fc2ブログ
「サルバドールの朝」感想 衝撃でした・・ 
スペインでは知らない人はいないという、Salvador・Puig・Antich の実話。私は、この映画のある部分が、ものすごいショックで、ちょっと引きずってしまっています。その部分は、ネタバレ部分に詳しく書きました。


内容は、フランコによる軍事政権下にあるスペイン。1974年、若きアナーキスト、サルバドール・プイグ・アンティック Salvador.Puig.Antich(ダニエル・ブリュール)が死刑判決を受ける。何とか処刑を回避しようと家族や仲間、弁護士たちはあらゆる手を尽くすが・・・・

★ネタバレです 以下、白文字で書いているので、文字反転して下さい★この映画で、一番衝撃受け、色々書きたくなっちゃった部分が、ネタバレの部分につき、今回は長くなっちゃってすいません!
結局、死刑は執り行われる。政府に刃向かうと、こうなるぞ!、という「見せしめ」みたいな感じもあり・・。しかし、この一人の青年に対する不当な処刑の事実は、それまで恐怖にひれ伏していた民衆の反発を呼ぶ原動力となり、政権の崩壊のきっかけとなる。
今まで、処刑のシーンは、幾つも見て来たけれども、この映画の処刑方法というのは、生まれて初めて知って、見てしまい、ものすごいショック!!しかも、その装置の様子やら、処刑シーンが、シッカリとずっと映像で再現される@@ 見るに耐えず心臓に悪い。正直見終わった後もずっと引きずってしまっています・・・。
私にとって、今まで、ギロチンが最大恐怖の処刑法だったけれども、この「ガローテ」と呼ばれる、鉄環絞首刑も、残酷で怖すぎる方法だ。イスの背もたれ部分が木の柱になっており、そこの首の部分にネジ?状のもので、鋼鉄製の首輪を徐々に締め、首の骨が折れるまで・・そして窒息させるというもの。スペインでは30年数年前までは、こんな処刑法をやっていたなんて(*_*)
サルバドールは、処刑されるその時まで、処刑されることは解りつつも、どんな処刑法なのか知らされておらず、いざ、「これにかける」っていうのを実際に目にして「こんな!」と絶句するシーンが辛いー!!! 独裁者フランコ時代末期、1974年にガローテ(鉄環)によって散った最後の死刑囚が、彼だそうだ。

そして、私に、更にもっと衝撃度を上げさせたのが、締め上げられて、痙攣・がくっと絶命した様子の後、数分が経ちました・・。当然死んでいるだろうと、脈を計り、死亡確定?を告げようとするシーンで、な、な、なんと!!!脈がまだあるんですよ・・・。まだ死んでないんです。ギャー。一瞬で死んじゃえる訳じゃなくて、もしかしたら、まだ苦しみ続けてるのかもしれないじゃないか!?と、想像すると、狂いそうな衝撃。いや、そう言われれば、ギロチンとか電気椅子、絞首刑でも、すぐに脈が止まるのか?どうか?は知らないですが・・。(もしその他の処刑方法でも、すぐに絶命しないとなると、ガローテど同様に怖ろしいよー!!)
しかも、脈を取って、まだ死んでないって解った時に、ある刑事が「まだ死んでないのか?」みたいな事を言い放つんですよ!!!
今まで、最も怖かったのは、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の処刑シーンだったけど、それを上回る作品を見てしまった・・(T_T)
以上

ところで、刑務所内で、最初は感じが悪かった警官さんと、サルバドールが心を通わせて行く部分は、とても良かったというか、切なくて、たまらなかった。この警官さん「レオナルド・スバラグリア」さんの演技は(彼がサルバドールへの感情が変わって行く様子が目元から伝わって来る)、すごく良かった。アルゼンチンの有名で人気のあるハンサム・セクシーな俳優さんだとか。ちょっとメイクで、わざと不細工に見せているらしいけど、充分魅力的に感じましたよ。ちょっと調べてみたら「カルメン」に出てた人だって(覚えてない・・)写真を検索してみたら、普段のお姿はコレだって!ひょえ~~カッコ良い人なんだ。
 
映画の中では、こんな感じです、キャプチャー写真を貼りました。(上の写真と違って、ハンサムって感じの役じゃ全然無い)クリックすると拡大します


主役のダニエル・ブリュールは、「グッバイ・レーニン」の後「ベルリン、僕らの革命」「ラヴェンダーの咲く庭で」「戦場のアリア」「青い棘」を見て来ていますが、青い棘以外は、どれも4つ★以上と面白く見れて、好印象な俳優さんではあります。今回の役どころに、ハマり役!とまでは思わなかったけれども、バルセロナに生まれた(彼はドイツとスペインのハーフ)ということもあるのか、カタラン語、スペイン語を上手に操り、特にラストの方は、迫真の演技だったと思いました。

宣伝文句にある通り『デッドマンウォーキング』や『白バラの祈り』が、ちょっと頭をよぎる映画でした。引きこまれて見ましたが、好きな映画ではないので、3つ★半。

原題 SALVADOR 製作年度 2006年
監督 マヌエル・ウエルガ
出演 ダニエル・ブリュール 、トリスタン・ウヨア 、レオナルド・スバラグリア 、ホエル・ホアン 、セルソ・ブガーリョ 、レオノール・ワトリング
【2007/08/09 23:34】  コメント(9) | トラックバック(20) | スペイン映画
TOP ▲HOME
 
<<「善き人のためのソナタ」感想と、ウルリッヒ・ミューエについて | ホーム | 「酔いどれ詩人になるまえに」感想>>
コメント

こんにちは~。
あの絶句はこの処刑方を見たからだったのですねー。たしかにアレはひどい!苦しいー。
そしてまだ息があると分かったとき「もしかしたら助けられるのかも」って思ってしまったけど、ほっとかれていましたねー。

あの看守さん、こんなにステキな俳優さんだったとは!
最初はよく映画とかで見るような厳しくて暴力ばかり振るう看守なのかと思ったけど、サルバドールとの心の交流がよかったですねー。
ちょっとだらけてしまったので(私が)★3つでしたけど、ずしんとくるような作品でした。
きらら  【 編集】  URL |   2007/10/06 10:13   |  TOP ▲ |


きららさん~こんにちは!
いや~~、私もこれ3つ☆って感じだったなあ・・・。
実話ではあるものの、なんだか、見た後味も良くないし、、もう一度みたい映画でもなかったし・・・。

やっぱり、あのシーンが私にとっては、衝撃的というか、げぇっ~~~!!って重すぎて・・・。
かなり何日も引きずりました・・。
latifa  【 編集】  URL |   2007/10/06 10:54   |  TOP ▲ |


こんばんは♪
見てきましたよ~~。
サルバドールが「どうやって?」って処刑の仕方を聞いたときに誰も答えなかったでしょう?
で、嫌な予感がしてたんです。
普通処刑と言っても、尊厳を保つような空間で行われると思っていたのに、これは酷い!
どこか物置みたいな片隅でみんなが至近距離で見ていて・・・。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は公開当時処刑シーンが酷すぎると友人に言われて見に行くのを取りやめたのに、それよりも酷いヤツを見ちゃったのかしら、私・・・・(汗)
看守と心を通わせていくエピソードがとても良かったですね~。
お髭の下はどんなお顔かなと思ったら、なんとすっごくハンサムじゃないですかー!(笑)
ミチ  【 編集】  URL |   2008/01/23 21:59   |  TOP ▲ |


ミチさん、こんにちは~!
ううう・・・そうなんですよ・・処刑シーンが、ショック過ぎて、もう思い出したくも無いです・・。
でも、スペインでは、あんな処刑法があった・・・っていうのが、ただ、ただショック。しかも、つい最近まで使われていたって事実には、絶句。

ダンサーインザダークも酷かったです。だってあちらは、完全なる無実だし!見ていて理不尽で可哀想過ぎて怒りが・・。

フートンの私のレス(もうご覧になって頂けました・・よね?^^)で、孫のくだりの後半、削除させてもらっちゃいました(^^;
latifa  【 編集】  URL |   2008/01/24 08:18   |  TOP ▲ |


こんばんは
伝えたいメッセージがきっとシンプルかつ直球な作品なんでしょうね,これ。
お国が違うと,スペイン人ほどは受け取れないメッセージかも。
「ああ,そんな酷い時代があったんだ・・・よそでは」くらいにしか感じれなかったけど
それでも,あのガローテは衝撃でしたね。
彼が処刑されたとき,私は小学生でしたかね,(年がバレバレ)
平和な小学生でしたわ。そんなときにあんな物で殺された青年がいたなんて・・・
衝撃でしたが,知ってよかった,とも思えました。
あの警官さん,実はイケメンなんですね!不細工にメイクしてても,存在感は光ってましたね!
なな  【 編集】  URL |   2008/03/31 01:36   |  TOP ▲ |


ななさん~こんにちは!
いやぁ~スペインの歴史とか(古くも近代も)殆ど知らないんだなあ・・自分・・・と、改めて知る映画でした・・。
なんだかスペインというと明るい雰囲気が勝手に自分の中であるだけに、これとか、パンズラビリンズとか、そういうダークな映画を見ると、違ったスペインの面をかいま見せてもらう感じです・・。

いや~それにしても、ガローテ怖すぎです!!暫く私は怖さがこびりついていましたもん。
あの警官さんの良さ、もうガローテ怖さで殆ど忘れてしまってます!汗)
latifa  【 編集】  URL |   2008/03/31 15:13   |  TOP ▲ |


素敵なブログですね^^

たまたま通りかかったので
コメントさせていただきます

私のブログの方も
ランキング状況だけでも
見ていただければ 御の字 ですw

失礼しました


  【 編集】  URL |   2008/04/06 11:21   |  TOP ▲ |


看守さんがこんなにイケメンだったなんてー!

この処刑方法は、私もサルバドール同様「そんな、嘘だろ」と思いましたよ~
最低だな、って台詞まさにそのまま凝縮してる感じでした
ただ、西洋の拷問器具本とかみると、もっと酷い処刑器具もたくさんあるので、(これも相当あれですが)ある意味「処刑に値する」という人物に対しての極刑なんでしょうね…

ダニエル=サルバドールの、最後は立派でした
maki  【 編集】  URL |   2014/07/15 18:55   |  TOP ▲ |


makiさん、こんにちは
うわー、ひさしぶりのこの映画!
ちょっと懐かしく感じます。

この映画、、、もう今となっては、あの処刑シーンが一番印象に残っていて、
良いエピソードもたくさんあっただろうに・・・
怖すぎます・・・。
latifa  【 編集】  URL |   2014/07/17 15:45   |  TOP ▲ |


コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://latifa.blog10.fc2.com/tb.php/447-a261d65c

『サルバドールの朝』
ラムの大通り (2007/08/10 09:25)
(原題:Salvador (Puig Antich))----ダニエル・ブリュールって久しぶりって気がするよね?「うん。一昨年とかはたくさん出ていたのに、日本に来るのは『戦場のアリア』以来じゃないかな」----彼ってドイツ映画が多いと言うイメージがあるけどこの作品はスペインが舞台なん


サルバドールの朝 (2006)
MOVIEクラブ (2007/09/10 23:19)
もっと、生きたい。25歳の若者に下された不当な死の判決愛するものたちに見守られながら、その瞬間は近づいてゆくラスト30分、感動の涙が止まらない”真実”の物語自由を求めた青年が正当な裁判をされないまま死刑宣告


サルバドールの朝
映画のメモ帳+α (2007/09/23 14:32)
サルバドールの朝(2006 スペイン・イギリス)原題   SALVADOR  監督   マヌエル・ウエルガ   原作   フランセスク・エスクリバノ   脚色   ユイス・アルカラーソ      撮影   ダビ・オメデス                  音楽   ルイ


当時の時代背景を恨めしく思うしかないのだろうか。『サルバドールの朝』
水曜日のシネマ日記 (2007/10/04 22:48)
フランコ政権末期のスペインに実在した、若きアナーキスト、サルバドールの物語です。


映画:サルバドールの朝
駒吉の日記 (2007/10/05 17:05)
サルバドールの朝(シャンテ シネ)「目を閉じて黙っているか、行動するか」ドイツ映画『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々(2006) 』と同カテの作品でしょうか。ゾフィー・ショル扮するユリア・イェンチ(ジュリア・ジェンチ)とは『ベルリン、僕らの革命(2


映画~サルバドールの朝
きららのきらきら生活 (2007/10/06 10:08)
  ☆公式サイト☆フランコ政権末期のスペインを舞台に、不当な裁判によって死刑判決を受けた若きアナーキスト、サルバドールとその家族や友人の戦いを描く社会派ドラマ。スペインのアカデミー賞と言われるゴヤ賞で11部門にノミネートされた話題作。1970年代初頭、フランコ


サルバドールの朝
映画、言いたい放題! (2007/10/27 01:18)
脚本ゼミの友人と、映画を見る会を作って観に行ってます。本当は月1回開催したいところですがなかなか都合が合わず、3ヶ月ぶりの開催です。秋場所というところだね。数作品候補をあげて、その中から選んでます。今回はメンバーの一人が推したこの作品に決まりました。


映画『サルバドールの朝』を観て
KINTYRE’SDIARY (2007/10/27 17:33)
74.サルバドールの朝■原題:Salvador■製作年・国:2006年、スペイン■上映時間:104分■鑑賞日:10月6日、シャンテ・シネ(日比谷)■公式HP:ここをクリックしてください□監督:マヌエル・ウェルガ□脚本:ルイス・アルカラーソ□製作:ハウメ・ローレス□...


『サルバドールの朝』追記~不自然なパンフレットのこと
弱い文明 (2007/10/28 02:39)
『サルバドールの朝』を観て衝撃を受け、死刑制度にチラッとでも疑問を抱いた日本人に対して、悪いのは死刑制度ではなく、軍事政権や、ずさんな裁判や、残酷な処刑方法などであって、日本は該当しないから安心しましょう、となだめること──衝撃を吸収し、椅子の向きをそ


「サルバドールの朝」別の時代なら違う結末という事実
soramove (2007/11/07 00:55)
「サルバドールの朝」★★ダニエル・ブリュール 、 レオノール・ワトリング 主演マヌエル・ウエルガ監督、イギリス、 スペイン、2006年135分スペインの独裁政権下、抵抗組織のなかで言葉だけでなく武力で対抗したひとりの青年が処刑された。歴史は...


サルバドールの朝
パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ (2007/12/07 16:51)
1970年代のスペイン。死刑宣告を受けた青年の壮絶な闘い。&nbsp;主人公サルバドール・プッチ・アンティック(ブリュール)は誰からも好かれる明るい青年。カタルーニャ人の彼は長く続くフランコ独裁政権に対して、仲間とともに自由を求める声を挙げる。同じ大学に通...


サルバドールの朝:SALVADOR
銅版画制作の日々 (2008/01/04 15:27)
サルバドール・プッチ・アンティックの魂の真実を伝えたい! ? 新年早々、ちょっと辛い内容の映画紹介から始まっちゃいました。昨年11月16日、京都シネマにて鑑賞した「サルバドールの朝」です。 ? 歴史に、うとい私は、スペインという国の政治が長きにわたってフ...


映画 【サルバドールの朝】
ミチの雑記帳 (2008/01/23 21:55)
映画館にて「サルバドールの朝」 スペインのアカデミー賞と言われるゴヤ賞で11部門にノミネートされた社会派ヒューマンドラマ。 おはなし:1970年代初頭、フランコ政権末期のスペイン。自由解放運動のグループに所属する25歳のサルバドール(ダニエル・ブリュール)は、...


サルバドールの朝
虎猫の気まぐれシネマ日記 (2008/03/31 01:28)
1970年代初頭,フランコ政権末期のスペインで,警官殺しの罪に問われ,不当な裁判で死刑判決を受けた若きアナーキスト,サルバドール・プッチ・アンティック(ダニエル・ブリュール)の事実に基づく物語。 この実話が,わずか30数年前の出来事なんだということが,信じ


サルバドールの朝:映画
映画、札幌グルメ情報はジフルブログ (2008/04/05 12:09)
今回紹介する映画は、フランコ独裁政権末期のスペインで反政府活動をした青年サルバドールの生涯を扱ったノンフィクション作品『サルバドールの朝』です。 サルバドールの朝:ストーリー 1970年代初頭、フランコ独裁政権末期のスペインで、正義と自由を信じ、世界は変...


サルバドールの朝
小部屋日記 (2008/04/11 12:54)
salvador(2007/スペイン) 監督:マヌエル・ウエルガ 出演:ダニエル・ブリュール/トリスタン・ウヨア/レオナルド・スバラグリア/ホエル・ホアン/セルソ・ブガーリョ もっと、生きたい! 実話とは知らなかった。 スペイン内戦が舞台というと、最近では映画「パン


「サルバドールの朝」(スペイン/イギリス 2006年)
三毛猫《sannkeneko》の飼い主の日常 (2008/04/19 21:15)
1974年3月2日、フランコ支配末期のスペイン。 バルセロナ生まれのサルバドール・プッチ・アンティックは 政治犯として処刑された。


サルバドールの朝
☆彡映画鑑賞日記☆彡 (2008/07/02 20:37)
 『もっと、生きたい。』  コチラの「サルバドールの朝」は、1970年代初頭フランコ独裁政権末期のスペインで完璧な自由を求め、25歳の若さで不当な判決により、バルセロナ・モデロ刑務所で1974年3月2日午前9時40分、鉄環絞首刑<ガローテ>という残虐な方法で処刑され


『サルバドールの朝』を観たぞ~!
おきらく楽天 映画生活 (2009/07/21 23:40)
『サルバドールの朝』を観ましたフランコ政権末期のスペインを舞台に、不当な裁判によって死刑判決を受けた若きアナーキスト、サルバドールとその家族や友人の戦いを描く社会派ドラマです>>『サルバドールの朝』関連原題: SALVADORジャンル: ドラマ/ファンタジー上映...


サルバドールの朝
いやいやえん (2014/07/15 09:10)
スペインの内戦…てか勿論ダニエル・ブリュールさん目当て。 サルバドール達の政治活動が、どのくらい一般市民に広まっていて、国の内情的に重要だったのか、当時の独裁政権時代のスペインを詳しく知らないので、共感しにくい場面が多々あった。 なぜ反体制運動をしているのか(強盗など)が全く伝わって来ず、どちらかというと「時代がそうだったから」「勢いで」といった、若さから来る一方的な使命感や考えのない行...


| ホームTOP ▲ |