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「スタンド・アップ」North Country 感動したけど・・・
以前面白く見た「クジラの島の少女」の監督の作品ということと、実話ということで楽しみにしていました。 見た感想は、正直あんまり期待してなかったのだけれども、予想以外に、感動してしまった映画でした。
主役の美人、シャーリーズセロン、凄く演技が上手くて、引き込まれました。こういう、たった一人の弱者が勇気を持って、立ち向かう!とかって内容に、とっても弱い自分・・・。

この、ミネソタ州北部で起きた、アメリカ初の、セクハラ集団訴訟「エベレス鉱山vsルイス・ジョンソン裁判」は、1984年に訴状の提出をして、和解が成立したのが、1998年、14年もの時間を費やしたんですね・・・。そんなに古い話じゃないのですよね。

私が借りて見たDVDには、特典映像がついていて、この主人公のモデルとなった、ルイス・ジョンソンさん本人や、同僚の女性もインタビューを受けて出ていました。ルイス・ジョンソンさんは、もうお若くはなかったものの、彼女が若かったら・・・と想像すると、かなり可愛くてモテただろうなぁ・・・と思いました。

多分、この田舎町で、自分一人の稼ぎで、子供2人を育てられる様な職場って、限られているんだろうな~と思って見ました。
だって、普通自分の父親が働いており、しかも、女性が歓迎されてない職場に、自ら望んで働く人は、よっぽどの事だったんだろうな~って推察。でもね、あの息子の試合を見に行って、パスをもらえないのを見た時、(こういうの、一番ユルセン!!)そこまでして、もうあの職場で働くことないんじゃないか・・・?って私なんかは、つい思っちゃって・・・。 
経済的には、かなり苦しくなったとしても、違う職に就いた方が、子供も両親も、こんなに辛い思いをしなかったんじゃないか・・・?って見ている自分もいたりしました。この当時のこの街で、どれだけの職を選択することが出来たのかは解りませんが、この街じゃなくても、他の都市に出て行くという方法もあったわけで・・・。

 だから、この映画の勢い?に、感動させられながらも、心のどこかで、それが引っかかっていたんです。実話だから変えようが無いけれども、もしも、このお話が、何かの事情で、この鉱山でしか働くことしか絶対出来なかった・・・って前提でだったら、5つ☆だし、大感動していたと思うんです・・・。 そういえば、確か、アメリカで、アイスホッケーってお金持ちの子供しか出来ない、スポーツって聞いたことがあります・・・。

★以下ネタバレ★文字反転して下さい
お父さんがね~、最初のうち、ヒドイなーって思っていて。
彼女、高校時代に教師にレイプされたこと、ご両親にさえも、言えなかったのね・・・・(T_T) あの土地柄、何かとても敬虔で厳しいキリスト教の風土だったのは感じられたのだけれど・・・。父親が誰だか解らないって言われたら、そりゃ~普通、色々な人と・・・って想像されちゃいますよね。実の親にさえ、レイプで出来た子供だと隠しつつ生きて来た彼女を思うと、悲しすぎます。自分が親なら、正直に言って欲しかったです・・・(T_T) もしも、レイプされて出来た子だって教えてくれてたら、あのお父さんだって、娘に、あんな風な態度を長年取ることもなかったんじゃないのかな・・・?

でも、お父さんが、壇上に上がって、マイクを変わりに受け取り、「自分の娘だったら、どう思う?」等と言ってくれた時は、やっぱり、泣けてしまいました。出来たらもうちょっと早く、お父さん、何とか娘をヘルプしてあげて欲しかったんだけどもね・・・。
でも、とりあえず、お父さんが同じ職場にいるって事で、あれでも、少しは遠慮するヤカラもいたのではないかな? もし父さえも、あそこに働いていなかったら、もっと風当たりが激しかったかも。

で、あの卑怯者の元彼氏、ありゃクズですわ。何十年ぶりに、故郷の職場で再会し、あれですか?? どーゆー神経の持ち主なんだか・・・。
あの人、どこかで見たことがある・・・って思ってたら「ロードオブドックタウン」のお金持ちのご子息で手術受ける、あの子ですよね?!彼が最後に寝返ったのは、ちょっとあれ??って思いました。
以上

確か1990年頃に、セクハラという言葉が職場でも耳にするようになったけれど、80年代中盤までは、ここまでヒドイのは珍しいとしても、結構今じゃ問題になるような事が、職場でまかり通ってたなぁ・・・と思います。私も以前80年代、働いていた職場で、すごく嫌な事や、今じゃ訴えられるぞ!的な事も、別に普通にまかり通ってました・・・・。

原題は、North Countryで、邦題は、スタンド・アップ。邦題は原題とかなり変えていたものの、なかなか合ってる・・というか、パワーを感じる?タイトルだった気がしました。

監督 ニキ・カーロ
脚本 マイケル・サイツマン
音楽 グスターボ・サンタオラヤ
出演 シャーリーズ・セロン / フランシス・マクドーマンド / ショーン・ビーン / リチャード・ジェンキンズ / ジェレミー・レナー / ミシェル・モナハン / エル・ピーターソン / トーマス・カーティス / ウディ・ハレルソン / シシー・スペイセク

(内容・あらすじ)
1989年、ジョージーシャーリーズ・セロンは夫の暴力に耐えかねて、父親の違う二人の子を連れて、故郷の北ミネソタの町に帰ってきた。そこで旧友のグローリーフランシス・マクドーマンドに誘われて、子ども二人を養えるだけの高収入が得られる鉱山で働くことにした。1975年に初めて鉱山に女性労働者が誕生したが、鉱山は「男の職場」だった・・・。

⇒以前書いてた記事クジラ島の少女 WHALE RIDER 世界のポスター集めと感想
【2006/12/08 13:17】  コメント(6) | トラックバック(8) | アメリカ映画
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コメント

序盤からずっと嫌なかんじだったお父さんが壇上に上がって、マイクを受け取り、「自分の娘だったら、どう思う?」ってたちあがるところ...僕もそこがよかった!
もっと早くそうしてあげればというlatifaさんの意見ももっともなんですが、本能的に最初から娘の味方になっていた母親に比べ、あの親父は頑固な石頭の昔堅気の炭鉱夫であり、保守的な考えしかもたない哀れな男であって、あの瞬間に自分に正直になった...気の毒で不器用な人間なのだな...と妙に納得できました。
motti  【 編集】  URL |   2006/12/08 13:50   |  TOP ▲ |


mottiさん、こんにちは!
mottiさんも同じ処が良かったみたいで、嬉しいです。

>あの親父は頑固な石頭の昔堅気の炭鉱夫であり、保守的な考えしかもたない哀れな男
 そうそう、そうなんですよね。でも、そういう人だからこそ、あのシーンが、より感動させられてしまう・・・っての、私は、あったりしますw リトルダンサーのお父さんとかもそうでしたよね・・・。
どうも、この手のオヤジ・・・を、何故か憎めないというか・・・、そういう人が、気持ちを変える瞬間、みたいのに弱いところがあります。(映画でね)

でも実際に自分の身内がああいう人だったら、キツイかもしれません(^^;)
latifa  【 編集】  URL |   2006/12/08 17:53   |  TOP ▲ |


latifaさん、こんにちは♪
この手の映画を見ると怒りでぶるぶる震えてきちゃいます。
で、コーフンした挙句に星5個つけちゃいました(笑)
レイプにあったこと自分だったら親に言えるかな~と考えるとやっぱり言えないかもしれない・・・。
人に話すということはもう一度その状況を思い出しちゃうし耐えられないかも。
特にあの時代の道徳観念とか宗教的なことをかんがみると「言えやしない」っていう感じだったのかなぁ。
普通の職種よりもあの職場の方がどのくらい高給取りなのかを説明してくれればもっと納得できたのかもしれませんね~。
ミチ  【 編集】  URL |   2006/12/08 23:41   |  TOP ▲ |


ミチさん、こんにちは~!
解ります。映画見た直後の勢いや興奮度って、ありますよね。
逆に見た直後は、いまいちかなぁ・・・なんて思ってたけど、後になって、以外と後まで引く(色々考えさせられたり・・)映画だったんだな~ってのもあったりします。

で、例の件
そうですか~ミチさんだったら、言えなかったかも・・・ですか・・・

>普通の職種よりもあの職場の方がどのくらい高給取りなのかを説明してくれればもっと納得できたのかも
 そうですね!だいたい想像はついたものの、そうだったら、もっと5つ☆になってたと思います!
latifa  【 編集】  URL |   2006/12/09 16:20   |  TOP ▲ |


こんにちは。
セロンは凛としていますよね。
現在では、都市部では、男性が女性に抑圧される逆セクハラも多いですね。パワハラという問題も多くなったけど、どうなんだろう、「関係性」ということだから本質的には抱え込んじゃってる問題かもしれないな。
kimion20002000  【 編集】  URL |   2010/11/03 13:42   |  TOP ▲ |


kimionさん、こんにちは
これはとても好きな映画でした。

> 現在では、都市部では、男性が女性に抑圧される逆セクハラも多いですね。パワハラという問題も多くなったけど、どうなんだろう、「関係性」ということだから本質的には抱え込んじゃってる問題かもしれないな。

>男性が女性に抑圧される逆セクハラ
確かにあるかもしれませんが、断然、以前として、その逆が多いと思われ・・・。 
latifa  【 編集】  URL |   2010/11/05 09:01   |  TOP ▲ |


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