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「包帯クラブ」小説読後、映画を見た感想
1年ほど前に、原作を読んで、だいぶ細かい部分を忘れた頃、レンタルが開始になったので映画も見てみました。
hou
う~~ん、開始早々、この映画の音楽が、あまりに感傷的過ぎる気がして、ダメかも・・・と思ってしまいました。この映画の音楽を演奏しているのは、ハンバートハンバートなるアーティスト(私はこの映画で初めて知った歌・グループ?ですが)、この音楽が嫌いって悪い訳ではなくて、この内容の映画に、この音楽・・・というのが、あまりにも正統派過ぎるなぁ・・・と感じたというか・・・。ル~ルルル~で始まる歌が、PPM(Peter Paul & Mary)の「風に吹かれて」に、すごく似てて、ビックリ。
PPMの歌は結構好きなんだけれども、この映画の挿入歌は、あまり好きではなかったです。ごめんなさい。

小説と映画で大きく違っていたのは、映画では、ディノの傷にとても重きをおいている処でした。そこのシーンは、ついぐっと身を乗り出して見てしまい、さすがに柳楽君の吸引力?はまだまだ失われてないな、と思いました。ちなみに小説では、ディノの傷は、これほど大きな事ではなくて・・・、はて、何だったかな?! 怖ろしい事に、もう忘れてしまっているという状態です・・・(誰か教えて下さい。本は返却しちゃったので・・・)全体的に、小説より映画の方が、おのおのの傷の理由が深かった気が少々したような・・・・
私は小説より、映画の方が、良かったかもしれない・・・と思ったりもします。

★以下ネタバレです ラストまで書いていますので注意。 白文字で書いています★
映画でのディノの傷は?というと、中学の時の仲が良かった絵が上手な友人が、衝動的にもう一人のツッコミという友人を、突然ナイフで刺し、その結果、ツッコミは下半身麻痺になってしまった・・・。その日、たまたまお母さんが風邪で熱を出し、ディノは行けなかっただけで、もしかしたら、ツッコミは自分の代わりに刺されたんじゃないか?と自分を責めており、かつ、ツッコミの処にお見舞いに行かねばと思いつつ行けないままになってしまっている・・・ ⇒結局、ワラが彼の背中を押した形になり、ディノがツッコミの家(ずっと橋の向こうから見ていた)を訪ね、2人が久し振りに話す。ツッコミは下半身不随になっても、俺は前向きにがんばってるぞ、という処を見せてくれ、ディノは涙ぐむ・・というシーンは、さすがの私も目頭が熱くなってしまいました。
あと、良い高校に進学した友人が、実は包帯クラブの事を暴露していた・・というのは小説と同じでした。 あんな酷い事をした友人なのに、みんな責める訳でもなく、凄く寛容に受け入れてあげる処が、すごいなー!と思いました。私なら怒って許してあげられそうにないのに。
小説では最後にその後のメンバーが大人になって、どういう風になっているのか?というのが書かれているのですが、映画版では、ディノが紛争地帯の報道カメラマンになったのかな・・・・?と、少しだけ推察される程度で終わっているのが良かったです。この時のやぎら君がルックス的に、一番カッコ良く見えました。それ以外は、正直・・う~~ん・・・あまり格好良さ・・は感じなかったな・・
以上

キャスティングで、石原さとみっていうのは、ワラには合わないのでは・・?と思ったけれども、意外と大丈夫で、演技も上手でした。他のキャスティングも悪くなかったです。

小説を読んだ時は、この「包帯を巻くことで癒しを・・」という活動や、内容展開を、ちょっと甘いかな・・・と思ってしまったし、映画を見ても、ストライクにガツンと来るには私がもう年を取りすぎたな・・というのは相変わらず感じた事ではあったものの、それでも、若い世代の人が見たら感動出来るかもしれないし、見て欲しい気もする。 バカバカしい・・・と思いながらも、うん・・・・でも、悪くないかも・・・・と、ふと後から思いかえす・・・という人も結構いるかもしれない・・・^^ 私の感想は3つ★

包帯クラブ (2007/日)
監督 堤幸彦  脚本 森下佳子 原作 天童荒太
音楽 ハンバートハンバート
出演 柳楽優弥 / 石原さとみ / 田中圭 / 貫地谷しほり / 佐藤千亜妃 / 関めぐみ / 風吹ジュン / 大島蓉子 / 岡本麗 / 国広富之 / 塩見三省 / 原田美枝子

(あらすじ・内容) 高校三年生のワラ(石原さとみ)は小学校6年生の時に両親が離婚したことが実は心の傷になっている。ある日包丁で腕に傷をつけてしまい、それをリストカットと勘違いされ、病院の屋上にいた処に、自殺と勘違いし、それを止めようとした関西弁の少年・ディノ(柳楽優弥)と出会う。

高崎市を舞台にしていて、ここに住んでいる人、ゆかりのある人にとっては、色々な部分で反応出来る映画な感じがします。
 ⇒ 小説「包帯クラブ」感想と「永遠の仔」
【2008/04/25 09:01】  コメント(8) | トラックバック(6) | 日本映画
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コメント

そもそも包帯巻いて癒される...なんて甘いよなぁって僕も思いました。
原作とちがうんですね。ひとりひとりの傷も深く重かったんですね。
ていうかホント、音楽が必要以上に重かったですよね(笑)
へんなの~ってみてましたよその辺は。
柳楽くんは妙な役だし関西弁だし、いつもの感じと違って役者の姿を感じられました。
motti  【 編集】  URL |   2008/04/25 12:48   |  TOP ▲ |


mottiさん、こんばんは!
mottiさんも、甘いよな・・って思われましたか。それと、やっぱり音楽が重かったってmottiさんも思われましたかー!
もうちょっと違う感じの音楽がかかっていたら(もっと快活な?音楽だったら)良かったのにな。。。って私はつい思ってしまいました。
やぎら君は、破天荒な役が、意外にしっくり来てがんばっていましたよね♪
latifa  【 編集】  URL |   2008/04/25 18:03   |  TOP ▲ |


こちらにも・・・。
もうテーマそのものがちょっと甘く感じられて、こういう題材を繊細に受け止めるほど若くはないんだな~って感じてしまいます。
先日「疾走」という映画に対して中学生の方からコメントをいただいたのだけど、イマドキの中学生は何かあるとすぐに自殺なんてことを考えてしまうって。
そういう風に考えるのは昔からあったことだろうけれど、だんだん子供の耐性は低くなってる気がする・・・。
そういうイマドキの子供たちがこの映画を見たら、もっと私たちとは違う感想を持つのかな~と思いました。
実際の中高生に感想を聞いてみたいな。
ミチ  【 編集】  URL |   2008/04/26 19:47   |  TOP ▲ |


ミチさん、お忙しい処、あちこちにありがとうございます!偶然ミチさんが既にご覧になられた映画を立て続けに見ちゃったものだから、重なってしまって(^^;)

疾走・・・。あれは映画も小説もかなり印象に強く残っている作品です・・。
自殺ね・・確かにイマドキの子は、すぐ死にたがるというか、自殺願望の強い子が多い気はします。
耐性が弱くなってきてるっていうのは、感じますね・・・。
そういう子供達を育てた私たち親側にも、きっとなにか問題があったのかな・・・。一生懸命育てて来てる親の子供の方が、放任だったりある意味ダメ親?って思う親の子よりも、弱い子が多い様な気がすることがあるの・・・。私の回りだけかな・・?
みんな子供を大事に大事に育て過ぎた結果が、コレなのかな?

私もこれ、子供に見せたいんだけれど、過激な性描写があるから、とてもじゃないけど、親からはお薦めし難いのよね・・・。
latifa  【 編集】  URL |   2008/04/26 21:55   |  TOP ▲ |


TBありがとう。
実際にはこういうクラブはありえないけど、中高校生が見て欲しいなあ、とちょっと甘く思ってしまいました。
kimion20002000  【 編集】  URL |   2008/05/29 15:38   |  TOP ▲ |


kimion20002000さん、こんにちは。
こちらこそ、ありがとうございます(^O^)
そうですね、私も今の若い子達に見てもらいたいな~、どういう風に感じるのかな~と、思った映画でした。
latifa  【 編集】  URL |   2008/05/30 08:26   |  TOP ▲ |


はじめまして。
もう若くはありませんが、けっこうはまりました。w
何より、ヤギラ君にやられてしまったのですが。
全然関係のない人間に、自分の傷を思いやってもらう、そのことに皆救われたのかなと思いました。そして、それがまた自分の傷にも…。
ではでは。
IHURU  【 編集】  URL |   2008/06/02 14:08   |  TOP ▲ |


IHURUさん、はじめまして^^
コメントありがとうございました!
この映画の、やぎら君にやられてしまったのですね☆
IHURUさんの何かツボに来る役柄だったのかもしれませんね。

私は「誰にも言えない」の時の14才くらいのやぎら君にやられて以後、ファンって程ではないものの、ウォッチャーし続けています。

このお話の根本に流れるものは、とても優しくて良いものがありますよね~♪
またいつでもお気軽に遊びにいらして下さい(^O^)
latifa  【 編集】  URL |   2008/06/02 19:27   |  TOP ▲ |


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