「ある子供」感想 ダルデンヌ兄弟
日本公開時、「自分のを子供を売ってしまう」若き父親というショッキングな宣伝文句が印象に残っていたジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ兄弟の映画。カンヌで賞を取ったんですよね。
一言で言ったら、主役の男は、まだ全然子供な男。タイトルの「ある子供」は彼の事でしょうね、きっと。でも、「子供が子供を育ててる」というのは、日本でもそして外国でもよくあることの様で・・・。別に10代だから、年齢が若いから、子供なわけじゃなく、30過ぎても頭の中が子供な大人もいるわけで、10代でも責任感持って愛情込めて立派に育てている人もいるわけで・・・。
00
 
私は、「この赤ちゃん売っちゃってもいいか・・」って思っちゃう人がいても、不思議じゃない、って思います・・・。この映画の場合は父親側ですが、既に子供がお腹にいる状態を10ヶ月間過ごして、死ぬほど痛い出産してる母側とは、産まれて来たばかりの時に限っては、思い入れとかが違って当然じゃないかな・・・。妊娠が解った日から出産の日までを、楽しみだ~♪ってワクワクしていた人や、元来子供好きじゃない限りは、最初の日からいきなり愛情持てるわけじゃない。突然やってきた不思議な生物って感じかもしれません。
愛着ある物だと簡単に人に売ったり出来ないけれど、まだつい何日か前に手元に来たばかりですからね・・・。
 「子育てしながら、親になる・・・」っていう言葉、すんごく自分が親になって解る言葉です。きっと主人公の男も、子供が3才だったら(その3年間育児にたずさわって来ていたらの場合ですが)、簡単に売ることは出来なかったと思いますよ。
でも、やっぱりそれでも、最低限の責任感というか持って欲しいですわ。

だいたい、彼は出産後、一度も病院に様子を見に来てないことからも、全然子供、そして、彼女に愛情を持ってないことが最初からうかがえます。あの男の母がちょっと出るシーンがあったのだけれど、息子へ愛情注いで育てて来なかった様な気配を感じたしな・・・。

私は、彼女が彼を許すだろうか?ということに一番興味があって、そこを追いながら見ました。彼は彼女に追いすがるんですが、それは彼女が本当に好きだからという風には見えなかったです。だって最後の嘆願の言葉って、「お腹減ったからお金くれない?」でしたもん(-。-;)。

 でも、このダメ男に、ダメ女って気も・・・。2人ともまだ子供。
こんなダメ男の父親でも良いと思って産んじゃったわけで・・・。彼女は別に子供が欲しくて作った訳じゃなく、なんとなく出来ちゃったから、産んじゃった気がする。
多分ダルディンヌ兄弟の事だから、ラストは悲惨には終わっておらず、希望があるんだろうな~と思って、深刻な内容ではあるけど、きっと大丈夫なんだろうな(←何が?)、なんて・・
★以下ネタバレです★文字反転してください
最後彼女が刑務所に会いに行くわけです。2人がオイオイ泣きながら手を握り合うシーンで終わるんですが、彼女少なくとも拒否してるように見えなかったから、やりなおす様な、、そんな風に私は受け止めました。でも、多分あの男、改心しないだろうな~。あの2人の行く末は・・・そして、あの2人の間に産まれた子供も苦労するんだろうな・・・。★以上

ある子供 (L' Enfant)
2005年 ベルギー・フランス映画
脚本・監督 ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
出演者 レニエ(ブリュノ役) デボラ・フランソワ(ソニア役)
オリヴィエ・グルメ(私服の刑事)
【2006/10/05 09:28】  コメント(8) | トラックバック(7) | フランス・ベルギー カナダ
TOP ▲HOME
 
<<「アバウトラブ」3つの短編映画 チェン・ボーリン | ホーム | 「イノセント・ボイス 12歳の戦場」予備知識無くても解る戦争映画 ★4つ半>>
コメント

latifaさん、こんにちは♪
ダルデンヌ兄弟作品は初めてでした。
この作品とてもキツかったです。
イライラしっぱなしでした(笑)
ラストもね、一応彼のこと信じてあげたいけど、信じきれないんだなぁ。
私みたいな「信じてあげられない」大人がいるから彼らもなかなか復帰できないのかなと思いつつ・・。

先日の「フルモンティと~」の記事へのコメントを読ませていただいて嬉しくなってしまいました。
映画の感想って本当に十人十色ですが、似たような感想を持つ方がいらっしゃるとそれだけでうれしいですよね。
もちろん正反対の感想も参考にはなるのですが。
今年は「嫌われ松子」の時に結構肩身の狭い思いをしました(笑)
latifaさんはご覧になりましたか?
ミチ  【 編集】  URL |   2006/10/05 12:08   |  TOP ▲ |


ミチさん、こんにちは☆
わ~い(^O^)ありがとうございます!

>私みたいな「信じてあげられない」大人がいるから彼らもなかなか復帰できないのかなと思いつつ・・。
 ↑お優しいっ!ミチさんって、ほんと寛容で優しい方だな~って、言葉の端に感じます。私なんて、ダメ過ぎ!ってムッとしながら鑑賞してしまいましたもん・・・。
確かにこの少年だけじゃなくて、こういう犯罪に手を染めてしまう子って、その子のこと誰も信じてあげない(どうせ改心出来ないに決まってる・・って)ことで、どんどん、なおさらひねくれて、人間全て不信になる⇒また犯罪犯す という図式が出来上がっていそうですね・・・。信じてあげたいけど、でも、あまりに悲惨な許し難い少年犯罪も最近増えてるのも、またしかり・・・。

フルモンティの・・・ちょっと照れますが、でも本音です^^
そうそう、正反対のレビュー異論反論、私も大歓迎なのです。とっても参考になるので大好きです。
 映画のレビュー幾つも拝見させて頂いて、殆どが似たような感想とか、心に残ったポイントがまたまた同じ!って事が多いと、すんごく嬉しくなっちゃって・・・。でも普段同じなのに、たまに全然違うと、それがまた、とっても興味深くておもしろかったりします。

松子、まだ未見なのです。絶対みたいと思っているので、待っていて下さい!私は殆ど映画館に行けないので、半年くらい遅れてのレビューが殆どになってしまうのですが、今後もどうぞよろしくお願いします~☆
latifa  【 編集】  URL |   2006/10/05 19:04   |  TOP ▲ |


こんにちは★

おバカ主人公でしたねぇ~。
見てて凄く可哀想になりましたよ。

彼はきっと愛し方が分からなかったのでしょうね。
親にも責任があるのかも。

ラスト、私もlatifaさんと同じ意見です。
絶対、彼は改心しない!!

一番可哀想なのは、彼らの子供ですよね。

話は変わりますが、嫌われ松子、私は好きでした。
エンタメ性に富んでて面白かったと思いましたよ。

latifaさんは、どんな意見を持つのか楽しみだなぁ~。

それと、イノセント・ボイス、私も観たいと思ってたんですよ~。
近々鑑賞予定なので、観たらまたコメントしに戻ってきますね!!
マイコ  【 編集】  URL |   2006/10/11 11:18   |  TOP ▲ |


マイコさん、こんにちは~!
おっ、マイコさんもご覧になられていたのですね☆
今、さっそくレビュー拝見してきましたぞ。
同じー!!同じ!! そうそう、そうだよ~と、またまた嬉しくなってしまいました。(勝手に似てるとかずうずうしくも言っちゃってすいません・・・)マイコさんとは、年齢もずいぶん違うのに、どうして、こうも思う処が似てる事が多いのか?と怖ろしくなることが多々あります(^^)
latifa  【 編集】  URL |   2006/10/11 15:27   |  TOP ▲ |


えてして男は甘い女性に対してつけあがるものです。
しかし自責の念を持っただけでも彼にとって大きな進歩ではないでしょうか^^;
自分に子供ができたらどうなるだろうなぁ。
子供は好きだし欲しいと思うこともあるし、
しかし現実味を帯びていないので、
僕にはまだ父性は備わっていないと思われます。
こないだ30になりましたがまだ子供ですw
現象  【 編集】  URL |   2006/10/12 01:50   |  TOP ▲ |


現象さん、こんにちは!
>男は甘い女性に対してつけあがるものです
 ギクッ!そうですね・・・。逆(甘い男性に女性はつけあがる)も有りですが。あまり甘くならないように心がけないとなりませんな(^^;)

え~っ!現象さんって、まだ30才なんですか@@ 若いっ!!!!羨ましいです・・・。私が子供産んだ年齢ですよ。私なんていまだに頭の中が大人じゃない気がします。ホントに。中学校の頃とあまり思考回路とか思うこと変わってないみたいです。
latifa  【 編集】  URL |   2006/10/12 08:41   |  TOP ▲ |


latifaさん、こんにちは!
全記事リストの「あ」から来ました。
「アフタースクール」・・私は好きだったので覗きましたが、
latifaさんはあまりお気に入りじゃなかったようで・・・(^_^;
こちらの「ある子供」にお邪魔しました。
妙に心に残る作品じゃなかったですか?

latifaさんも書いてますが、やっぱり男女では子供に対する
気持ちが異なるのは不思議じゃないですよね。
本当に子育てしながら親になるわけですが、
それにしても二人のダメっぷりはハンパじゃなかったですね。

彼らが成長するには時間がかかるでしょうし、
周囲の大人たちの見守りも必要だと思いました。
YAN  【 編集】  URL |   2009/07/22 14:40   |  TOP ▲ |


YANさん、こんにちは~!
わ~~全記事リストの「あ」から来て下さったなんて・・・(^○^)ありがとうございます
「アフタースクール」はね、面白かったには面白かったのですが、内田監督のそれ以前の作品の「運命じゃない人」が、すんごい好きで面白かった為に、最初から期待が激しく大きく、そして「運命じゃない人」の方が個人的に最初に見たってこともあって衝撃も大きかったせいで、アフタースクールがちょっとかすんでしまった・・・んですよ。もし最初にアフターを見て、その次に運命~だったら、違って見れたのかもしれません。YANさんちで、運命じゃない人を検索したらヒットしなかったのですが、いつか是非ごらんになって見てください☆

「ある子供」ね・・・・。はぁ~っ、、、思い出すと、結構憂鬱になる映画ですよ・・・。この映画の主人公の女の子が、去年だか見た「譜めくりの女」ってフランスの静かなサスペンス映画に、ちょっとセクシーな、でも怖い女の子役で出演していてインパクトあったんです。この映画、ベルギーでしたっけ・・・。 懲りないだろうな・・・また犯罪重ねて行くんだろうなあ・・・という風に見てしまいました。この監督さんの映画って、淡々としてるけれど、結構重いですよね・・・。
latifa  【 編集】  URL |   2009/07/22 16:47   |  TOP ▲ |


コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://latifa.blog10.fc2.com/tb.php/259-a1778a90

映画「ある子供」
ミチの雑記帳 (2006/10/05 12:02)
映画館にて「ある子供」2005年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。18歳のソニア(デボラ・フランソワ)と20歳のブリュノ(ジェレミー・レニエ)の若いカップル。まだまだじゃれあっていたい年頃の彼らに子供が生まれた。望んで生まれた子なのか、望まないのに出来ちゃった


ある子供@恵比寿ガーデンシネマ
ソウウツおかげでFLASHBACK現象 (2006/10/12 01:38)
適材適所に充てるキャスティング。日本で公開されたダルデンヌ兄弟の4作品全てに、オリヴィエ・グルメは出演している。分厚い眼鏡と屈強な体つき、それは紛うことなく彼だとすぐに分かるのだが、主人公ブリュノを演じたジェレミー・レニエが「イゴールの約束」のイゴールだ


ある子供&イゴールの約束&ロゼッタ
茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~ (2006/12/09 00:19)
ベルギー映画監督のダルデンヌ兄弟特集、カンヌ国際映画祭で高い評価を得た不思議な感覚の映画だよね、・・かたくなだけど、リアルに必死に生きていく・・映画『ロゼッタ(1999)』原題:Rosetta キャンプ場のトレーラーハウスで母親と暮らすロゼッタ(エミリー・デュケン


映画:ある子供(★★★☆☆)
新・ぴゅあの部屋 (2007/02/17 23:54)
2005年、ベルギー&フランス。「ある子供」(★★★☆☆)監督:ジャン・ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ。一夜の宿にも困る貧乏カップルに、赤ちゃんが出来る。手持ちの物を売っては、その日の生活をやりくりする日々が続くが、...


『ある子供』
京の昼寝~♪ (2007/02/18 11:25)
痛みを知ること、やさしくなること。&nbsp;■監督 ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ■キャスト ジェレミー・レニエ、デボラ・フランソワ、オリヴィエ・グルメ□オフィシャルサイト  『ある子供』    ブリュノ、20歳。ソニア、18歳。 二人はソニアのアパ


ある子供
☆彡映画鑑賞日記☆彡 (2008/05/09 20:08)
 『痛みを知ること、 やさしくなること。』  コチラの「ある子供」は、2005年カンヌ映画祭でパルムドールを受賞したPG-12指定のヒューマン・サスペンスです。監督のダルデンヌ兄弟のパルムドール受賞は「ロゼッタ」に続いて2度目で、それは史上5組目だそうです。  


ある子供
RockingChairで映画鑑賞 (2009/07/22 14:42)
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ リュック・ダルデンヌ 製作:2005年 ベルギー・フランス 出演:*ジェレミー・レニエ *デボ...


| ホームTOP ▲ |