![]() 私がアンドレイ・タルコフスキー監督の映画に出会ったのは、たぶん1983年くらいだっただろうか・・・。 「鏡」を見に行きました。 見てすぐに、ガツーーーーン!!と私のツボのストライクゾーンに来まして。何と表現すればよいか、映像とか雰囲気とか音楽とか、全体に漂う雰囲気が、私の好みでした。 どんな雰囲気か?といえば、なんか暗くて、淋しい、ノルタルジーな雰囲気、抑えた色あいに荒涼とした雰囲気で、それでいてじ~んとする映像というか。 ![]() こりゃ凄い!と、その日から、タルコフスキー監督の作品を片っ端から見る様にしました(と、言っても当時はビデオ屋さんにタルコフスキーの作品が並んでおらず、あちこちの自主上映なんかや、ミニシアター系の映画で情報をチェックして)とにかく、彼の作品は、殆ど全部見ました。 驚いたのは、惑星ソラリスにしても、鏡にしても、1972年とかそんな昔に作られた作品なんですよね。ローラーとバイオリン、僕の村は戦場だった(1962年)は、なんと私が産まれる前の作品ですよ@@ でも「内容がわからんくてつまらん」とか「寝た」とか言う方もいらっしゃるようで・・・私も鏡を見た時、内容が良く解った訳じゃないです。でも理屈抜きで、あの世界というか映像美に惚れてしまったという感じです。 タルコフスキー作品を見る前の私は、ロシア(当時はソ連)という国に 対して、なんだか訳わからない怖い国・・・って印象があったんですよ。それが、タルコフスキー作品を見てから印象が変わってしまいました。その後10年経って、セルゲイ・パラジャーノフ監督を知ってから、更に印象は変わります。(今はグルジア共和国ですが) ![]() タルコフスキー監督の作品は、似た雰囲気や、似たシーンが時々出て来ます。故郷の山の中の古びたお家、寒そうな緑の風景、雨のシーン、雨粒のシーン、火のシーン、コムデギャルソンっぽい雰囲気のお母さん、宗教音楽(これが、また選曲最高!)どれもこれも、印象的で、大好きです!! そして、悲しいことに・・・私がファンになって、しばらくして死んでしまいました。遺作である「サクリファイス」だけしか、ロードショーのちゃんとした映画館で見る事が出来なくて...もっと作品を見たかったのに・・・本当に残念。 経歴、フィルモグラフィー等↓ (Андрей Арсеньевич Тарковский(1932年4月4日~1986年12月28日) 1932年4月4日ヴォルガ流域のイワノヴォ地区、ユリエヴェツの近郊ザブラジェで生れる。父は詩人のアルセニー・タルコフスキー。しかし父親は早くから家庭を捨てて暮らすようになっていたため、主に母親に育てられる。1954年、全ロシア国立映画大学に入学し映画を学ぶ。その後中編「ローラーとバイオリン」長編「僕の村は戦場だった」を監督し高い評価を得るが、続く1967年に監督した「アンドレイ・ルブリョフ」の歴史解釈を巡ってソ連当局の激しい批判を浴び、5年もの間上映を禁止される。そしてその後いくつもの映画の企画を当局に提出するもまったく相手にされず、なんとか「惑星ソラリス」「鏡」「ストーカー」を過酷な状況の下で撮影するが、本国ではほとんどまともに上映されない状態が続く。しかし、逆に映画祭への出品を通じての国際的な名声は高まる一方だった。 ![]() 当局のあつかいにたまりかねたタルコフスキーは、イタリアでフェデリコ・フェリーニの映画に脚本として関わっていたトニーノ・グェッラを起用して「ノスタルジア」を撮影終了した直後の1984年に、ソ連からの亡命を宣言。続いてスウェーデンで主にイングマール・ベルイマンの映画に携わっていたスタッフを大々的に起用して「サクリファイス」を監督。しかし撮影終了前後に癌に冒されていることが発覚し、そのまま入院。新たにソ連に就任したミハイル・ゴルバチョフ書記長が公式に名誉回復を宣言するも、時すでに遅く1986年12月28日にパリで客死。 主に「世界の救済」をテーマに、犬や水や馬や火などを象徴的に配して独自の映像美を追求した寡黙な作品群は、全世界に熱狂的なファンを持つことで知られる (フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』さんより使わせて頂きました) 出所はこちら 作品リスト ローラーとバイオリン(1960年) 僕の村は戦場だった(1962年) アンドレイ・ルブリョフ(1967年) 惑星ソラリス(1972年) 鏡(1975年) ストーカー(1979年) ノスタルジア(1983年) サクリファイス(1986年) アンドレイタルコフスキー映画祭、以前開催されていたのですね。 こちらでは、作品全部にそれぞれ内容、写真が見れるようになっています。すごく綺麗に整理されていて、すごいサイトです こちら本文中に使われている写真も使わせて頂きました ペコリ (追加) 後日ジョニーテップと、クリスティーナ・リッチの映画「耳に残るは君の歌 THE MAN WHO CRIEDに、『鏡』に主演し、『ノスタルジア』(83)にも主演していた俳優さん、オレグ・ヤンコフスキーが出ていました~~! タルコフスキー監督が死去された事を伝える新聞記事(私の旦那が所有してました(^^;)) 1986年12月30日のものです(2日遅れで日本で報道されたようです) ![]() クリックすると拡大します↑ |
僕はタルコフスキー「サクリファイス」に次いでまだ2作品目なんですよね。
あ、そうだ、そっちもTBさせてもらいますね^^ノ 共通して水や火、廃屋が多く登場するのでしょうか。 その融合がなんとも美しく、1このコスモスを感じさせます。 あと長回しも多用してますかね? 「ノスタルジア」はまさしく郷愁に駆られました。 それでいて長回しに恐怖をおぼえました。 現象さん、こちらも、どうもありがとうございます^^
そうそう、タルコフスキーさん、水・火・廃家(廃墟)大好きみたいです。 何度も繰り返し出て来てます☆ 長回し、すごい多用してます。 私の世代(なんていうと、ババ臭いけど、しょうがないっす)は、タルコフスキーや、旅芸人のテオ・アンゲロプロスが、凄い人!って思ってた人が多い様な気がします(^^;) そうそうそう!
僕も鑑賞中にアンゲロプロスを思い出して比較しました。 共通点が多いですよね。 長回しを多用するし。 タルコフスキーのほうが哲学的、 アンゲロプロスのほうが叙情的といったところでしょうか。 現象さん、こんにちは~!またどうもです^^
あ~やっぱり、テオ・アンゲロプロス浮かびましたか。 でもね、昨日思ったんですが、今、初めてこれらを見たら、どうだったかなぁ・・・って。私が見た頃は、長回しの映画って、珍しくて、ああいうミニシアター系??の映画も珍しくて・・・。なんてたって、ハリウッドものか、もしくは、フランスもの、日本ものしか、あんまり無い?感じの時代だったんで・・・。 でも今は、色々な映画を沢山見られるし・・・もうかなり目が肥えてしまっている現象さんみたいな方が、今タルコフスキーとか見たら、もしや、それほどでもないかもなあ・・。話題になってるよりは・・・とか思うかもしれないな~って思ったり・・・^^ こんにちは。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。 映画「ノスタルジア」もとりあげました。 よかったら、寄ってみてください。 http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611 コメントありがとうございました。
以前にもお声をかけて頂いて、kemumemuさんちには、お邪魔したことがあります。 また立ち寄らせて頂きます。 こちらにも。
うちの図書館にはいくつかあるので 懲りずにまた借りてきました。 内容難しいところもあるのだけれど、 映像と音楽を見ているだけで 落ち着くのですよね。なんだかプライベートが相当疲れているような 感じですね・・・笑 それにしても劇場でご覧になっているとは・・凄いわ。私も若いときに こういった作品に出会っていたら もうちょっと違った風になっていたかな・・ あ・・・↑とは関係なく別作品でお話したいものがあるのだけれど、感想書いていないので今度またお邪魔しますね・・ では良い週末を~~♪ いいなぁ~みみこさんのところの図書館!私んちは、旦那がコレクターだったものだから、タルコフスキーの映画は、結構手元にあるのだけれど、ソラリスは無いんだ~。ソラリスは、奥さん役の女優さんが、タルコフスキー映画!って感じの、影のあるクールな美人でしたよね。で、ジョージクルーニー版の方は、あの「ラヴェンダーの庭の中で」だっけか?あれに出てた女優さんで、なんか、ちょっと違和感が。
でも、タルコフスキー版の男優さんは、おっちゃん(爆)っぽい人で、いまひとつカッコ良く無かった記憶があるんだ。 そうそう!私も音楽とか、風景(日本で撮ったのよね☆すごいよね)とか、好きでした。まったりと見ました。 でも、みみこさん、なにか、あったのかい・・・?なんとなくお疲れモードとかって言っているし・・・学校の事やら何やらかな・・・。 うん!また別のやつ、楽しみにしていまーす♪ こんばんは、latifaさん、お久しぶりです!
なるほど、タルコスフキーの火や水、森などの自然の風景は、世界の救済をテーマにするが故といえるのですね。 私は集合的無意識が描かれていること、それらの境界線を失わされることが、芸術が世界を一つにするってことかなあなんて、勝手に考えました。なのでこの理論は納得がいきます。 現象さんのコメント、相変わらずいいですね。 アンゲロプロスは、昔に背伸びして見ました、全然意味分かってなかったですけど、すごく面白かったですね。 タルコスフキーの長回しにはやられます。 全部見ないといけませんね。 とらねこさん、こんにちは~!
アンゲロプロスにしてもタルコフスキーにしても、私はハッキリ映画の意図とか解ってた訳じゃ全然無いんです(^^;) ただ、圧倒的な映像に感動しちゃった・・という感じで・・。 でもね、割と最近、アンゲロプロスの作品を見直してみたら、だ~るくって・・・。若い時の方が今よりもむしろ気が長かったのかな?なんて思ったりする今日このごろです。 |
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CHEAP THRILL
(2006/08/05 23:54)
8月2日(水)この日も過ごしやすい一日。こんな感じでひと夏すごせたら理想的だ。17時50分に終業後、西新橋にあるネットスクウェアに行き、パソコンをいじる。18時半過ぎに店を出る。三田線の内幸町駅から日比谷へ。19時少し前にシャンテ・シネ4階に。前の日は7割くらいだっ
ソウウツおかげでFLASHBACK現象
(2006/11/27 20:02)
アンドレイ・タルコフスキーの美しい映像はどこか幻想的で、恐怖心を煽らせる。1カットは執拗に追うことで狂気を帯びた。石畳と古い建造物、それにもやがかかるだけでこの世に見えない。殺伐として精気を感じさせない演出がまた現実離れを思わせる。ロシアの作家アンドレイ
ソウウツおかげでFLASHBACK現象
(2006/11/29 07:56)
固定されていると思ったらカメラはゆっくりと動き、冒頭の1カットは悠然と海に面した大地を舐めて、老人と子供、その老人に手紙を届ける郵便配達人を捉えた。老人アレクサンデルは1本の枯れ木を植えて、ある寓話を子供に唱える。口が聞けないその子供に水を毎日やれと促し
レザボアCATs
(2008/09/07 15:28)
\'83年イタリア監督:アンドレイ・タルコフスキー脚本:アンドレイ・タルコスキー、トニーノ・グエッラ出演:オレグ・ヤンコフスキー、エルランド・ヨセフソン、デリア・ボッカルド、ドミツィアーナ・ジョルダ
ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋
(2009/05/06 20:06)
「ストーカー」-廃墟のピクニック。
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆
ブログランキン...
~青いそよ風が吹く街角~
(2010/05/15 09:24)
1983年:イタリア+ソ連+フランス合作映画、アンドレイ・タルコフスキー監督、オレーグ・ヤンコフスキー、エルランド・ヨセフソン、ドミツィアーナ・ジョルダーノ、パトリツィア・テレーノ、ラウラ・デ・マルキ出演。 ≪【ロシアが生んだ奇跡-タルコフスキーとカネフス... |