンに来るんですよー♪

>その前に観ておいたら・・・とある方にオススメいただいて
 確かに!良いかもしれない・・・。似たようなジャンルだものね・・・。私はこれと、「ジョニーは戦場へ行った」と乙一さんの「失はれる物語」(やっぱり体が全く動けなくなっちゃう話し)は、どれも凄く印象的なのです。あ~~怖すぎるよぉ・(;´_`;))

>星野さんは、JAFの機関紙(毎月送られてくる)にも寄稿されているんですよ。
 しってま~~す(*^_^*)  真紅さまも、JAFメイトなのですね^^ 私もなんですよ。長年入ってるうち、お世話になったのは、2回だけだけど、安心ですよね☆
latifa  【 編集】  URL |   2008/02/12 21:23   |  TOP ▲ |


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