ネタバレ「母なる証明」 脚本(原案)読んで解った事!

47 24
完全ネタバレしているので、未見の方は要注意です!!
00
映画を見た後、もっと色々深く知りたくて、幻冬社から出ているポン・ジュノ監督の原案を読みました。映画では描かれてなかったことや、原案(シナリオ?)を読んで解った事実などを以下に書きます。

●舞台は、カンウォンド(江原道)の山間の町である。ちなみにウォンビンの故郷である実家もここカンウォンドの山の中の小さな町である。

●警察官のジュムン(薄味のソンガンホという外貌の人)は、ジンテの中学校の時に入っていた野球部のコーチであった。 このジュムンは、影ながらトジュンが捕まった後も、トジュンが犯人というのが納得いかなかったので、密かに1人で捜査をしてくれていた。

●ジンテは、悪知恵が働き、頭の回転も良いキレ者だが、友人らしい友人はトジュンだけだ。昔から、ヘジャ(トジュンの母)は、このジンテにお金をなんだかんだで貸してやったり、あげたりしていた。それは息子によくしてやって欲しいという気持ちがあったからだが、母の望みとは逆に、ジンテはトジュンに良くしてやったりはしてなかった。

●中国製の漢方草の状態について色々言うおばさんは、実はヘジャのやってる漢方屋のオーナーである。元々このおばさんの父が、このお店のオーナーだった。その父亡き後、ヘジャにこの店を貸している。その父は以前ヘジャと結婚したがっていた。 

●ジンテは、ミナだけではなくて、ミナのママ(マンハッタンで働いてる)ともデキている。

●廃品回収のおじさんのリヤカーから傘を買ったシーンは、1000wonをヘジャが払っただけで、映画版と違っておじいさんからの戻しは無し。

弁護士がそれまでやる気が全然無かったのに、急にやる気になって、お偉いさん2人と待っていた件は、実は本の最終章で明らかになるのだが、アジョンに上客を紹介していたのはジンテだった。なので、アジョンが死んだ後、お偉いさん達(アジョンを買っていた男達)は焦った。早くこの事件を決着つけねば・・・という感じで・・・。
尚、事件の直後、廃品回収のおじいさんとジンテは密かに会っていて、おじいさんは、事件の一部始終をジンテに告白し、おじいさんが屋上にアジョンを見に行った時は、まだ生きていたものの、ジンテが到着した時にはアジョンは既に死んじゃっていた。あのトジュンのボールをこれみよがしに現場に置いて行ったのはジンテである。尚、あのゴルフ場にいた教授も、アジョンの客だった。

ススキ畑で踊るヘジャが、最後に胸元に手を入れるシーンがあったが、なんと!あそこでは数十年ぶりに母乳が出だした!という・・・

●ヘジャ26才の時、20才の大学生と恋仲になるも、結婚を反対される。相手の大学生が、民主化運動に参加している男だったからだ。その時既にお腹にはトジュンがいた。奇しくもその時1980年光州事件に巻き込まれ、ヘジャの回りで多くの人が死んだり、ごたごたしているうち、恋人はいなくなってしまった(去った)。その後1人でトジュンを産むこととなる。どうやら、トジュンは生まれつき障害があったわけではなさそうだ。貧乏とノイローゼ気味だったヘジャは、5才の時無理心中を図る。やっぱり5才の時に飲んだ農薬の後遺症で、ああいう風な障害が残ったようだ。

●拘置所を出たトジュンは、その場に母が迎えに来ていない事で少し拍子抜けしていた。母は実は息子が・・・というのを知って以後、どう息子と向き合えば良いやら解らず、迎えに行けずにいた。
ジンテとミナの迎えに来てくれた車で帰る途中、火事現場で、トジュンが急に「止めて!」と強く言いだし、走り出したらしい(何気なく火事現場に立ち寄ったのではなく、トジュン何か思い当たる節があって寄ったという感じの含みがあった。でも映画では「止めて!」と言うシーンも走って行くシーンもなく、火事の現場でぷらぷらしてる様子だけが流れる)原案では、ジンテはトジュンやミナを携帯で撮影している・・・(もしかして拾った物をしまう現場を撮影してたかもしれない・・・)

●アジョンの葬式の時、痴呆症のおばあさんは、親戚に「今まで見知らぬ顔をしていたくせに、なんだかんだ」とぶちまかすシーンが原案にはある。しかしながら、痴呆症の人が言ったとは思えないほどシッカリした発言だったので削ったのかな・・・? マッコリボトルを落とすシーンは原案には無し。

●紅葉狩りツアー参加をうながしたのは、写真屋さんのミソンだった。ミソンはめでたく妊娠した^^

●バスターミナルのシーンは、朝。(夕方なのか朝なのかどっちなのかな・・と思っていたが朝なのね。ただバスの中のシーンは夕方かもしれないな・・・ちょっと解らず。)
バスターミナルでは、頬に傷のある女子学生と、あの時助けに入ってくれた5部刈りのコックさんがデートしに行くようであった^^

ーー以下、感想ですーー

やっと見に行くことが出来ました(^▽^) 予想以上に凄かった・・・。
脚本がとても良かったと思いました。ハラハラドキドキ感と、時々えっ!、グワッ!と来る部分をちりばめながら、「はてさて、本当の処はどっちなんだ??」というのもあって、映画見た後、見た人同士で、どう思った?って一杯話したくなっちゃう様な映画でした。お母さんを演じたキム・ヘジャさんは、ほんとにもう素晴らしかったです。あとチング君、脇役の人達もみんな演技が上手かったし、役にピッタリでした。
で、ウォンビン。韓国では「純朴な、したたかさの無い、田舎から出て来た少年」って風に思われてる。

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
それだけに見ている側に「絶対この息子は殺してないだろう」という先入観を持たせるのに、うってつけのキャスティングだったと思いました。だからこそ「息子が犯人だったのか!」という衝撃がありました。
 面会時、お母さんに農薬飲まされて殺されかかった事を思い出したと言うシーンは凍り付いたな~。「ゆれる」を何故か思い出しました。映画を見終わって知ったのですが、西川美和監督がこの「母なる証明」を絶賛されていたそうなんですね。
 あと、私はあの針が入った缶を、あのボロ屋に忘れて来てるに違いない!どうすんだ母!って、火事の後からずーっと気になってたんですよ。だから警察のおっちゃんがやって来た時は、手にあの缶を持ってお母さんを逮捕に来たんだとばっかり思ってました。ところがどっこい、真犯人が捕まったと来た!その犯人も、障害のある子だったという展開に呆然・・・。面会に行って母慟哭・・・。そして息子が開放された後(←なんと、あの母は迎えに来ていない)、火事現場にチングと女の子と立ち寄るシーンが。あ~缶があるに違いない・・、またチングに見つかり母脅されるのか?思ったら・・息子がgetしていたのね・・・。
ご飯を食べながら「少女を屋上に運んで置いた理由の想像」を話すシーンや、バスターミナルで母に針缶を渡すシーンで、「ドジュン、ホントは全て解ってるんじゃないのか?!純な子じゃなくて、実は怖い奴なのか・・?」と薄ら寒い思いを見ているこっちに残すという脚本もとても良かったと思いました。
それにしても、この映画の「パボ」は、バック・トゥー・ザ・フューチャーの「チキン」 でしたね(^^ゞ 
一カ所残念だったのは、母が火を放った後出て来た時、顔に血と泥をなすりつけて汚くなってたはずなのに、白く綺麗だった事かな^^(後日追加)どうやら、その白い綺麗なお顔シーンは、ミスではなく、わざとそういう風に狙ってやった、という事のようだと他のブロガーさんから教えて頂きました。
以上

また、映像もセンスあるな~って部分が色々ありました。立ちションをしたグレーの壁にお母さんが1人いるシーンとか、ススキの草原のシーンとか、遠景のシーン(山の処を歩く母)とか。そしてあのメインテーマ?も独特で良かったです~。

「チェイサー」も凄かったですが、個人的にこちらの映画の方が更に凄かった・・・・。4つ★半~5つ★
最後に、最近のウォンビンのあの顔半分隠れてる変なヘアスタイルは酷い・・・(T_T) この映画を復帰作に選んだのはナイスだったけれど、そろそろ主役を張る覚悟と勇気を持って、がんばれー!

母なる証明 2009韓国 MOTHER 
監督 原案 ポン・ジュノ  撮影 ホン・ギョンピョ  音楽 イ・ビョンウ
出演 キム・ヘジャ / ウォンビン / チン・グ / ユン・ジェムン / チョン・ミソン
ページトップ